フランソワ・ブーシェ 「田園生活の魅力」

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18世紀フランス、フランソワ・ブーシェの「田園生活の魅力」です。ツヴァイクの「マリー・アントワネット」で描かれた、青いリボンをつけた羊のいる小トリアノン宮殿とは、こんな世界だったのでしょうか。
これまでにご紹介しているブーシェは、こちらで。

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セガンティーニ 「羊のいる風景」

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「アルプスの画家 セガンティーニ ─光と山─」展カタログ

19世紀イタリア、ジョヴァンニ・セガンティーニの「羊のいる風景」を。羊の列によって強調される奥行きがみごとです。
これまでにご紹介しているセガンティーニは、こちらで。

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サン・サヴァンの壁画より「ノアの箱舟」

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フランスはサン=サヴァン・シュル・ガルタンプ修道院付属教会内部の壁画群から、ノアの箱舟を描いたものを。三階建の最下層におさまっている動物が、たぶん羊だと思うのですが。
ノア関連の記事については、こちらで。

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小川芋銭 「石羊」

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 「小川芋銭展」カタログ 

「黄初平」をご紹介したことのある、小川芋銭の「石羊」です。こちらもやはり黄初平図ですね。
仙人黄初平のお話は時々しておりますので、こちらでぜひ。

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ベネデット・カスティリオーネ 「アブラハムとメルキゼデクの出会い」

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濃厚な色彩と油彩の特性を生かしたこの作品は、1655年より少し後に描かれ、ジェノヴァで数多く収集されていたフランドルの絵から学んだ動物画家としてのカスティリオーネの才能と、無生物の描写に寄せる彼の関心を余すところなく伝えている。

17世紀イタリア、ジョヴァンニ・ベネデット・カスティリオーネによる「アブラハムとメルキゼデクの出会い」です。創世記からとられたテーマは後景に退いており、手前の動物たちや道具類こそが画家の描きたかったものであるようです。

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サン・ジョヴァンニ洗礼堂のコンクール〈追加)

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カリマーラは当初大商人、ビジネスマンの組合だったが、経済の発展とともに、銀行家、絹織物業者、そして羊毛製造業者は別の組合を作ることになったので、15世紀には主に織物を扱う商人の組合となっていた。(略)
さて長い間の懸案であった、洗礼堂の第二のブロンズ扉の制作を決定したカリマーラ組合は、誰に制作を依頼すればよいか思案することになった。
フィレンツェにはブロンズ鋳造の伝統がなかったからである。
(略)
ギベルティが勝利した理由については、クラウトハイマーという学者の古典的研究がほぼ受け入れられている。
つまり、技術的にギベルティのほうが優れていたというのだ。
ブルネッレスキの浮彫は全体の重さが25.5キログラムだが、基盤の厚さは5ミリメートルしかない。
一方、ギベルティのそれは全体が18.5キログラムで、基盤の厚さは9ミリメートルある。
さらに、ブルネッレスキは四つの部分を合わせて一枚のパネルにしているが、ギベルティは全体を一つに作り、イサクの像だけを後から加える形をとっている。
つまりギベルティの作品は技術的にしっかりできており、全体の費用も40パーセント近く安い。

以前お話した、「古代以来最初の美術コンクール」(上記「フィレンツェの世紀」より)における、ブルネレスキとギベルティの「イサクの犠牲」その審査基準について、詳しい解説書を見かけましたので、あらためて。

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ジャン=フランソワ・ミレー 「帰途につく羊飼い」

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 「ミレー展 人と自然へのあたたかなまなざし」カタログ 

ジャン=フランソワ・ミレーの「帰途につく羊飼い」です。
ミレーは数多くご紹介しておりますが、なかでも、「群れを連れ帰る羊飼い」「家路につく羊飼い」などが近い雰囲気を持っているように思います。

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パウル・ブリル 「洗礼者ヨハネのいる風景」

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パウル・ブリル
1554(アントワープ)─1626(ローマ)
17世紀初頭の風景画の大家。オランダとイタリアとの間の重要な橋渡しをする。
(略)
マニエリストの巧みな資質に恵まれ、アンニーバレ・カラッチのしっかり構成された様式を熟知したことや、とりわけ1610年代にローマで出会ったエルスハイマーのおかげで自然の魅力に開眼したことが、彼を絵画的に心地よく釣り合いのとれた田園風景画の一様式へと導き、それが17世紀に彼に大きな成功をもたらした。
また光の表現における彼の感覚と繊細さはクロード・ロランの傑作に先駆けている。

パウル・ブリルの「洗礼者ヨハネのいる風景」を。
上の引用で影響関係が示唆されているカラッチについては「エジプトへの逃避」を、エルスハイマーは「洗礼者聖ヨハネ」及び「洗礼者ヨハネと天使たちのいる聖家族」をご紹介しています。クロード・ロランについては、まとめてこちらで。
また、洗礼者ヨハネを描いたものを数多くご紹介しておりますので、こちらでぜひ。

