リトルワールド モンゴル遊牧民の世界展。

ひつじ話

愛知県犬山市の、「野外民族博物館リトルワールド」に行ってきました。

広大な敷地に建ち並ぶ多様な文化圏の家々を見学できるのが特色の博物館ですが、この度の主目的は、こちら。本館で開催中の特別展「モンゴル遊牧民の世界」です。

期間 2018年7月1日(日)まで

時間 9:30 ─ 17:00

野外民族博物館リトルワールド公式HP 内 モンゴル遊牧民の世界

中に入れるゲルが建てられ、自由に遊べるシャガイが置かれ、美しい衣装や道具類が並べられ、ホーミーや馬頭琴の試聴もできて、モンゴル三昧。今週で終わってしまうのですが、最後の土日には、モンゴル相撲や馬頭琴演奏を見て、羊肉揚げ餃子ホーショルを食べられるイベントが行われる模様。もう一回行こう……かな……。

おまけ。

園内、ドイツ・バイエルン州エリアに建てられているマリア様の祠にいたヒツジと、

ミュージアムショップに並んでいたレトルト食品。

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愛知県江南市、布袋駅前の布袋像。

ひつじ話

先日の愛知県江南市、音楽寺のあじさい祭りの日、じつはもうひとつ、ヒツジ絡みの寄り道を致しました。名鉄犬山線布袋駅前のプラタナス通りです。

このように、地名にちなんで布袋像が立てられているのですが、その数が多い。十二支の動物が添えられたシリーズまであるというではないですか。それは見ておかねば。

駅から5分ばかり歩いたところで、ヒツジ布袋様発見。

足元アップ。良い風情です。せっかくなので、他の動物も。

歩くほどに福々しい気持ちになれる良い通りです。お近くならば、ぜひ。

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愛知県江南市、音楽寺の円空仏。

ひつじ話

愛知県江南市にある古刹、音楽寺の「あじさい祭り」を見物してまいりました。

花咲き乱れる境内もすばらしいのですが、じつはもうひとつ、このような目的が。

十二神将は、薬師教を信奉する者を守る十二の夜叉神で、薬師如来の眷族であるとされ、また、その化身であるという。十二神将に十二支を配することが行われ、十二神将の頭上に十二支獣をいただいた形式のものもあり、また各々が十二支獣に乗った形式のものもあります。(略)
音楽寺境内にある「村国の郷歴史資料館」にて拝観が可能。(拝観料300円)

あじさい祭り期間中(毎年6月上旬から下旬)に開館しています。

江南市観光協会公式HP 内 音楽寺

十二支の動物を頭にのせた円空の十二神将が、この時期一般公開されるのです。

資料館内は明るく、ガラス越しながら仔細に拝見することが可能。どの像も円空らしい、丸い優しいお顔です。撮影は不可なのですが、代わりにきれいな絵はがきを買ってまいりました。

あじさい祭りは、今年は6月24日(日)までです。ご縁があれば、ぜひ。

なお、円空仏は、これまでに、名古屋市の鉈薬師と、同じく名古屋市の荒子観音を、

また、十二神将像は、岐阜県可児市の願興寺などをご紹介しています。

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名古屋ボストン美術館 ボストン美術館の至宝展

ひつじ話

以前ご紹介した、ボストン美術館所蔵、英一蝶の大涅槃図が、現在日本に来ています。

会期  2018年7月1日(日)まで (月曜日休館)

開館時間   平日午前10時─午後7時  土・日・祝・休日午前10時─午後5時 (入館は閉館時間の30分前まで)

