ヘッセ 「ハンネス」

翌日彼は二人の連れとともに出かけ、羊飼いを探し、そして辺ぴな荒野に彼の姿を見つけた。
羊飼いは兄を愛想よく迎え、パンとミルクをさし出し、彼と家族の具合を尋ねた。
それで兄は、ひどい言葉を述べる前に、羊飼いの態度にひどく心を動かされたので、弟に許しを乞い後悔して帰って行った。
この最後の話を聞いて、ハンネスに悪意を抱く人はみんな何も言えなくなってしまった。
そしてこの話はいつも新たに尾ひれをつけて語られた。

ヘルマン・ヘッセの短編「ハンネス」を。
町の外に暮らし、相談におとずれる人々には助言と励ましを与え、聖なる隠者のように慕われる羊飼いハンネス。しかし、その手にあまる災厄が町を襲ったとき、彼がなしえたこととは。

ひつじ話

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