エイプリルフール版ひつじ事件。

ひつじ話

6本脚の羊の繁殖を真剣に検討中!? 英の家畜生産組合。
イングランド北西部ののどかな牧場で、先ごろ6本脚のヒツジが誕生した。
牧場主は今、そのヒツジの繁殖を真剣に試みており、世界中の専門家が関心を示しているとのこと。
食用部分が多いとはいえ、その判断は正しいのであろうかと物議を醸している。
(略)
このように、にわかには信じ難いこのニュース。ここで種明かし。
昨日4月1日は世界中のメディアで様々なエイプリルフールのためのびっくりニュースが飛び交ったが、これもその一つ。

ak様から、エイプリルフール仕様のひつじ情報を教えていただきました。ありがとうございます。
話が詳細でリアリティがあって、うっかり信じてしまいそうです。要注意?

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大英帝国の地図

ひつじ話

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「肖像の並んだ絵図」の伝統を意識的に用いた、才能あるヴィクトリア時代の挿絵画家、ウォルター・クレインが帝国的主題の行進を彫刻のレリーフのような様式で描いている。
クレインの美術は日本の版画やアール・ヌーヴォーの影響を受けているが、その2つの要素はここにはっきりと現れている。

19世紀末、イギリスで作られた世界地図(の部分)です。オーストラリアを示すと思われるあたりに、メリノ羊が。

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「道教の神々」より尹喜(いんき)

ひつじ話

報告を受けた尹喜は朝服に改めて出迎え、しばらく逗留するよう願った。
初めは素性をかくしていた老君も承知し、内外の修煉の法を伝授するためにしばらく滞在した。
別れるさいに老君は、かれの求めに応じて五千余言を書き与えるとともに、千日後に蜀の青羊という市で再会しようといい、金光をを身体から発しながら昇天していった。
(略)
老君は、天上から下界に下り、四川の李氏の家に赤ん坊として再生する一方、一匹の青竜を青色の羊にかえて、つねに身辺においていたが、ある日青羊がいなくなった。
李家では心配して小童に探しにやらせた。
たまたま四川にきた尹喜は、小童がひいている青羊をみて、これだと思って小童に帰宅後、赤ん坊に尹喜にあった旨を告げさせた。
小童が告げるや、赤ん坊は身体から白光を発する巨大な神となり、尹喜をよんで修道の完成をほめるとともに、在天の神々や神仙たちを召した。

老子に教えを請うたとされる伝説上の人物、尹喜にヒツジ絡みのエピソードがありましたので、ご紹介を。

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ジョルジュ・サンド 「愛の妖精」

ひつじ話

「じゃあ、そういうことにしとくわ」と、ファデットはいかにも得意そうな、いかにもうれしそうな様子で言った。
「さあ、その足で河岸に引っ返して、羊の啼き声が聞えて来るまで、河岸を下って行くのよ。そうすると、茶色の仔羊がいるから、そうすりゃ、あんたの兄さんもすぐ見つかるわ。もしあたしの言う通りにならなかったら、今の約束はなしにしてあげるわ」
(略)
そこでランドリーは「切れこみ」に跳び込んで、草薮の中へはいって行った。兄の姿はそこには見えなかった。
が、水の流れに沿って、相変わらず仔羊の啼き声を聞きながら、十歩ばかり先へ進むと、向う岸に、自分の兄が、小さな仔羊を上衣の下に抱いてすわっているのが目についたが、見ると、その仔羊は、なるほど、鼻の頭から尻尾の先まで茶色だった。

19世紀フランス、ジョルジュ・サンドの田園小説「愛の妖精」です。引用は、物語冒頭、行方不明の兄を探す主人公ランドリーが、野生児ファデットに助けられる場面。
ジョルジュ・サンドはいくつかご紹介しておりますので、こちらでぜひ。

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フィリップ=ジャック・ド・ルーテルブール 「月光」

ひつじ話

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ルーテルブールは自然のなかにいる動物を好んで描き、17世紀オランダ絵画の伝統を引き継いでいる。
夜の情景はこの時代大変好まれ、とかく凡庸になりがちな情景を感動的なものにしている。

「ストラスブール美術館所蔵 語りかける風景」展カタログ

18世紀フランス及びイギリス、フィリップ=ジャック・ド・ルーテルブールの「月光」です。

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シモン・ペーテルスゾーン・フェレルスト 「羊飼いの服装をする若い婦人」

ひつじ話

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 「バロック・ロココの巨匠 天才たちの競演」展カタログ 

17世紀、オランダ及びイギリス、シモン・ペーテルスゾーン・フェレルストの「羊飼いの服装をする若い婦人」です。

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ジャン=バティスト=マリー・ピエール 「若い羊飼い」

ひつじ話

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《シテール島への船出》によってヴァトーが創始した「雅宴画」というジャンルは、やがてブーシェによってひなびた田舎でのアバンチュールに変容していく。
ピエールのこの作品もまた、ブーシェの「田園詩(パストラール)」風と呼ばれる作品群に連なるものといえる。
しかしブーシェの同主題作品と比較すると、遺跡や泉などの演出的な要素が少なく、また登場する少年少女が年若く純朴そうに描かれているため、官能性は弱められている。