名古屋ボストン美術館公式HP 内 ボストン美術館の至宝展

明治にフェノロサの購入によってボストンに渡って以来、はじめての里帰りとのこと。お近くならば、きっとぜひ。

涅槃図は、こちらの他に、長谷川等伯森徹山のものをご紹介しています。どちらにも、下方にヒツジらしき動物が。

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愛知県豊川市、豊川稲荷の彫刻。

ひつじ話

愛知県豊川市の豊川閣妙厳寺、通称豊川稲荷に行ってまいりました。

豊川稲荷公式HP

こちらでは、広い境内に点在するみごとな装飾彫刻群を拝見できるのが魅力なのですが、今回は本殿内部が目的です。

中に入って左手上部に遠く見えるこの彫刻が、どうもヒツジっぽいような気がしていて、確認しにきたのですよ。というわけで、アップ。

あ。ほんとにヒツジだ。丸みを帯びたかわいらしいヒツジが複数。ということは、人物は、黄初平仙人でしょうか。

黄初平の彫刻は、先月、愛知県半田市は成石神社祭礼愛知県常滑市の大谷八幡祭をご紹介しています。ご参考にぜひ。

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愛知県半田市、成石神社祭礼。

ひつじ話

先日の常滑市大谷八幡祭に続いて、またしても知多半島まで山車彫刻を見に行ってまいりました。

ところは半田市の成石神社。開催日は、本年は4月14、15日の土日。曳かれる山車は二台。

そのうちの一台、彦洲組日之出車に黄初平が彫られているのです。

ということで、成石神社です。最寄りの名鉄成岩駅から、徒歩15分ほどでしょうか。

荒天近しとの天気予報におびえつつ、どうにか巡行中の日之出車を発見。良かった、中止してなかった。

脇障子と呼ばれる縦長の部分に、黄初平がたたずんでいます。足もとにヒツジ。

こちらの日之出車は、毎年この時期の祭礼でも見られますが、その他に、この夏秋は半田市立博物館で展示される模様です。

博物館では、常設展示室2に半田市内31輌の山車を1輌ずつ、1年を通じて3輌展示します。

山車の展示予定  西成岩彦洲組日之出車  平成30年7月1日─10月27日

半田市公式HP 内 半田市立博物館 半田の山車展示

ご縁があれば、ぜひ。

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愛知県常滑市、大谷八幡祭。

ひつじ話

去年の秋、愛知県半田市の山車まつりを見に行って以来、ヒツジが彫刻された山車がないかと気にしていたのですが、このたび見ることがかないました。

半田市の西隣、常滑市大谷地区の祭礼で曳き出される「蓬莱車」に、ヒツジをともなった黄初平がいるらしいのです。大谷は、名鉄常滑駅前からバスに乗ってすぐ。お祭りは3月31日と4月1日の土日。よし、行こう。

というわけで、大谷八幡社に到着。山車は二台で、お昼の間は境内に並んでいるようです。

おお、かっこいい力神。

愛らしい唐子……は良いんだけど、黄初平が見あたらない、と思っているうちに町への曳き廻しが始まってしまいました。ああっ、待って待って。って、あ。あれは。

二台が並んでて、死角に入っていた場所にいましたよ! ありがたし。

大谷八幡祭は、毎年春、3月30日に近い土日に行われるお祭りです。

なお、はんだ山車まつりで見た半田市岩滑地区、岩滑八幡社の祭礼は、再来週の4月14日、15日の土日とのこと。こちらは名鉄半田口駅から徒歩圏内です。

ご縁があれば、ぜひ。

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ヴェルレーヌ「譬喩」より。

ひつじ話

生贄の羊、その母のあと、從ひつつ、

何の苦もなくて、牧草を食み、身に生ひたる

羊毛のほかに、その刻來ぬれば、命をだに

惜まずして、主に奉る如くわれもなさむ。

「上田敏全訳詩集」

上田敏の訳による、ポール・ヴェルレーヌの「譬喩」の一部を。

ヴェルレーヌは、堀口大學による「知恵」をご紹介したことがあります。

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「プリニウスの博物誌」より。

ひつじ話

あけましておめでとうございます。今年もひつじnewsをよろしくお願い申し上げます。

昔のローマ人たちは、羊毛には超自然の力すらあるものと考えた。というのは、彼らは花嫁に羊毛で彼らの新家庭の入口の柱に触らせたからだ。

そして着物として、そして防寒用としてのほかに、洗わない羊毛は、それを油とブドウ酒、あるいは酢につけるとひじょうに多くの薬になる。特別の必要に応じて軟化剤あるいは刺激剤の代用となり、収斂剤または緩下剤の代用となり、また脱臼や筋肉の痛みに貼ってしばしば湿らせる。

