この画家の他の多くの風景と共に国王フェリーペ四世のために制作され、新築されたブエン・レティーロ離宮を飾ったものである。
(略)
また画面にはのどかで牧歌的な詩情が流れている。
それは、静穏かつ清澄な地誌的環境の描写を共通の特徴とする17世紀イタリア絵画の精神を何らかの形で継承した結果であろう。「16・17世紀スペイン絵画 エル・グレコ、ベラスケスの時代」展カタログ
17世紀スペイン、フランシスコ・コリャンテスの「町の見える風景」です。
ひつじ(ヒツジ、羊)のニュース、画像(写真)、グッズ、サイト、牧場などを紹介するひつじサイト。あなたの好きな羊もたぶん見つかります。
この画家の他の多くの風景と共に国王フェリーペ四世のために制作され、新築されたブエン・レティーロ離宮を飾ったものである。
(略)
また画面にはのどかで牧歌的な詩情が流れている。
それは、静穏かつ清澄な地誌的環境の描写を共通の特徴とする17世紀イタリア絵画の精神を何らかの形で継承した結果であろう。「16・17世紀スペイン絵画 エル・グレコ、ベラスケスの時代」展カタログ
17世紀スペイン、フランシスコ・コリャンテスの「町の見える風景」です。
ギリシャ、ヘレニズム時代後期、
紀元前1世紀 ブロンズ 高さ12.6センチ
かつてその手に持っていた物は現在失われているが、このひ弱そうな老女のポーズは、彼女が羊毛を紡いでいるところであることを示唆している。
(略)
さまざまな年齢や階級の人物をいろいろなポーズで表現することには、ヘレニズム時代(前323─30)に大きな関心が寄せられている。
古代ギリシャの彫像です。いっそ近代的と言いたいような現実味がありますね。
「ジェルマンさんにうちの娘を連れていってもらえれば」
「一体どこへ? フルシュにですかな?」
「いいえ。フルシュじゃなく、レ・ゾルモまでですよ。そちらに今年いっぱいいることになったものだから」
「なんとまあ!」とモーリスのおかみさんが言った。「娘さんを手離しなさるとでも?」
「奉公に出て、いくらかでも稼いでもらわなきゃなりません。
(略)
レ・ゾルモの農家で羊飼いのいい働き口が見つかりましてね。先日、その農家の主人が市の帰りにここを通りなさって、村の共同牧場で三匹の羊の番をしている娘のマリを見かけて、『娘さん、ずいぶんと暇そうだね。一人の羊飼いに羊が三匹とはね。ところで百匹の羊の番をする気はないかね? あんたを連れて行ってあげよう。なに、うちで働いていた羊飼いの娘っこが病気になって、親もとへ帰ることになったのさ。一週間以内にうちに来てくれるならば、来年のサン=ジャンの祝日までということで、五十フラン払うとしよう』と言ったそうですよ。」
「ジャンヌ」と「フランス田園伝説集」をご紹介しているジョルジュ・サンドの小説をもうひとつ。若くして妻を亡くした農夫ジェルマンと、純真無垢な羊飼いの娘マリの純愛を描く「魔の沼」です。引用は、物語冒頭、二人が連れ立って短い旅をすることになる場面。
遠い遠い昔のこと、以前はハッケル山とハールツ山地とつながっていたブランツレーベンの森の縁に、どこから来たのかも何者なのかも分らない一人の男が住みついていた。
爺さんという名で皆に知られ、別に騒がれもせずよく村々にやって来ては助力を申し出、引き受けた仕事は人々の満足いくようにやってのけた。
仕事は特に羊の番をすることが多かった。
さてナインドルフの羊飼いメレのところの羊の群れで、一匹の可愛らしいまだらの子羊が生れた。
するとこの誰なのか分らない男は、羊飼いメレにその子羊をくれるようにしつこく頼んだ。
メレは子羊を手放すつもりはなかった。
だが羊刈りの日メレは爺さんが必要になり力を貸してもらった。
帰ってきてみると、なるほどすべてがきちんとしており仕事もやってあったが、爺さんも子羊も見当たらなかった。
それからずいぶん長い間、爺さんがどうなったか誰にも分らなかったが、とうとうある時、カッテンの谷で羊に草を食わしているメレの前に突然姿を現し、嘲るように「今日はメレさんよ、あんたのまだらの子羊がよろしくとのことだぜ」と叫んだ。
激怒した羊飼いは牧杖をつかむと、仕返しをしてやろうと思った。
