駿府御分物帳の羊毛製品。
元和二年(1616)四月十七日に徳川家康は歿し、駿府城に残された膨大な遺産の大部分は、のちに徳川御三家と呼ばれる尾張・紀伊・水戸の三家の初代、即ち家康の九男義直、十男頼宣、十一男頼房の三人に分け与へられた。
(略)
『駿府御分物(すんぷおわけもの)帳』とは、この遺産分配に当って作成された請渡帳である。
(略)
衣服と反物
絹布類の種類は実に多種多様で、四八四項に上って計上されてゐる。
(略)
それらのうち、名称から推して南蛮渡りと思はれる品目のみを掲げてみよう。
あびと ゑけれしま
おらんとぬの おらんと嶋
かいき かなきん
かりせや ごろごろ
さらさ しちん
しやむろ せてん
たふしいら ちよろけん
びろうど へろへとらん
ほろかあと らしや
(略)
新時代の品々
(略)
虎の皮四枚、羊之皮二枚、らつこの皮十六枚、こつひの皮十二枚、唐皮十枚が見え、敷物や武具に用ゐるためであったと思はれる。
ときどきお話している羅紗関連で。
『海外視点・日本の歴史』シリーズより「将軍の国と異邦人」所収の、「家康の遺産に見る世界の品々」から。徳川家康の遺品目録「駿府御分物帳」に記された海外産品についての解説ですが、羊毛製品がずいぶんあるようです。
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