 「プリニウスの博物誌 5 (第26巻─第33巻)」

さて、久しぶりにプリニウスの博物誌です。第29巻の、羊毛由来の薬剤について述べられる一章から。

プリニウスの博物誌は、これまでに、第19巻の羊毛を生む植物について、第8巻の羊の性質と出産ゾウやミツバチとの関係など言葉の由来について語った部分をご紹介しています。

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「写本の文化誌」より、羊皮紙について。

ひつじ話

それは原皮を数日間強い石灰水に浸すという科学的プロセスと、三日月型の削り刀で張り伸ばされた皮から肉の残りをそぎ落として、できる限り薄くする、インクや絵具がよく定着するように軽石でこするなど、何段階かの手作業からなる。最後の仕上げにはさまざまな混ぜ物─灰、石灰、石膏、白墨、生石灰、亜麻脂、卵白など─も使われる。

(略)

動物の仔の傷のない皮からは、しなやかで最高品質の羊皮紙が作られる。中世後期には羊の胎児から作られた羊皮紙が「処女羊皮紙」と呼ばれ、他に及ぶものなしと絶賛された。また羊皮紙を紫色に染め、金銀のインクで文字を書き入れるといった技法により、羊皮紙の価値は高められた。

「写本の文化誌─ヨーロッパ中世の文学とメディア」

中世ヨーロッパの写本について語る「写本の文化誌」から、重要な材料のひとつである羊皮紙に関するあれこれを。

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「天台宗大寺山願興寺所蔵 重要文化財十二神将展」。

ひつじ話

さて、先日の犬山市から、さらに名古屋鉄道広見線に乗って東へ向かいます。

目的地は、岐阜県可児郡御嵩町。終点の御嵩駅を降りてすぐのところにある、願興寺の十二神将像が、現在、やはりすぐそばの「中山道みたけ館」で無料公開中なのです。

「天台宗大寺山願興寺所蔵 重要文化財十二神将展 本尊薬師如来の眷属」

期間 10月28日(土)─12月17日(日)

休館日 毎週月曜日

場所 中山道みたけ館 2階特別展示室

御嵩町にある古刹願興寺は蟹薬師とも呼ばれ、1200年ほど前に天台宗の開祖最澄が開いたとされ、本堂のほかに本尊の薬師如来坐像をはじめ24体の仏像が国の重要文化財に指定されています。

中山道みたけ館・ミュージアム 内 お知らせ

こちらが願興寺の本堂。

大寺山願興寺公式HP

そしてこちらがみたけ館入り口です。

頭上に干支の動物をのせた平安後期の木像が、十二体すべてそろっています。これを明るい展示室で、かつ至近で拝観できるという貴重な機会。あと10日しかありませんが、ぜひぜひ。

十二神将像は、これまでに、

奈良市の興福寺、同じく奈良の東大寺、横須賀市の曹源寺

などのものをご紹介しています。

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「毛の人類史」より。

ひつじ話

歴史を通して、イギリスの名だたる政治家が王国の栄光に対する羊毛の貢献を称えている。1297年、議員である貴族たちは「王国の宝」と判じ、哲学者で議員でもあったフランシス・ベーコンは王国の「大車輪」と呼び、国王ジェームズ二世は「この王国の最も偉大かつ最も収益性の高い商品」と宣言した。

(略)

洗浄後の羊毛はまず、規則正しく並んだ硬い針で覆われている板に置かれる。この板は「カード card」と呼ばれるが、この名前は古代ローマ人が羊毛を梳かし、もつれをほぐすのに利用したラシャカキグサの乾燥させた棘だらけの頭状花に由来する。古代ローマ人がこの植物を「カーデュウス carduus」と呼んでいたからである。

(略)

1480年にフランス王ルイ11世によって規格が統一された最初のテニスボールは、皮革のカバーのなかに毛や羊毛がぎっしりと詰め込まれたものだった。18世紀になる頃には、皮革のカバーは細長い羊毛フェルトをつなぎ合わせたものになったが、なかにはあいかわらず毛や羊毛がぎっしりと詰められていた。