と突如、誰か分らぬこの男は姿を変え、人狼となりメレに飛びかかってきた。
グリム兄弟による『ドイツ伝説集』より、羊飼いが退治した人狼の墓標とされる大岩についての一章「人狼岩」を。
グリム兄弟は、グリム童話「子羊と小ざかな」をご紹介しています。
ドービニーのオワーズ村への愛着は晩年さらに深まり、昼間の情景の他、夕暮れ、月明かりの情景を何点も描いた。
その手法と暗い緑、褐色の色調は、バルビゾン派、つまり17世紀オランダ風景画の伝統に基づく自然主義に野外での写生を導入した画家たちの、一般的傾向を反映している。「カルメン・コレクション展 風景画の輝き─印象派を中心に」カタログ
バルビゾン派の巨匠、シャルル=フランソワ・ドービニーの「オワーズ川岸に昇る月」です。
これまでにご紹介しているドービニーは、こちらで。
マリは、ジャンヌの頑固さを深く悲しみはしたが、それでも感嘆せずにはいられなかった。
そして、心の中でジャンヌ・ダルクと比べていた。
洗練さとはほど遠い田舎の言葉に、羊飼いの杖を棄てて剣を手にする前の〈オルレアンの乙女〉の姿を見、その声を聞いたように思われた。
混じり合った優しさと毅然、天使のような穏やかさと抑えられた情熱がヴォークルールのヒロインの特徴だったにちがいない。
そしてブロッス侯の夢想好きの後裔は、美しき〈羊飼いの娘〉の魂が、力強さと栄光の苦しみにみちた輝きの中で再び姿を見せ変容を遂げるまで、ジャンヌの中に生きつづけ、地味で平和な暮らしのつらい仕事の疲れを癒すために休息していると想像していた。
「フランス田園伝説集」をご紹介したことのある、ジョルジュ・サンドの小説「ジャンヌ」です。
引用は、天使のように清らかで頑なな心と美貌を持つ羊飼いの娘ジャンヌに対して、深い友情で結ばれた令嬢が、彼女への心情を吐露する場面。
バロック真珠のペンダント「雄羊」
1590年ごろ。2個のバロック真珠(いびつな真珠)で雄羊が表現されている。母貝はおそらくクロチョウガイ。37×65ミリ(ミキモト真珠島蔵)
大航海時代は大小さまざまな真珠が知られるようになったが、バロック真珠はバロック真珠で、ヨーロッパの金銀細工師たちの創造力を刺激した。
ゆがんだ真珠のユニークな形状をどのように使うかが、彼らの腕の見せどころだった。
ミキモト真珠島所蔵の、バロック真珠のペンダントです。
「ヴィクトリア&アルバート美術館展」カタログ
16世紀末から17世紀初のフランドル、ヤン・ブリューゲル (父)による「ノアの方舟」です。
ヤン・ブリューゲルは、「花と果実の輪にかこまれた聖家族」をご紹介したきりですね。父にあたるピーテル・ブリューゲルのお話はずいぶんしているのですが。
なお、ノアの方舟をテーマにしたものについては、こちらで。
「カルメン・コレクション展 風景画の輝き─印象派を中心に」カタログ
18世紀フランス、フランソワ・ブーシェの「左に古代遺跡の見える、道端で休む農民のいる風景」です。眠る女羊飼いと、彼女に花かごを贈る青年。
ブーシェはこれまでにずいぶんご紹介しておりますので、こちらで。
「16・17世紀スペイン絵画 エル・グレコ、ベラスケスの時代」展カタログ
17世紀スペイン、フランシスコ・デ・スルバランの「荒野の洗礼者聖ヨハネ」です。
スルバランは、これまでに「幼児洗者聖ヨハネのいる聖母子像」と「神の仔羊」をご紹介しています。
洗礼者聖ヨハネに関するものについては、こちらでまとめてぜひ。
18世紀フランス、ロココ美術の巨匠ジャン・オノレ・フラゴナールの数少ない宗教画、「羊飼いたちの礼拝」です。
これまでにご紹介しているフラゴナールは、こちらで。
羊飼いの礼拝をテーマとしたものとしては、クリスピン・ファン・デン・ブルック、エル・グレコ、ジャン=バティスト=マリー・ピエール、ロレンツォ・ロット、ヤコポ・バッサーノ、ホアン・バウティスタ・マイーノ、ジョルジュ・ド・ラ・トゥール、ムリーリョ、ギルランダイオをご紹介しています。
