「セルボーンの博物誌」
グレイタム教区の荘園は、「羊を除いては」どの家畜も、適当な季節に、森に追い入れる権利を認められていることを、ロンドン塔からの古い記録によって、私は承知しております。
羊だけが除外されているのは、羊は草をたいへんよくたべる動物ですから、好い牧草をすっかりたべつくして、鹿の蕃殖の妨げになるからだと思われます。
18世紀の中頃、英国ハンプシャー州はセルボーン村の副牧師であったギルバート・ホワイトによる、故郷への愛にあふれた博物学の書です。博物学者トマス・ペナントへの書信を集めた第一部と、同じく博物学者デインズ・バリントンへの第二部にわかれますが、この羊についての一文は、第一部第七信、「密猟と野火」に記されたものです。
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