ひつじとヤギの合成獣、ギープ(geep)

ひつじ話

ギープ(geep)

下に示された空想的な動物はヤギと羊の胎児を組み合わせることにより(誤訳:受精卵同士を融合させて)作られた、赤ん坊「ギープ(geep)」です。皮膚に明らかなchimerism(キメラ現象)に注目してください。正面と後部の脚の皮膚の大きな継ぎは、ヤギ・セルに由来して、身体の残りの大多数が髪の毛で覆われている一方、動物の羊貢献を表わして、羊毛で覆われています。
空想的なハツカネズミおよび羊ヤギ妄想(誤訳:羊とヤギのキメラ)は、発生生物学と病理学についての基本の疑問に答えることの中でとても有用でした。さらにこの技術に適用することができるある可能性があります、絶滅危惧種の救助のような問題。 それは例えば、ヤギ羊妄想を構築するために可能です

chimera(キメラ) という単語には“妄想”の意味があります。
言われてみれば、むき出しになった脚がセクシーかも。
たれ耳ですし。
※カーター卿さん、誤訳のご指摘ありがとうございました

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「シロヤシオ」の白い花見ごろ

ひつじ話

 滋賀、三重県境の鈴鹿山系にある竜ケ岳(一、〇九九メートル)で、県山岳連盟所属できぬがさ山の会の会員左近健一朗さん(61)が、白い花を咲かせるシロヤシオを写真に収めた。左近さんによると、シロヤシオは標高八三〇メートルの「重ね岩」付近で見られた。五つのだ円形の葉が枝先に輪生し、別名ゴヨウツツジと呼ばれる。色鮮やかな白い花に心を癒やされるハイカーも多いという。
 左近さんは「シロヤシオは二?三年に一度しか花が咲きそろわない。今年は特にきれいで、まるで牧場にたくさんの羊を放牧したような感じ」と話していた。

シロヤシオ(ゴヨウツツジ)を羊に見立てているあたり、ひつじ好きの匂いがします。
ツツジのなかには(残念ながら花が白ではなく薄紅色ですが)、レンゲツツジという種類があります。

 中国で毒性のあるツツジを羊が誤って食べたところ、足ぶみしてもがき、うずくまってしまったと伝えられています。
このようになることを躑躅(てきちょく)と言う漢字で表しています。従って、中国ではツツジの名に躑躅を当て、日本へもその中国で使われていた名称躑躅が入って、つつじと読むようになったと考えられています。

また、そのものずばり羊躑躅とも書きます。
(手元の“ひつじ―羊の民俗・文化・歴史”ではモチツツジにこの漢字を当ててますが、どうやらシナレンゲツツジのことを指すようです)
参考サイト: 無精庵徒然草:躑躅(つつじ)と髑髏と

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白い羊と黒い羊

ひつじ話

この島は銅でできた柵で真ん中から二つに仕切られていた。島には無数の羊が群れをなしていたが、柵の一方の側の羊は白く、もう一方の側の羊は黒かった。
彼らはまた、一人の大男が羊を分けているのを見た。彼が一頭の白い羊をつかまえて柵越しに黒い羊の群れの方に投げると、この羊はたちまちにして黒い羊になった。反対に、彼が黒い羊を白い羊の群れの方に投げると、この羊は一瞬にして白い羊に変わるのである。この不思議な状景を見たメルドゥーンとその一行は恐怖にとらわれた。
メルドゥーンは言った。『この島に二本の棒を投げてみよう。もし棒の色が変わってしまったら、われわれがこの島に上陸した時、われわれの色も変わってしまうだろう。』彼らはそこで樹皮の黒い棒を白い羊の側に投げた。すると棒はたちまち白くなってしまった。つづいて今度は樹皮の白い棒を黒い羊の側に投げてみた。すると今度もまた棒はたちまち黒くなってしまったのである。
(略)
 おそらく、この島こそは生者の世界と死者の世界の境界なのであろう。そして、羊を分けている大男は生死を司る神、アイルランドの「すべての人の父」ダグザであり、ガリアの父なる神(ディス・パーテル)「槌を持つ神」であるに違いない。ダグザの持つ棍棒は一方の端で打てば死に、もう一方の端で打ては生き返るのだからである。ガリアの「槌を持つ神」の槌もおそらくは同様であろう。
これと同じ話はウェールズの古伝承『マビノギオン』の中の『エヴラックの息子ペレディール』にも見られ、生と死の境界についてのこうしたイメージがアイルランドにかぎらずケルト人たちにとって共通のものであったことをうかがわせるが、この話では柵の代りに川が境界となっていて、一方の岸に白い羊、もう一方の岸に黒い羊がおり、一頭の黒い羊がメエーと鳴くと、一頭の白い羊が川を渡っていって黒い羊となり、また逆に白い羊がメエーと鳴くと黒い羊が川を渡って白い羊となるのである。

