グルジア人スタッフの責任者、デビッド・ノザーゼさん(30)によると、東西冷戦下の入手は大変だったらしい。西側のワインの輸入が制限されていた時代とあって、誰もが競うようにグルジア産ワインを買い求め、深刻なワイン不足が起こった。
そこで店頭に現れたのが、グルジア産をかたる正体不明のワイン。「まずくて、店で買ってはいけないと言われていました」とノザーゼさん。グルジア市民は当時、自宅で作ったり、知人に分けてもらったりして、「本物」をひそかに味わっていたという。
ワイン発祥の地を自負するグルジアの人々は、容器にもこだわる。館内には、模様や形に工夫を凝らした陶器のボトルが並ぶ。パプナシビリさんは「尊敬する人が訪れたり、祝い事をしたりする時には、グラスではなくて羊や牛の角でワインを飲むのが私たちのしきたり」と話す。
グルジアで牛の角を使っているレポートはいくつか見つけましたが、残念ながらヒツジの角を使っているものは見つけられませんでした。