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シャルル=エミール・ジャック 「池畔で羊の番をする牧童」

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 「ミレーとバルビゾン派の世界」展カタログ 

シャルル=エミール・ジャックの「池畔で羊の番をする牧童」です。水辺でこっちを見ている子羊がたまりません。
これまでにご紹介したジャックは、こちらで。

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アレクサンドル・アンティーニャ 「羊飼いの女」

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産業革命が拍車をかけた社会の貧困に心を痛めたアンティーニャは、貧しくそして勤勉な大衆の姿を、忠実に断固たる姿勢で描いた。
(略)
1858年、ジョルジュ・サンドが特に好んだ、クルーズ県、ガルジレスに滞在する。
これは、画家が社会問題や田園地方に強い関心を抱いていたことと無関係ではない。

 「ブザンソン美術館展」カタログ 

19世紀フランス、ジャン=ピエール=アレクサンドル・アンティーニャの「羊飼いの女」です。ジョルジュ・サンドの「ジャンヌ」「魔の沼」のヒロインたちは、絵にすればこのような感じなのでしょうか。

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装飾写本の中のフィリップ善良公

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都市の生活
『エノー年代記』より  ロワゼ・リーデット制作
1461年頃 ブラッセル、王立図書館 蔵
ブルゴーニュ侯の宮廷は元来、フランス中部の都市ディジョンに置かれていたのだが、候領の一部であったフランドルの商業経済の発展とともにブリュッセル(現ベルギー)へと移っていく。
全盛期のブルゴーニュ候国は商業立国としての性格を強く持つに至っていたのである。
それ故都市の活況を描写する絵画がフランス本国に先がけて発展した。
これがすなわち、後のフランドル風俗画の源流である。

15世紀フランドルの装飾写本です。中央に金羊毛騎士団勲章をつけたフィリップ善良公が。
善良公は、ロヒール・ファン・デル・ウェイデンの肖像画をご紹介しています。
金羊毛騎士団のお話はずいぶんしておりますので、こちらで。

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「鏡の国のアリス」(続き)

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編み物をする羊
このとき、かたわらでしわがれた笑い声が聞こえたので、白のクイーンがどうかしてしまったのかとふり返って見てみると、白のクイーンではなく、ヒツジ肉がイスにすわっているのでした。
「わたしはここよ!」テーブル用のふた付きのスープ入れからさけび声がして、アリスがふり向くと、白のクイーンの人のよさそうな大きな顔がちょうどそのスープ入れのはしからニヤニヤッと笑うのがちらりと見えて、スーとスープのなかへ消えてしまいました。

先日、長浜のフィギュアミュージアムに展示されているティーカップにつかった「編み物をする羊」をご紹介したのですが、このフィギュアについて、ak様から、上に引用した場面との関連についてご指摘をいただきました。……おお! そういえば、編み物ヒツジは白の女王が変化した姿でした。
なお、フィギュアの元絵であるジョン・テニエルの挿絵をまだご紹介しておりませんでしたので、改めまして、こちらも一緒に。

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「ベリー公のいとも豪華なる時祷書」 3月

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三月、畑の耕作と葡萄の樹の手入れ
『ベリー侯の豪華時祷書』より
ランブール兄弟制作 1411─16年頃
シャンティイ、コンデ美術館 蔵
ベリー侯の豪華時祷書中の三月のカレンダーである。
天球には太陽の馬車が見え、星々のなかには、双魚宮(ピスケス、魚座)と白羊宮(アリエス、雄羊座)のしるしが見える。
(略)
左上の牧草地では二人の羊飼いと牧羊犬とが羊の群にたっぷりと草を食べさせている。

二月七月をご紹介したことのある、ベリー公のいとも豪華なる時祷書の暦から、三月を。
時祷書のお話は時々しておりますので、こちらで。

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グリム『ドイツ伝説集』より「大口マルガレーテ・マウルタッシュ」

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チロル地方やケルンテン地方の人々は、マルガレーテ・マウルタッシュの幽霊の話をよく聞かせてくれる。
マルガレーテは遠い昔この国の領主だった。
たいそう大きな口をしていたので大口(マウルタッシュ)という綽名を頂戴していた。
(略)
オスターヴィッツの城からほど遠からぬところに一つの廃墟がある。
その傍らの草地で羊に草を食べさせていた羊飼で、ぼんやりしていて廃墟に近づいてしまい、鞭の一撃を食らった者は何人もいる。
そのためそこにはそれとわかる目印が立てられており、そこから先へは誰も羊を追って行くことはない。
羊の方も、何も知らない羊飼が目印を無視して追って行っても、そこに生えているよく茂った美味しそうな草を食べようとはしない。

先日の「人狼岩」につづいて、グリムの『ドイツ伝説集』から。14世紀のチロル女伯マルガレーテ・マウルタッシュにかかわる伝説です。

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