「毛の人類史」より。
歴史を通して、イギリスの名だたる政治家が王国の栄光に対する羊毛の貢献を称えている。1297年、議員である貴族たちは「王国の宝」と判じ、哲学者で議員でもあったフランシス・ベーコンは王国の「大車輪」と呼び、国王ジェームズ二世は「この王国の最も偉大かつ最も収益性の高い商品」と宣言した。
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洗浄後の羊毛はまず、規則正しく並んだ硬い針で覆われている板に置かれる。この板は「カード card」と呼ばれるが、この名前は古代ローマ人が羊毛を梳かし、もつれをほぐすのに利用したラシャカキグサの乾燥させた棘だらけの頭状花に由来する。古代ローマ人がこの植物を「カーデュウス carduus」と呼んでいたからである。
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1480年にフランス王ルイ11世によって規格が統一された最初のテニスボールは、皮革のカバーのなかに毛や羊毛がぎっしりと詰め込まれたものだった。18世紀になる頃には、皮革のカバーは細長い羊毛フェルトをつなぎ合わせたものになったが、なかにはあいかわらず毛や羊毛がぎっしりと詰められていた。
「毛」にまつわる興味深いエピソードが満載の「毛の人類史」から、羊毛関連の話題をいくつか。
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