アールベルト・カイプ 「馬を降りて休息する人と羊の群れとレーネンの眺め」

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「レーネンの眺め」
「レーネンの眺め」(部分)

 「17世紀オランダ風景画展」カタログ 

17世紀オランダ、アルベルト・カイプの「馬を降りて休息する人と羊の群れとレーネンの眺め」です。
カイプは、「平原の眺め」をご紹介しています。

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竜の口から帰還するイアソン

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ドゥリスの杯
文学の方の伝承では、メディアは呪文を唱えながら竜に近づき、香りの高い魔薬をふりかけ、さらに呪文を唱えながら竜の頭に薬を塗ると竜が眠り、イアソンが金毛羊皮を手に入れた、と伝えている。
が、ヴァティカン美術館にある紀元前5世紀の陶画(ドゥリスの杯)には竜の口からでるイアソンの前にアテナが立っている場面が描かれている。文学と違った伝承があったに違いない。

先日、アポロドーロスの「ギリシア神話」でお話した金羊毛神話について、もう少し。
金羊毛を得るまでの英雄イアソンの冒険については、オウィディウスの「転身物語」でお話したことがあるのですが、まったく違うストーリーが別にあったのですね。
なお、イアソンを描いた美術や文学作品は、これまでにずいぶんご紹介しておりますので、こちらでぜひ。

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サーフェリーとその工房 「動物のいる廃墟のある風景」

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「動物のいる廃墟のある風景」
「動物のいる廃墟のある風景」(部分)
サーフェリーが、プラハ宮廷での10年に及ぶ滞在を終えてアムステルダムに戻ったとき、動物は彼の作品の中でますます重要性を増していた。
プラハでの彼は、皇帝の取り計らいで、たくさんの異国の動物を写生することができた。
彼に様々な動物を描写するよい口実を与えたのは、兄でもあり師でもあるヤーコプ・サーフェリーに倣って取り上げた聖書や神話の、「地上の楽園」や「オルフェウスと動物たち」といった主題である。

 「17世紀オランダ風景画展」カタログ 

先日に引き続いて、動物たちのいる風景画を。ルーラント・サーフェリーとその工房による、「動物のいる廃墟のある風景」です。
サーフェリーは、「楽園」「音楽で動物を魅了するオルフェウス」「廃墟に群れる家畜」をご紹介しています。

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ドンデクーテル 「箱舟から下りた動物たち」

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「箱舟から下りた動物たち」
美しい風景画と動物画の一体化─17世紀オランダの画家メルキオール・ドンデクーテルはこのジャンルにおけるサヴェリーの最良の後継者である。
主題であるべき箱舟ははるか遠方の丘に霞むように描かれ、画面の大半を下船した動物たちが埋めつくす。

「絵画のなかの動物たち」からもうひとつ、17世紀オランダ、ドンデクーテルの「箱舟から下りた動物たち」を。
上の引用で触れられているサヴェリーについては、「楽園」「音楽で動物を魅了するオルフェウス」などがご参考になるかと。
箱舟と動物たちを描いたものは、ヤコポ・バッサーノの「ノアの箱船に乗り込む動物たち」エドワード・ヒックス「ノアの箱舟」などをご紹介しています。

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エドワード・ヒックス 「平和な王国」

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「平和な王国」
「平和な王国」(部分)
「狼は子羊と共に宿り、豹は子山羊と共に伏す。子牛は若いライオンと共に育ち、小さい子供がそれらを導く。牛も馬も共に草を食み、その子らは共に伏し、ライオンも牛もひとしく干し草を食らう。乳飲み子は毒蛇の穴に戯れ、幼子はマムシの巣に手を入れる」(イザヤ書)。
(略)
彼はクエーカー教の説教師として知られた存在となったが、一方で1820年代から40年代の晩年にいたるまで、上記のイザヤ書にもとづく「平和な王国」を繰り返し描き続け、その多くは友人たちに贈られたものだった。

