ルーラント・サーフェリー 「楽園」

ひつじ話

「楽園」
「楽園」(部分)

「プラハ国立美術館所蔵ブリューゲルとネーデルラント風景画」展カタログ

先日のウィレム・ファン・ニューラント「カンパーニャ地方の羊飼い」で触れたルーラント・サーフェリーを。精密に描かれた多くの動物たちであふれかえる、「楽園」です。

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ウィレム・ファン・ニューラント 「カンパーニャ地方の羊飼い」

ひつじ話

「カンパーニャ地方の羊飼い」
「カンパーニャ地方の羊飼い」(部分)
ウィレム・ファン・ニューラント (1584年頃─1635年)
最初、風景画家ルーラント・サフェリーの兄ヤーコプのもとで修行を積んだ。
ヤーコプの死後、イタリアにおいてパウル・ブリルに学んだ。
数年後、南ネーデルラントへ戻り、1605年、アントウェルペンの画家組合に加わった。

「プラハ国立美術館所蔵ブリューゲルとネーデルラント風景画」展カタログ

17世紀ネーデルラント、ウィレム・ファン・ニューラントの「カンパーニャ地方の羊飼い」です。
同時代のルーラント・サーフェリーについては、「音楽で動物を魅了するオルフェウス」「廃墟に群れる家畜」をご紹介しておりますので、ご参考にぜひ。

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オーネー=ド=サントンジュ、サン=ピエール教会浮彫

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動物たち
羊の司祭
フランス西部の町、オーネー=ド=サントンジュに位置するサン=ピエール教会の小規模な南入口の上方で円弧をなす四重のアーキヴォルトの帯に目を向けるならば、外側の帯では、四足獣の脚、鳥の鈎爪、鳥獣の爪、人間らしき爪先、爬虫類のぬめぬめした腹など、多種多様な脚を持つ動物たちが、つかみあい、噛みあいながら、中央から東西に向けて奇妙な隊列を組んで行進している。

ロマネスク教会の扉口彫刻を。雄羊の司教と、本を手にした羊の助祭がむかいあっているようです。

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「シェットランドのちいさなニット」

ひつじ話

「シェットランドのちいさなニット」
ラーウィックの街から少し離れれば、島のそこここで放牧されて気ままに草を食んでいる羊たちにお目にかかります。
石のフェンスを乗り越えどこへでも行くので、ほとんど野生生活を送っているように見えるほどですが、そんなタフな彼らのアンダーコート(下毛)が、シェットランドヤーンの原毛になるのです。

季節外れにもほどがあるのは承知ながら、たいへん美しい編み物本を見かけたので、ご紹介です。
シェットランドの編み込みニットについて、その歴史や風景とともに丁寧な解説がなされています。秋になったら挑戦したいですね。

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シャルル=エミール・ジャック 「丘の上の羊飼いの少女と羊の群れ」

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「丘の上の羊飼いの少女と羊の群れ」

 「山寺後藤美術館所蔵 ヨーロッパ絵画名作展」カタログ 

これまでにも数多くご紹介している、シャルル=エミール・ジャックを。「丘の上の羊飼いの少女と羊の群れ」です。

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セバスティアン・ブールドン 「犠牲をささげるノア」

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「犠牲をささげるノア」
「犠牲をささげるノア」(部分)

愛知県美術館にて6月23日まで開催中の「プーシキン美術館展」を、ギリギリ駆け込みで見て参りました。
こちらは、17世紀フランス、セバスティアン・ブールドンの「犠牲をささげるノア」。同じテーマでは、シャガールの「ノアの犠牲」ラファエロミケランジェロの天井画をご紹介したことがあります。
こちらの展覧会では、この他、クロード・ロランの風景画などに羊がひそんでいるのを見られます。この後、横浜と神戸を巡回するようですので、ご縁があれば、ぜひ。

愛知県美術館  2013年4月26日(金)?6月23日(日)
横浜美術館  2013年7月6日(土)?9月16日(月・祝)
神戸市立博物館  2013年9月28日(土)?12月8日(日)

 

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ハギスの作り方と、バーンズの「ハギスのために」

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ハギスのために
正直なおまえの笑顔に幸いあれ!
腸詰一族の偉大な王よ、
おまえはその連中の上にどっかと腰をおろしている、
     胃袋や腸や内臓の上に。
おまえはおれの長い腕くらい
     長ったらしい食前の祈りにふさわしい立派な食べ物だ。

