『夫木和歌抄』の「羊の歩み」。

『夫木和歌抄』巻二十七動物部には「羊」題は立てられていないものの、巻十九の「煙」題には「羊の歩み」が詠まれている。
この慣用句は後崇光院たちも先刻承知の表現であった。
六帖題、  光俊朝臣
もえつづくかうの煙のときうつりひつじのあゆみけふも程なし
(『夫木和歌抄』巻十九雑部一「煙」)
(略)
後崇光院たちは様々な文献を参照し、あるいは既に自らの血肉と化した素養に基づいてこの絵巻を制作しているが、『夫木和歌抄』はまさに院の身辺にあって活用された一書であった。

以前ご紹介した、『十二類絵巻』のお話の続きを。
その制作にかかわったとされる後崇光院と参照された類題集『夫木和歌抄』について論じた、こちらの「異類の歌合」に、羊の詠んだ歌と関係するとおぼしき一首が挙げられています。
「羊の歩み」というテーマについてはなんどかお話しておりますので、こちらで。

ひつじ話

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