E.S.ガードナー 「屠所の羊」
ブロンドがぼくに言った、「お名前は?」
「ドナルド・ラムです」
「L・a・m・b?」
「いや、L・a・m」とぼくは言った。
彼女は名前を書きとめると、こんどはぼくの観察にとりかかった。
(略)
「法の盲点をつくトリックを、あんたはまだほかに知っているのかい?」と夫人はたずねた。
「いくらでもありますよ」
「ドナルド、おねがいだから、タバコに火をつけて、わたしの口にくわえさせておくれ」
法廷ミステリの王者E.S.ガードナーの、私立探偵クール女史と助手のラム君シリーズの第一作です。名前も外見もカワイイけれど性格と持ってる能力がまったくかわいくないラム君が、外見も性格もかわいくないクール夫人とコンビを組むまでの一部始終。
最近のコメント