ラ・トゥール「砂漠の洗礼者聖ヨハネ」

「砂漠の洗礼者聖ヨハネ」
その横長の形状と、同じように前にかがんだ姿勢、膝の下で切れた両脚によって、カラヴァッジオの『洗礼者聖ヨハネ』(ローマ、国立古代美術館)を思い出させる。しかし、ラ・トゥールの絵画ははるかに簡潔であり、光源もなく一筋の赤色も効果を高めることのない渋い色彩で描かれたものとしては、彼自筆の初めての夜の情景である。
このまったく新鮮な絵画のなかで、唯一それまでの作品を想起される要素は、羊の頭である。これはルーヴル美術館の『羊飼いの礼拝』の羊を左右反転させたもので、「神の子羊」のイメージであり予表でもある(『ヨハネによる福音書』一章36)。

「羊飼いの礼拝」に続いて、ラ・トゥールの「砂漠の洗礼者聖ヨハネ」です。
比較されているカラヴァッジオの「洗礼者聖ヨハネ」というのは、たぶんこれのことじゃないかと。

カラヴァッジオ「洗礼者聖ヨハネ」

あと、「ヨハネによる福音書」1?36前後を下に。

その翌日、ヨハネはまたふたりの弟子たちと一緒に立っていたが、イエスが歩いておられるのに目をとめて言った、「見よ、神の子羊」。そのふたりの弟子は、ヨハネがそう言うのを聞いて、イエスについて行った。

ひつじ話

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