「ケルト神話と中世騎士物語」 (田中 仁彦/中公新書)

白いヒツジと黒いヒツジがいったりきたり。
等価交換の原則です。
見てみたい……。

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日本美術のヒツジはミニヒツジ

ひつじ話

ヒツジが小さい話の続きです。
手元の資料に小さなヒツジが眠っていました。
円山応挙 「黄初平図」円山応挙 「黄初平図」  遠山記念館所蔵

 黄初平とは、晋の葛洪撰『神仙伝』中に記される仙人の一人。十五歳の折に羊を放牧しているところで一道士に遇い、金華山の石室中に誘われて四十余年家に帰らなかった。兄の初起が所在を尋ね当て、山中で再会したときはすでに仙道を体得していた。兄の目には白い石としか映らなかったものに初平が「羊よ立て」と命じると、石は変じて数万頭の羊になったという。

羊部分の拡大です。
「黄初平図」(部分)応挙 「黄初平図」(部分)
数万頭の小さな羊たち。
ちまちまわらわら。
雪舟 「倣梁楷黄初平図」雪舟 「倣梁楷黄初平図」(部分)
こちらは雪舟の画(南宋時代の画家、梁楷の原作を模写したもの)。
左下のが羊(らしい)です。
どう見ても兎サイズにしか……。
こちらは、京都国立博物館所蔵です。
「趣味の水墨画 九〇年十二月特大号」より (日本美術教育センター刊)
※余談ですが円山応挙の“虎”はネコと毛皮?を見て描いたらしく、微妙にネコっぽい姿が可愛らしいのです。興味がありましたらこちらなどをどうぞ。  (江戸が知りたい。東京ってなんだ?!)

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愛・地球博 グルジアブース 本場のワイン ぜひ楽しんで

ひつじ話

ヒツジの角の器
 「日本は自然や気候が似ていて生活しやすい」という。「もともと農業国で、食べものも素朴なものが多い」といい、ブースには、ブドウジュースとクルミで作った携行食「チュルチュヘーラ」や、乾燥イチジクが並べてある。
 「それにやっぱり食卓にはワインが欠かせません」。ブースには羊の角で作ったワイン飲みの器「カンツィ」が飾られて目を引く。
 「紛争が続くロシアのチェチェン共和国と境を接するので、物騒だと思われるでしょうが、安全で楽しい国です。ぜひ本場でワインやグルジア料理を楽しんでください」

ヒツジの角ワイン呑み?の件ですが、愛・地球博(愛知万博)のグルジアブースにあるということのようです。
少し格式張ったもの、というか高級品なんでしょうか?
それにしてもすごい大きいように見えます。乾杯なんかしたら倒れそうです。

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ネパールの教科書から「ヒツジとヤギ」

ひつじ話

ヒツジの角突き
小学校3年 旧課程「マヘンドラ・マーラー」(社会)
 ある日のこと、二匹のヒツジが両側の丘の上の村から、その川の左右の岸にやってきました。両方ともせかせかと橋を渡り始めました。
橋の真ん中で、その二匹のヒツジは、ばったり出会いました。橋は狭かったので、その二匹は、すり抜ける余地はありませんでした。その二匹は、しばらく立ち止まりました。
相手のヒツジをみて、一方はかんしゃくを起こしました。お互いによく見ないうちに、その二匹は角を突き合い始めました。
ぶつかり合っているうちに、その二匹は橋から落ちてしまいました。突いた勢いで一匹のヒツジは、川の崖の端に勢いよく落下しました。もう一匹のヒツジは川の中に沈みました。

かんしゃく……。
正面からヒツジが激突(?)するのは見た記憶がありませんが、
こんな風になるんでしょうか?