19世紀アメリカ、エドワード・ヒックスの「平和な王国」のうち、ワシントンD.C.のナショナル・ギャラリー収蔵バージョンです。
ヒックスは、「コーネル農場」「ノアの箱舟」をご紹介しています。

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ポンペイの羊飼い像

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羊飼い像
大理石 1世紀中頃 スタビア 66.5×16.5センチ
えり巻きのように小型のヤギをかつぐ牧夫は、羊の毛皮をトゥニカとして着用している。
右手に生まれたばかりのヤギと思われる動物をぶらさげ、左腕には麦の穂や果物があふれだしているカゴをさげている。
写実的な表現と、なめらかな表面処理から紀元1世紀中ごろの作と考えられる。

「世界遺産ポンペイ展 ポンペイとポンペイに暮す人びと」カタログ

古代ローマの羊飼い像です。「善き羊飼い」のポーズですね。
このモチーフについてはずいぶんお話をしておりますので、こちらで。
また、ポンペイ関連の記事は、こちらでぜひ。

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歌川国芳 「艶姿十六女仙 初平」

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「艶姿十六女仙 初平」
「艶姿十六女仙 初平」(部分)
右上の「コマ絵」、つまり小さな枠の中の絵は、中国の仙人、黄初平
白い石を数万頭の羊に変えたというエピソードの持ち主である。
それとは縁もゆかりもない江戸時代の女性の姿を重ね合わせるという、浮世絵にはよくある趣向だが、黄初平の意のままになる羊と、わが道をゆく猫が対照的である。

ネコ好きで知られる浮世絵師歌川国芳の連作「艶姿十六女仙」のうち、「初平」です。
これまでにご紹介したことのある国芳関連の記事はこちらで、
また、黄初平関連はこちらで、ぜひ。

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ダッドソン 「揺りかご(降誕)」

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「揺りかご」
「揺りかご」(部分)
サラ・パクストン・ボール・ダッドソン (1847─1906)
サラ・パクストン・ボール・ダッドソンは、19世紀のアカデミーの形式に多く負っており、古典的な題材や聖書の題材を描いた。
フィラデルフィアに生まれ、同地で美術教育を受けたが、1873年以降は国外で活動する。パリで修行を続け、最終的には1891年にイギリスのブライトンに定住した。

名古屋ボストン美術館で開催中の「アートに生きた女たち」展にて、夢のように美しい降誕図を見かけましたので、ご報告です。キリスト降誕と明言されてるわけではないのですが、まぁおそらく。画面下部に、羊たち。
こちらの展覧会は、2013年9月29日(日)まで開かれているようです。お近くならば、ぜひ。

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アポロドーロス「ギリシア神話」の金毛の羊

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アタマースはデルポイに使者を送ってこの不作から遁れる方法を問うた。
イーノーは使者に、もしもプリクソスをゼウスに犠牲にすれば不作はやむであろうと神託があったと言うようにと説き伏せた。
これを聞いてアタマースは土地の住民に強制されてプリクソスを祭壇に連れて行ったが、ネペレーは娘とともに彼を奪って、ヘルメースから授かった金毛の羊を彼らに与え、彼らは羊の背にのって空中を飛んで地を横ぎり海を渡った。
シーゲイオンとケロネーソスとの間にある海の上に来た時に、ヘレーは深海に滑り落ちて、そこで溺れ死んだので、その海は彼女の名をとってヘレースポントスと呼ばれた。
しかしプリクソスはコルキス人の地に来た。
太陽神とペルセーイスの子アイエーテースが彼らの王であった。
彼はまたキルケーと、ミーノースが妻としたパーシパエーの兄弟である。
彼はプリクソスを客とし、娘の中の一人カルキオペーを与えた。
そしてプリクソスは金毛の羊を厄除けの神としてのゼウスに捧げ、その皮をアイエーテースに与えた。
アイエーテースは皮をアレースの杜の中にある樫の木に打ちつけた。

金羊毛騎士団勲章をつけた人々の肖像画をさんざんご紹介しているわりに、当の金毛の羊がどこから現れたのかについては、オウィディウスの「転身物語」で触れた程度になってしまっておりました。ので、アポロドーロスの「ギリシア神話」であらためて。

