アルチャーティ 「エンブレム集」
キュクロプスはアーチ状の洞窟の入口に座り、
従順な羊たちの間で自分に対して歌った。
おまえたちは草を食べ、俺はギリシア人の仲間たちを喰らう。
そして最後に、俺の腹は「誰でもない」を運ぶだろう。
イタカの者はこれを聞いて、キュクロプスの光を奪った。
見よ、この張本人が自ら罰を受けるのを。
一般的に言えば、エンブレムとはモットー・図像(狭義のエンブレム)・エピグラムという三つ組から構成され、主として道徳的な訓戒を総合的に表現する、特異な文学─美術的ジャンルである。
そして、アルチャーティの『エンブレム集』が、このジャンルの範例として長く尊重されてきた。
16世紀イタリア、アンドレア・アルチャーティによるエンブレム・ブックから、「正しい復讐」を。
「エンブレム集」には1531年アウクスブルク版と1534年パリ版があり、二種の図像はそれぞれの版のものとのこと。
エピグラムにあるイタカの者云々というのは、オデュッセウスのキュクロプスとの闘争のことでしょうか。
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