[教師への助言] (社会)
(ア)  教師は生徒に、ヒツジとヤギの性癖について説明し、性癖による結果について知識を与える。

なるみたいです。
なぜかヤギびいきなネパールの学校。

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昔のヒツジは小さかった?

ひつじ話

遠近法の間違ったヒツジ
(『だまし絵』種村季弘・高柳 篤著/河出文庫)

 これは、モルモットやハムスターでなく、専門の画家が羊を描いたものなのです。
 なぜ、こんなに小さくなってしまったかというと、画家が実際の羊の大きさを知らなかったからです。この絵は、実際の風景を見て写生をしたものではなく、絵を見て描いたものなのです。安土桃山時代の南蛮画を見本にして、日本人の画家が描いたのです。さすが、専門家ですからタッチはいいのですが、残念ながら元の絵に小さく描かれていた羊が、遠いから小さいのか実際に小さいものなのかが、区別できなかったのです。

ヒツジ小さっ。
いや、実は人が大きいっていうのはどうでしょう。
巨人の世界とか。ダメ?
※ 2006年9月21日追記。 カラー図版を追加します。

西洋風俗図屏風

 西洋風俗図屏風 桃山時代 神戸市立博物館所蔵 
 大阪市立美術館「十二支の動物たち」展カタログより 

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典型的なヒツジ顔って?

ひつじ話

ポンポニウス・ガウリクスの『彫刻論』の抜萃ですでに見た通り、中世末、ルネッサンス期の人相学は、人間の体や相貌によってその性格を判断することを徹底的に追求したが、その際、最もよく用いられたのが、いわゆるアナロジー・アニマル(動物類推)の方法であった。
動物類推というのは、簡単に言って、ある人がある動物に似ているなら、その人はその動物と同じ性格を持っているに違いないと推論する方法である。
この方法を最初に体系的に整理し、多くの挿絵をつけて芸術における応用の可能性を示したのは、ナポリの彫刻家、ジャン・パティスタ・デラ・ポルダの『人間相貌学』(一五八六年)であった。
デラ・ポルダはその中で、典型的な羊顔の人間、牡牛顔の人間、犬顔の人間等の実例を示し、またその応用例として、たとえばプラトンは犬に似ていて良識が豊かだとか、ソクラテスは鹿顔で、セルギウス・ガルバは鷹顔だとか、ひとつひとつ挿図入りで説明している。

犬とプラトン
犬とプラトンの類似
羊と羊顔
羊と羊顔の人 (あ、逆か)

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羊飼いのゴルフ

ひつじ話

カワヨグリーン牧場 (青森県)
小岩井農場 (岩手県)
「J」字型に曲がった杖を使って球を打つ、ゴルフの原型といわれる『羊飼いのゴルフ』。
上記2牧場で体験することができます。

 イギリスでは、めん羊を放牧する場合、羊飼いは杖を持ち、牧羊犬をお供に羊を追っていました。杖は先が傘の柄のようにカギ状になっていて、羊のうしろ足にひっかけてつかまえる道具だったのです。
  この羊飼いの話は物語としてはなかなか面白いのですが、羊飼いにそんな余裕があったかどうかは疑問です。

小岩井農場に立っている(らしい)立て札。
杖で捕まえる箇所は首だという話もあるようですがどうなんでしょう。
首に杖の曲がったところが回り込むかどうかはなはだ疑問ではあります。
やっぱり足か。足なのか。

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シャガイの遊び方

ひつじ話

シャガイの遊び方シャガイの遊び方

1998年7月から11月半ばまで、大阪の万博記念公園内にある国立民族学博物館にてモンゴル展が開催されました。そのとき、しゃがぁ編集室は企画として「シャガイの遊び方」のリーフレットを作ることになりました。展覧会後、増刷したモノです。しゃがぁ編集室でしか取り扱っておりません。
モンゴルのオモチャの王様「シャガイ」の遊び方を図解して、わかりやすく解説している唯一の小冊子です。これさえあれば、モンゴルの子供の相手は完璧に出来るでしょう。
一部 500円(送料別)

