グランヴィルによる「ラ・フォンテーヌ寓話」挿画

「狼と羊たち」
ラ・フォンテーヌの『寓話』は、ルイ十四世の長男の六歳の王太子に捧げられ、王太子の帝王教育のためにイソップを分かりやすい詩の形式に書き直したという形を取っていた。
しかし、ルイ十四世は恩人フーケを無実の罪で裁いた張本人であり、『寓話』でライオンやオオカミなどの理屈として描かれている強者の論理はルイ十四世のそれにほかならないのだから、『寓話』は、息子に対して父の悪行を告発するというきわめて大胆な発想の本なのである。
(略)
ただ、この技法は、よほどうまく使わないと身を危うくする両刃の剣である。
もし、動物たちがたんなる動物の仮面をかぶった人間であれば、たちどころに告発されるし、その一方、動物たちが人間を連想させないような、文字通りの動物であれば、それは風刺の用をなさない。

ドレによる「羊飼になったオオカミ」に続いて、ほぼ同時代の画家グランヴィルによるラ・フォンテーヌ寓話の挿画を。
上の引用は、以前ご紹介した「オオカミたちとヒツジたち」のもの。服を着て二足歩行をする、動物であり人間でもあるような、『寓話』の本質に沿った挿画は、グランヴィルによって始まるとのこと。また、こちらの本では、観相学との関係も示唆されています。

ひつじ話

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