『転身物語』より「カエサルの昇天」
いたるところで地獄の鳥である梟が、不吉な予兆を告げた。
多くの場所では、象牙の神像が涙をながし、神聖な杜では、哀泣の声やおそろしげな叫びが聞えたといわれる。
いくら犠牲をささげても、よい兆しはあらわれず、その臓腑は、大きな変事が近いことを予示し、なかでも肝臓の先端は、剣のために切りつぶされていた。
先日ご紹介した、エトルリアの肝臓占いについて、もう少し。オウィディウスの「転身物語(変身物語)」より、ユリウス・カエサルの暗殺が描かれる「カエサルの昇天」を。
その大きさによって吉凶を判断するべき部分が切りつぶされていることが、大凶のしるしとなっているようです。
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