『シャー・ナーメ』より、「火の祭りサデ」

「火の祭りサデ」 「火の祭りサデ」(部分)
『シャー・ナーメ』からの一枚で、初期サファヴィー朝時代の代表的なペルシア人画家スルタン・ムハンマドが描いた「火の祭りサデ」を見てみよう。
伝説のペルシア王フーシャングが、突然現れた大蛇を殺そうと石を投げると、蛇は逃げたが、石が岩に当たって火花が散った。
王はこうして火を作る方法を発見し、神に感謝を捧げ、家臣や動物を集めて宴会を開いた。
これが、後にサデと呼ばれるようになった火の祭りの起こりであり、スルタン・ムハンマドの細密画はこの宴会の様子を描いたものだ。

そして夜がくると、山のように高々と火を燃やし、王は臣民とともに火を囲み、この夜を祝って酒をのんだ。
あかあかと燃えるこの夜に王のあたえた名が「サデの祭」。その祭がフーシャング王を記念して今もなお残っている。
(略)
彼はまた神よりあたえられた力と王権によって、牛・ロバ・羊を手におえぬ野生ロバや鹿から分け、生活に役立ちうるものを活用した。

イランの叙事詩『シャー・ナーメ(王書)』を描いた、サファヴィー朝のころの細密画と、「王書」の相当部分を。同時代のものとして、「子羊をかつぐモーゼ」をご紹介しています。

ひつじ話

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