羊のくるぶしの骨(なんとも言えない質感です)、シャガイ(またはシャガー)の遊び方を解説した一冊。
20p+表紙で500円は少し高いかな?とも思いますが、内容のレア度で相殺といった感じでしょうか。おはじき、数当て、おてだま、占い……などなど。
残念ながらうちには4コ(2匹分)しかシャガイがないので、できるものが限られてしまいます。
シャガイはこちら(国立民族学博物館)で購入できます。装飾に凝った袋がいいならこちら(タカヨシ)などはどうでしょう。


追記(2009/12/17):モンゴル情報局しゃがぁ様のリンク先を修正しました。遊び方については、web上で解説しているサイトも出てきているようです。モンゴルの遊び【シャガイとは?】
国立民族学博物館は、サイト上では販売がなくなっているようでしたが、実ショップの方ではどうなんでしょうか?

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カラヴァッジオの「イサクの犠牲」

ひつじ話

これらの事の後、神はアブラハムを試みて彼に言われた、「アブラハムよ」。彼は言った、「ここにおります」。
神は言われた、「あなたの子、あなたの愛するひとり子イサクを連れてモリヤの地に行き、わたしが示す山で彼を燔祭(はんさい)としてささげなさい」。
(略)
イサクは言った、「木とたきぎとはありますが、燔祭の小羊はどこにありますか」。アブラハムは言った、「子よ。神みずから燔祭の小羊を備えてくださるであろう」。こうして二人は一緒に行った。
彼らが神の示された場所にきた時、アブラハムはそこに祭壇を築き、たきぎを並べ、その子イサクを縛って祭壇のたきぎの上に載せた。
そしてアブラハムが手を差し伸べ、刃物を執ってその子を殺そうとした時、主の使いが天から彼を呼んで言った、「アブラハムよ、アブラハムよ」。彼は答えた、「はい、ここにおります」。
み使いが言った、「わらべを手にかけてはならない。また何も彼にしてはならない。あなたの子、あなたのひとり子をさえ、わたしのために惜しまないので、あなたが神を恐れる者であることをわたしは今知った」。
この時アブラハムが目をあげて見ると、うしろに、角をやぶに掛けている一頭の雄羊がいた。アブラハムは行ってその雄羊を捕え、それをその子のかわりに燔祭としてささげた。

旧約聖書 創世記 第二十二章

「イサクの犠牲」 カラヴァッジオ
「イサクの犠牲」 カラヴァッジオ 1605
「イサクの犠牲」 雄羊部分拡大
雄羊の拡大(部分)

※【燔祭】 はんさい
  古代ユダヤ教で、犠牲の動物を祭壇で焼き、神に捧げた儀式。
  三省堂提供「大辞林 第二版」より

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巨大バットのような尾を持つひつじ

ひつじ話

紀元前四五〇年頃のヘロドトスの記述におもしろいものがあります。
 かつて尾骨の両側に脂肪が蓄積する、荒い毛の脂肪羊が発達していたというものです。さらに彼自身の手による挿し絵を見ると、実に体躯に匹敵するほどの長さの、先にいくほどボリュームアップした、まるで弾力性のある巨大バットのような尾をしたひつじが、車輪のついた台にそれを乗せて引いているではありませんか。
「アラビアにも賞賛に値するひつじが二種おり、どちらもこの地でしか目にできない種である。そのひとつは尾が長く――少なくとも三キュビット(一キュビット=肘から中指の先までの長さ)には達する――もし地面に垂れ下がったままにしておけば、傷がつき炎症を起こすところである。ところが心配することはない、どの牧者も手飼いのひつじの尾のために工夫をこらし、小さな車の台を作ってやることぐらい百も承知している。尾の下に車を置くと――つまり、ひつじ一頭ごとに専用の車の台が与えられるわけである――それに尾が縛りつけられるのだ。もう一方のひつじは幅広の尾をもっており、その幅たるや直径一キュビットに達することが、間々あるほどである」(『歴史』巻三、一一三)。
 なんともこっけいな話ですが、けっしてつくり話ではありません。
 中国の『本草網目』にも大食国(アラビア)の「大尾羊」として取り上げられ、紹介されています。
 このような、尾に脂肪を貯えるひつじは脂肪尾種と呼ばれ、アジアから北アフリカにかけて分布し、脂肪の貯え方には二種類あるといわれています。ひとつは座布団型で、四角くぶ厚い座布団のような尾をしているということです。そしてもうひとつが巨大バットのような尾をした、棍棒型のひつじです。

