青磁鉄斑文羊(せいじてっぱんもんひつじ)

「青磁鉄斑文羊」(せいじてっぱんもんひつじ、越州窯、東晋)
 後漢(25?220)から魏晋南北朝(220?589)を通じて青磁の生産は江西省中部や湖南省北部などの華南内陸部にも広がり、従来からの産地である江南も含めた地域で、蛙形盂(西晋?東晋、長さ約9.5cm)や鉄斑文羊(東晋、長さ約14cm)をはじめ虎、犬や豚、鶏の頭などをかたどった容器、建物を模した鶏舎、豚舎などの墓に納める様々な明器が作られたようです。黄味を帯びた緑色のこれらの品々は日本では古越磁と呼ばれ、多くの陶磁器ファンに愛されてきました。黄河流域の華北でも5世紀末から6世紀初頭の北魏時代ごろから、青磁の生産が始まったようですが、窯址は未発見。6世紀以降には河北・河南・山東・安徽の各省へと生産地が拡大したようで、古越磁に比べて色調が淡く、蓮弁を貼り付け文様で表した各種の壺などが、北魏から北斉にかけての華北一帯の墓から出土しています。

ひつじ話

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