「毛の人類史」

「毛」にまつわる興味深いエピソードが満載の「毛の人類史」から、羊毛関連の話題をいくつか。

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「ウェールズ国立美術館所蔵 ターナーからモネへ」展。

ひつじ話

愛知県岡崎市、岡崎市美術博物館にて開催中の、「ターナーからモネへ」展に行ってきました。

会期 平成29年9月23日(土・祝)─平成29年11月12日(日)

開館時間 午前10時─午後5時(入場は午後4時30分まで)

休館日 毎週月曜日

岡崎市美術博物館公式HP 内 「ターナーからモネへ」展

ジャン=フランソワ・ミレーの「座る羊飼い」、ギュスターヴ・クールベの「ベアトリス・ブーヴェ」他、数頭のヒツジが見られます。

こちらの展覧会は、この後、

静岡市美術館 2017年11月23日(木・祝)─2018年1月28日(日)

福井県立美術館 2018年4月7日(土)─5月27日(日)

に、巡回予定の模様。ぜひ。

おまけ。岡崎市美術博物館は高台にあって、岡崎の街並みが見下ろせます。夕暮れ時は、今しがた観たモネの絵のごとき色合いに。

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愛知県半田市の山車まつりを見てきました。

ひつじ話

祭礼などで町を練り歩く山車。この山車に施された彫刻に、時々ヒツジがひそんでいます。

これまでに、高山祭の豊明台大垣まつりの相生やまと榊やまをご紹介したことがあるのですが、このたびは、愛知県半田市の「はんだ山車まつり」を見物してまいりました。

はんだ山車まつり公式HP

目当ては、岩滑地区の「義烈組八幡車」を飾る十二支です。

さて。……どこなんだ、義烈組。

半田市内にある31輛の山車が揃い踏みするという、とんでもなく大掛かりなお祭りです。オロオロと歩きまわった末に、……あ、なんかそれっぽいものが!

さらにアップ。

ヒツジです。明治初期の作らしく、ほぼ山羊に見えますが、十二支のなかに混じってるのでヒツジです。

岩滑地区の本来の祭礼は毎年4月に行われているとのことなので、来年、ゆっくり見に行くのも良いかもしれません。

なお、今回は時間切れで確認をあきらめたのですが、半田の山車には、こちらの義烈組八幡車のほかにも、黄初平をあしらったものが存在しているはずなのです。いずれご報告できると良いのですが。

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ツュンベリー 「江戸参府随行記」

ひつじ話

バタビアから毎年当地に運ばれてくる子牛、雄牛、豚、山羊、羊、雄鹿などの家畜が、まず船からおろされた。日本ではこのような家畜を手に入れ屠殺することはできないので、ヨーロッパ人は、相当数を船で運んで来ざるを得ない。一部は商館の新鮮な食料用であり、一部は帰帆での食料用である。

家畜は出島の家畜小屋にずっと繋がれている。小屋は、夏は開放され、冬は閉じられている。家畜には草や葉を与える。その草葉は日本人の作男が日に三度、長崎の町周辺から集めて持ってくる。冬期の主な家畜飼料は穀類、樹の小枝そして古い藁である。

(略)

羊や山羊はいない。山羊は耕作地を滅茶苦茶にしてしまうし、当地では木綿や絹が羊毛の代用をはたしている。私のオランダ商館滞在中に、数人の日本人が何頭かの羊を連れて出島にやってきたことがある。何年間も預かっている羊であるという。預けたのはバタビアへの旅に出たあるオランダ商館長であるが、とうとう商館長は戻ってこなかったのである。

「江戸参府随行記」

18世紀スウェーデンの博物学者カール・ツンベルク(ツュンベリー)による、江戸期の日本滞在記から。出島で飼ってるんですね、ヒツジ。

なお、ツュンベリーと交流のあった桂川甫周、出島の三学者の先達であるケンペルをご紹介したことがありますので、ご参考にぜひ。

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