分譲地PRメ?調子/県、販売促進へ放牧

 売れ行き不振が続いてきた白河市白坂の県の分譲地で、ヤギとヒツジが「広告大使」として活躍している。分譲地に「放牧」され、見学者に「スローライフ」をPR、売却にもつながったという。除草にも役立つほか、近所の憩いの場にもなっている。
 この分譲地は、住宅向けの「新白河ライフパーク」と企業向けの「新白河ビジネスパーク」。県が計37ヘクタールを造成し、99年から分譲を始めたが、販売できたのは住宅分譲地206区画中約50区画、企業向けは計8.9ヘクタール中0.6ヘクタールにとどまっている。
 販売促進のために県が注目したのがヤギ。売れ残った分譲地で伸び放題の雑草を食べてもらえる上、来場者にゆったりした暮らしをアピールできる、と考えた。
 7月末、分譲地内の農産物直売所に野菜を出荷する若林敏雄さん(59)に依頼し、ヤギの乳製品を開発する郡山市の企業からヤギを借り受け、実験的に飼育を始めた。
 順調に飼育できることがわかり、1カ月後、若林さんはヤギ2頭、ヒツジ2頭を自ら購入。9月1日からこの4頭に、県が「広告大使」を委嘱した。現在、企業用地内に約1千平方メートル分の囲みをつくり「放牧」しているほか、パンフレットや分譲地を宣伝するホームページでもマスコットにしている。
 県企業局販売推進グループによれば、「放牧」後、見学者が増えたという。昨年度計3件だった契約は、9月1日以降で2件。「のんびりと草を食べる姿を見た来場者から『エコライフでいい』と評価してもらい、購入につながった例もあります」と、手応えを感じている。
 ヤギたちの食欲は旺盛で、2?3週間おきに場所替えし、除草も進んでいる。土地がすっきりしたため、ごみの投げ捨てが減る効果もあった。さらに、フェンス越しにふれあえることから、近所の家族連れが「ミニ動物園」の感覚で訪れている。

マスコットのヒツジとヤギ


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