ぼくはまた顔をしかめた。「千花文を描くときには、いつもお父さんを手伝うのさ。菜園を作っていて、植物のことならなんでもよく知っている。つかいみちもね。下絵にかかったら、アリエノールに相談しよう。さて、千花文のなかに、なにか動物を入れたいね」。
しゃべりながら、スケッチをした。「忠実を表す犬もいいかな。貴婦人が一角獣を捕らえようとしていることをしめす猟鳥も使えそうだ。貴婦人の足もとに子羊を添えて、イエスと聖母を連想させる手もある。もちろん兎を一、二羽入れておこう。前足を顔に添える兎は、ジョルジュの署名代わりなんだ」
素描をすませてから、絵とスケッチを並べて、見くらべてみた。「もう一息だな」とぼくは言った。
(略)
「だいぶよくなったな」。ぼくが描き終えると、ニコラが言った。驚いたような声だった。「でも、注文主の了承なしで、こんなに手直しをしてもいいのかい?」
「葉叢模様の一部だからね」。ぼくは応えた。「背景の植物と動物の図案は織師に委ねられている。ぼくらが手をつけられないのは、人物だけだ。」
先日お話した、現在大阪・国立国際美術館にて展示中の「貴婦人と一角獣」をモチーフとする、トレイシー・シュヴァリエの歴史小説です。
引用は、図案を描いた絵師と、それをタペストリーのサイズに引き伸ばす下絵描きの青年ふたりの会話。実際にも、こんなふうに作られたのでしょうか。
右手にはヤコブが兄エサウのもとに贈り物として運ぶための家畜の群れと、それを追う人の姿が見えるが、その隊列は次第に遠ざかっていこうとしている。
その傍らで、神によって選ばれた人ヤコブの、人智を超えた存在との闘いはいつ果てることもなく続いていく。
19世紀フランス、ウジェーヌ・ドラクロワの晩年の傑作、「ヤコブと天使の闘い」です。
テーマは創世記から取られています。該当部分を下に。
ヤコブはセイルの地、エドムの野に住む兄エサウのもとに、さきだって使者をつかわした。
すなわちそれに命じて言った、「あなたがたはわたしの主人エサウにこう言いなさい、『あなたのしもべヤコブはこう言いました。わたしはラバンのもとに寄留して今までとどまりました。わたしは牛、ろば、羊、男女の奴隷を持っています。それでわが主に申し上げて、あなたの前に恵みを得ようと人をつかわしたのです』」。
(略)
彼はその夜起きて、ふたりの妻とふたりのつかえめと十一人の子どもとを連れてヤボクの渡しをわたった。
すなわち彼らを導いて川を渡らせ、また彼の持ち物を渡らせた。
ヤコブはひとりあとに残ったが、ひとりの人が、夜明けまで彼と組打ちした。
ところでその人はヤコブに勝てないのを見て、ヤコブのもものつがいにさわったので、ヤコブのもものつがいが、その人と組打ちするあいだにはずれた。
その人は言った、「夜が明けるからわたしを去らせてください」。ヤコブは答えた、「わたしを祝福してくださらないなら、あなたを去らせません」。旧約聖書創世記第三十二章
なお、ヤコブの関わるお話はときどきしておりますので、こちらで。
会期 2013年7月27日(土)─10月20日(日)
休館日 毎週月曜日(ただし9月16日(月)、9月23日(月)、10月14日(月)は開館。9月17日(火)、9月24日(火)、10月15日(火)は休館)
開館時間 午前10時─午後5時 金曜日は午後7時まで(入場は閉館の30分前まで)
大阪は国立国際美術館で開催中の、「貴婦人と一角獣展」を見てまいりました!
「貴婦人と一角獣」は、フランス国立クリュニー中世美術館所蔵の、六枚連作のタペストリーです。背景に多くの動物達が描きこまれており、六枚のうち四枚には子羊もひそんでいます。
子羊部分だけがあしらわれたグッズも販売されておりましたので、いそいそと買ってまいりました。マグネットと、ソーイングセットです。あとシールも。
ご縁があれば、子羊を探しに、ぜひ大阪に。子羊のほか、ウサギや犬たちもかわいいですよ。
遠隔操作でシャッターが切れるEOS 70D
「これがイチガンREMOTE」
K&T様から、キヤノンのデジタル一眼レフカメラ「EOS 70D」のTVCMにムフロンが出ているとのこと、お知らせいただきました。ありがとうございます。見つめ合ってますね、カメラとムフロン。
ムフロンのお話は、このあたりでしております。