ヘロドトスのヒツジ
ヘロドトスによって描かれた尾が長く垂れた羊

 この脂肪尾はひつじたちの非常食貯蔵庫で、コンスタントに食料を得られない地域のひつじにとっては、大切な役割を果たすといわれてきました。つまり脂肪の蓄積は気候や環境への対応だということです。とすれば、貯えた脂肪を消費すると尾は小さくしぼんでしまうはずですが、実際、尾は大きくなったり小さくなったりするそうです。現在、この種のひつじはほとんど寒暑がきびしい中央アジアで飼われています。
 しかし、ヘロドトスが指摘しているように、移動そのものに支障をきたし、交尾のさいにもかなりの困難をともなうということですから、このような形質はおそらく自然にできたものではなく、人間によって選抜されたものに違いないと思います。
 事実、この尾は大変美味で、ほかの肉とは区別して売られるということです。なんでも他の部分の脂肪に比べて不飽和脂肪酸の割合が高いため、質も味もいいのだそうです。
 いずれしても、大きいもので尾の大きさが、屠体の重量の一五?二〇パーセントにも達することがあるといいますから、当のひつじたちにとってはかなり厄介なものなのではないでしょうか。そう思うと、たとえおいしい肉を採るという目的がなくても、尾引き車のひとつや二つつくってあげたくなりますよね。
 尾引き車をガラガラいわせながら牧場を歩きまわっては草を食んでいる脂肪尾羊たちを想像すると、ついつい笑ってしまいます。

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バロメッツ(スキタイの羊)

ひつじ話

ちなみにヘンリー・リーのこの書物は作品社から「スキタイの子羊」というタイトルで日本語訳が出ています。その中には、なんと16世紀頃それを食べた男爵が紹介されています。
「この植物には血もあるが、本当の肉の代わりにカニの肉のような物質を有しており、ひづめも子羊のそれのように尖ってはおらず、味はたいへんに美味だった」とのこと。
なんだか頭の中に羊が繁殖してきませんか?

バロメッツという生物をご存じでしょうか? 大体こんな感じらしいです。(丸山 薫

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ピエ・ド・ムートン(羊の足)

ひつじ話

落ち葉の上に張り付いたような出方をするので、裏側を撮影するのが難しいことが多い。
ヒダの代わりに針が密生し、柄は白色で偏芯性があり傘の中心からずれてつく。脆く壊れやすいが熱を通すとしっかりする旨いキノコで、フランスでは、ピエ・ド・ムートン(羊の足)と呼ばれ、フランス料理の食材に使われ、油を使った料理に合うらしい。

シロカノシタ(白鹿の舌)
裏側を見るとひつじっぽい感じがします。

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シャトー・ムートン・ロートシルト ラベルに込められたロートシルト家の物語

ひつじ話

毎年、著名な芸術家の絵で飾られることで有名な、シャトー・ムートン・ロートシルト。ボルドー1級格付けのワインのラベル画は、ムートンの紋章である羊や、ブドウ、ワインを題材とし、ピカソやシャガールなど個性溢れる巨匠によって描かれてきました。今月は、ムートンの偉大なる造り手、ロートシルト家の軌跡をたどりながら、ラベルに込められたメッセージを紹介してみましょう。
サヴィニャック 羊ラベル
【1999年 レイモン・サヴィニャック】
「牛乳石鹸」のポスターで名声を確立した、フランスを代表するポスター画家サヴィニャックの作品。
偉大なるムートンも現代画家の手にかかるとこのとおり。
思わず笑みがこぼれるデザインと、愛らしい羊の表情が印象的です。

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