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セガンティーニ 「十字架への接吻」

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「十字架への接吻」

19世紀イタリア、ジョヴァンニ・セガンティーニの「十字架への接吻」です。
セガンティーニのお話はいくどかしておりますので、こちらで。

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11世紀の聖遺物箱

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聖遺物箱
聖遺物箱 11世紀中葉 イングランド
セイウチの牙に透かし細工が施されているこの箱の底には、中央の円に神の子羊、十字架の各端には4人の福音書記者を表す形象が刻まれている。
(略)
環で吊り下げられるこの外箱は、聖遺物、おそらくは聖十字架の破片を納める金製の小箱を収めるためにつくられたものと思われる。

11世紀の聖遺物箱です。セイウチの牙製といえば、クロイスターズの十字架をご紹介したことがありますね。
「神の子羊」モチーフについても何度かお話したことがありますので、こちらで。

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ハンス・フォン・アーヘン 「神聖ローマ皇帝ルドルフ2世」

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「ルドルフ2世」
「ルドルフ二世」(部分)

 「ウィーン美術史美術館名品展」カタログ 

先日、「楽園」をご紹介したルーラント・サーフェリーが仕えた神聖ローマ皇帝ルドルフ2世の肖像を。胸元に、金羊毛騎士団勲章がさがっています。おなじくルドルフ2世につかえたハンス・フォン・アーヘンによるもの。この勲章を身につけた人々の肖像画は、これまでにずいぶんご紹介していますので、こちらで。

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「天路歴程」

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さて、この山の巓には羊飼が羊を養つてゐて、その人たちは公道の側に立つてゐた。
巡禮はそれで、その人たちのところへ行き、(疲れた巡禮が道のべの人に話をする時によくするやうに)杖に身を凭せかけて、尋ねた。
これは誰の歡樂山であるか、彼等に養はれてゐる羊は誰のものであるか、と。
羊飼  これらの山はイマヌエルの國で、お二人はその都の見えるところにゐられます。羊も亦その方のものです。これらのもののためにその命を棄てられたのです。
クリスチァン  これは天の都へ行く道ですか。
羊飼  ちやうどその道にゐられます。
クリスチァン  そこまでの道程はどれほどありますか。
羊飼  本當にそこへ行き着く人人以外の者にはとても達することが出來ません。

17世紀イギリス、ジョン・バニヤンの寓意物語「天路歴程」から。
天の都を目指す主人公が立ち寄る「歡樂山」での一場面です。

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アンドレア・ディ・レオーネ 「カナンへ旅立つヤコブ」

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「カナンへ旅立つヤコブ」
旧約聖書(創世記27章41─28章22)によると、イサクとその妻リベカにはエサウとヤコブという二人の息子があった。
(略)
ヤコブは母の計らいでメソポタミアの伯父ラバンのところに身を寄せ、長年仕えることになった。
やがて、ヤコブはラバンの娘レアとラケルの姉妹を妻に迎え、沢山の子をもうけ、伯父の財産をもとに次第に裕福となった。
しかし、ラバンの他の子供たちがこれを良く思わなかったため、神はヤコブに父の国カナンへ帰るように命じた。

 「ウィーン美術史美術館名品展」カタログ 

17世紀イタリア、アンドレア・ディ・レオーネの「カナンへ旅立つヤコブ」です。
ヤコブのお話は、これまでにいくどかしておりますので、こちらでぜひ。

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ベニン王国の仮面

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仮面
胸または腰につける仮面 16世紀 ベニン
雄羊の頸部をかたどった仮面で、襟飾りは組紐で質感をだしてある。
端のモチーフは種子のような形で、先端に輪がついている。
デザインの象徴体系にのっとって、こうした雄羊の頭はおそらく地位の象徴として用いられるか、あるいは宮廷での特定の役割か儀式を示していた。

16世紀、現在のナイジェリアにあったベニン王国の仮面です。

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