「ビーグル号航海記」
この牧場に滞在中、当地にいる牧羊犬を見聞したことが楽しかった。
遠乗りをすると、人家や牧童から何マイルも離れたところで、一、二匹の犬に護られた羊の大群をふつうに見かけるのだ。
ここまで堅固な信頼関係がどうやってできあがったのか、知りたくなることもしばしばだった。
犬の躾けかたは、まず子犬のうちに母親から離し、将来の仲間たちといっしょにするのが肝心である。
牝羊を一日に三、四回子犬にあてがって乳を吸わせ、羊小屋に羊毛の寝床をつくっておいてやる。
ほかの犬や家族の子どもたちとは絶対に遊ばせない。
さらに、子犬を去勢してしまうのが通常のやりかただ。
そうすると、育ったあとでほかの同類に関心をほとんど示さなくなる。
ここまで躾ければ、犬は羊の群れから離れようとしなくなる。
別の犬が主人である人間を護るのとまったく同じように、牧羊犬たちは羊を護る。
わたしが羊の群れに近づくと、犬がすぐ吠えはじめ、羊たちも最年長の一頭のまわりに集まるかのように犬のうしろにかたまる光景は、おもしろい見ものである。
あけましておめでとうございます。本年も、ひつじnewsをよろしくお願い申し上げます。
さて、ことし最初のひつじ話は、チャールズ・ダーウィンの「ビーグル号航海記」から。最近出たばかりの荒俣宏による新訳版より、「第8章 バンダ・オリエンタルとパタゴニア」の中の一場面を。
ダーウィン関連、といって良いのか微妙ですが、「世界を旅した女性たち―ヴィクトリア朝レディ・トラベラー物語」をご紹介したことがありますので、こちらもご参考にぜひ。
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