聖アグネスの見分けかた
アグネスはラテン語で「仔羊」、ギリシア語では「純潔」を意味する。このため三世紀の聖女アグネスは貞操の保護者として仰がれている。(中略)埋葬されてのち、天の光背に照らされて、純潔のシンボルである仔羊をつれて、墓参する人びとの前に現れたという。美術上、聖アグネスは仔羊とともに描かれるので、それとわかる。殉教の印として、脚下に剣か焔が描かれ、恥部をおおった長い髪で描かれることもある。彼女の祝日の一月二十一日には、ローマの聖アグネス聖堂で毎年二匹の仔羊が祝別、すなわち屠殺される。この仔羊は修道女が飼育しているもので、その毛で大司教用の肩掛け帯(パリウム)がつくられる。
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