アイスキュロス 「アガメムノーン」
男をたおす剣を研ぎながら、祈りの言葉で刃を研いでいる、
わたしをここに連れてきた、その償いを死と血で払わせる、と。
それなのに、わたしを嘲りわらう、これや、これを、なぜこの身に
つけている 予言者の杖も、羊の毛の首飾りも?
おまえなど、わたしの寿命のつきるまえに、ほろぼしてやろう。
みな砕け散ってしまえ。地面に落ちたらもういちど、こうして、仕返しをして
くれよう。
わたしのかわりに、べつの女に破滅の花を咲かせておやり。
ご覧なさい、アポローンご自身の手が、わたしの身から
巫女の衣装をはぎとって、そして、このような飾りをつけていても、
さんざん嘲い者になっていた、わたしをご覧になられて
アイスキュロスのギリシア悲劇、「アガメムノーン」から。
トロイア戦争から凱旋した王アガメムノーンは、その妻による暗殺という運命に迎えられます。
引用は、王とともに殺される自らの運命をも見てしまった、アポローンの予言者にしてアガメムノーンの戦利品、トロイア王女カッサンドラーの嘆きの場面。アポローンの巫女の印として、羊の毛の首飾りをつけているようです。
アポローンの印が羊の毛というのは、「イリアス」冒頭にもでてきます。どんな形のものなのでしょうね?
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