3月閉校の豊央小児童の笑顔 「自然豊かな環境、もっと知って」
三重との県境にある山添村は、人口約4700人。バスに乗り、国道神野口のバス停で降りた。近くの村立豊央小学校が3月に閉校されると聞いていたので、子どもたちに会ってみたくなった。
バス停から徒歩約10分。牛のような鳴き声が遠くに聞こえる。全校生徒23人ののどかな学校だ。本橋源三校長にあいさつした後、校舎へ。ちょうど給食の時間で、1年生から6年生まで一緒に「ランチ教室」で食べている。がやがやがや…。教師らと一緒に楽しそうに給食を食べる子どもたち。各テーブルを回り、豊央小の思い出を聞かせてもらった。「やっぱメリーだよね」「うん。メリーとハリーが一番や」「かわいいやんなー」。「メリーって何?」。首を傾げていると子どもたちが教えてくれた。「うちの小学校の羊やねん!」
給食の後、「いいものを見せてあげる」と案内してくれた。ダンボール箱から取り出したのは、鮮やかなピンク色に染まった羊毛。同小では、毎年5月にメリーとハリーの羊毛刈りをし、染色をして、図工の材料などに使うという。「すごいね。初めて見たわ」と言うと、ふわふわの羊毛をひと握りちぎってくれた。「はい、プレゼント」。「めぇぇ、めぇぇ」。そうか、牛だと思っていた鳴き声は羊だったのか。真っ白な毛皮に黒い顔をしたメリーとハリー。カメラを向けると逃げてしまった。
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