 「バロック・ロココの巨匠 天才たちの競演」展カタログ 

「キリストの降誕」をご紹介したことのある、18世紀フランス、ジャン=バティスト=マリー・ピエールの「若い羊飼い」を。
引用にあるヴァトーについてはこちら、ブーシェについてはこちらを、ご参考にぜひ。

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ジャン=レオン・ジェローム 「羊の角をつけた女性の頭部」

ひつじ話

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 「ナント美術館名品展」カタログ 

19世紀フランス、ジャン=レオン・ジェロームの「羊の角をつけた女性の頭部」です。

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ニコラース・ベルヘム 「牧童と羊の群れのいるイタリア風景」

ひつじ話

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「ケルン市立ヴァルラフ=リヒャルツ美術館所蔵 17世紀オランダ絵画の黄金時代展」カタログ

先日の「牧人のいる風景」に続いて、ニコラース・ベルヘムを。「牧童と羊の群れのいるイタリア風景」です。
17世紀オランダ絵画は、これまでにもいくつかご紹介しています。こちらでぜひ。

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ニコラース・ベルヘム 「牧人のいる風景」

ひつじ話

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「ハンガリー国立ブダペスト美術館所蔵 ヨーロッパ風景画の流れ」展カタログ

17世紀オランダ、ニコラース・ベルヘムの「牧人のいる風景」です。

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宮部みゆき 「ここはボツコニアン」

ひつじ話

ぎりぎりセーフで再移動した先は、今度こそ地面の上であった。
但し、羊の群れのど真ん中だ。
「うわぁ?!」
「いちいちうるさいなあ。うちのヒツジちゃんたちだってば。みんな、ただいま」
白いウールを着込んだ羊たちは、ピピによく懐いているらしく、わさわさと寄ってくる。ピピは両手を広げて羊たちに取り囲まれた。
「羊? ヒツジ? どうして羊?」

宮部みゆきのゲーム&映画趣味がはじけ放題のファンタジー(たぶん)小説、「ここはボツコニアン」です。引用は、物語冒頭、ヒロインのピピの家である羊牧場にて。なぜヒツジなのかについて、ピピが「うちのおじいちゃんはグレン・フォードの大ファンだから」とか言ってるんですけど、すみません、ネタ元がわかりません……。

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大阪天満宮表門の方位盤

ひつじ話

さて、せっかく大阪まで来たことですし、もうひとつヒツジを見てまいりましょう。
というわけで、やってきました、大阪天満宮。
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大阪天満宮公式HP

地下鉄南森町駅かJR東西線大阪天満宮駅で降りて、すぐ南。
こちらの敷地の南にある表門の天井に、十二支をあしらった大きな方位盤が下がっていて、それはみごとなのですよ。
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門の下をくぐりながら見上げれば、
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こんな感じ。ヒツジ部分のアップも下に。
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お近くならば、ぜひ一度。

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アブラハム・ブルーマールト 「羊飼いへの降誕の知らせ」

ひつじ話

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 「華麗なる17世紀ヨーロッパ絵画」展カタログ 

16?17世紀オランダ、アブラハム・ブルーマールトの「羊飼いへの降誕の知らせ」です。
キリスト降誕のお告げを受ける羊飼いたちを描いたものは、ずいぶんご紹介しています。このあたりでぜひ。

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ブルフィンチ『中世騎士物語』より、「キリッチとオルウェン」

ひつじ話

彼らは、旅をつづけて一つの広い原のところまで来た。
そこに、その美しさはまたとなかろうと思われるような大きな城があった。
城の前へ来てみると、たくさんな羊の群がいた。
羊を番している羊飼が丘の上にいた。
毛皮衣を羽織って、そばに九歳駒より大きな尨毛の猛犬がいた。
(略)
「羊飼さん、いかがかね?」
「私同様、あなたがたも御機嫌よろしいように。」
「お前さんが番をしている羊は誰のものかね? そして、むこうに見える城は誰の城だろう?」

以前紹介した『ケルトの神話・伝説』の「キルフフとオルウェンの物語」を、ブルフィンチ著、野上弥生子訳の「中世騎士物語」バージョンであらためて。
ブルフィンチは、「ギリシア神話と英雄伝説」のお話をなんどかしています。

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羊型鼻煙壷

ひつじ話

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ガラス青被せ 羊型鼻煙壷
清時代末・19?20世紀
高さ3.5センチ、幅7.3センチ
鼻煙壷は嗅ぎタバコを入れるための小さな壺です。
アメリカ大陸原産のタバコが、16世紀半ばごろにヨーロッパへ伝えられ、17世紀後半ごろにはヨーロッパから中国に嗅ぎタバコの習慣が伝えられました。
(略)
乾隆帝のころから、宮廷では工芸の技法を駆使して、様々な鼻煙壷が製作されました。
鼻煙壷は単なる実用品としての容器ではなく、細密な細工が施された工芸品であり、また高価な素材を用いたステイタス的な愛玩品でもありました。

 「中国工芸の精華─鼻煙壷 沖正一郎コレクション」 

清代の鼻煙壷です。大阪市立東洋陶磁美術館蔵。

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