ダンテ 『神曲』「地獄篇」第十八歌
そこで、ダンテはその古い橋の上に立って、向かい側からこっちへやってくる群集の列を見守っていたが、彼らも同様に鞭うたれていた。
ダンテが質問するまえにヴィルジリオが説明をはじめた。
「むこうからやってくる身体の大きな者を見たまえ、彼はどんなに苦しんでも涙を流さない、なんといまだに王者の威厳をたもっているではないか。
あれはジャソーネといって、勇気と知恵でコルキス人から牡羊を奪った者だ。
(略)
かくして、彼がメデアにした裏切り行為は報復を受けたのだ。」
ダンテ・アリギエーリの「神曲」から。
「地獄篇」第十八歌で描かれる第八圏第一嚢、「婦女誘拐者の嚢」にジャソーネ(イアソン)がいるようです。イアソンが何者かについては、このあたりでどうぞ。
ダンテが私淑し案内者として登場させたヴィルジリオ(ウェルギリウス)についても、「牧歌」をご紹介しております。
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