「哀れなメイリーのエレジー」をご紹介したロバート・バーンズの詩を、もうひとつ。
以前、少しだけお話した、スコットランドの名物料理ハギスに捧げる讃歌です。
作り方が丁寧に紹介されているガイドブックがありましたので、そちらの引用を、下に。

バーンズの誕生日の1月25日前後になると、スコットランド人はこの日を祝うが、そのとき大皿にのったハギスが、バグパイプの音に先導されてみなの待つ席につき、「ハギスに寄せる」の詩が朗々と暗誦されるのだ。
(略)
材料
1 羊の胃袋を一つ  2 乾燥オートミールを1ポンド(約450グラム)  3 羊の腎臓の堅い脂肪を1ポンド  4 子羊の肝臓(または子羊の赤身)1ポンド  5 ミート・ストック(または固形スープ)2分の1カップ  6 タマネギのざく切りを一個分  7 カイエン・ペッパー、ジャマイカン・ペッパー、ブラック・ペッパー、塩を各小さじに半分。
作り方
1 肝臓または赤身の肉をゆでる。  2 タマネギは半ゆでにしておく。  3 1と2を一緒にして細かく刻む。  4 オートミールを軽く煎り、他の材料も加えて3と混ぜる。  5 混ぜたものをすべて胃袋に詰めて押し込み、空気を抜く。  6 しっかりと詰め口を縫う。  7 胃袋の外から数か所をつついておくと、破れない。  8 煮立ったお湯の中にハギスを入れて、弱火にして四時間から五時間煮る。  9 ゆでたハギスは、12人分にちょうどいい分量になる。

…………どうしろと……。

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ロバート・バーンズ 「哀れなメイリーのエレジー」

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町の中、メイリーはどこでも詩人のそばに従い、
半マイルの遠方からでも、彼を見つけることができた。
彼を見つけると、彼女はやさしくメーと鳴き声をあげて、
     大急ぎで走ってきた。
詩人の近くには、これほど忠実な友人はいなかった、
     死んだメイリーほとには。
(略)
メイリーは、毛が固く絡み合い、尻のあたりが毛むくじゃらの
田舎育ちの羊の子孫ではなかった。
彼女の先祖は船で運ばれてきたのだから、
     トウィード川のずっと向こうから。
もっと美しい羊毛がハサミで刈られたことはなかった
     死んだメイリーのものよりも。

18世紀のスコットランド詩人、ロバート・バーンズの「哀れなメイリーのエレジー」から抜粋を。

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ワーズワース 「序曲」

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どちらからでも鶴首して待つ馬車は来るはず、
そのどちらかは不確かながら。わたしは
丘の頂上へと登った。その日は
風吹きすさぶ、荒れ模様の日で、草に座った
わたしは、むき出しの壁の蔭にかくまわれていた。
右手には一匹の羊がいて、
左手には風でヒュウヒュウと鳴る山査子、
羊や山査子の傍らでわたしは
視線を凝らして見つめた、折しも
靄が眼下の森と野原を
見え隠れさせていた。帰宅中のことだった、
あの物憂い季節のこと、家に帰って
十日になるかならないかのころ、父が逝った。

「マイケル」をご紹介したことのある、ウィリアム・ワーズワースの自伝的叙事詩「序曲」から。父親の死をめぐる少年期の思い出が語られます。

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ジャン=フランソワ・ミレー 「羊飼いの少女、バルビゾンの平原」

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「羊飼いの少女、バルビゾンの平原」

「奇跡のクラーク・コレクション─ルノワールとフランス絵画の傑作」展カタログ

兵庫県立美術館で始まった「奇跡のクラーク・コレクション」展に、ミレーの「羊飼いの少女、バルビゾンの平原」が来ています!

奇跡のクラーク・コレクション─ルノワールとフランス絵画の傑作
2013年6月8日(土)─9月1日(日)
休館日  月曜日(ただし、7月15日は開館し、翌16日は休館)
開館時間  午前10時?午後6時(金・土曜日は午後8時まで) 入場は閉館30分前まで

お近くならば、ぜひ。
なお、これまでにご紹介しているミレーは、こちらで。

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「神使になった動物たち―神使像図鑑」

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「神使になった動物たち」
全国各地の神社やお寺の境内には、ネズミ、ウシ、トラ・・・イノシシといった十二支の動物をはじめ、タコ、ナマズ、ネコといったものまで実に多種多様な動物(架空動物も含む)の像が置かれています。
これらの動物像は、神仏のお使いで、「神使」と呼ばれています。
氏子、檀家、信者、講中、神社などによって奉納されたものです。
(略)
この書では、神社や寺社の境内にある動物(神使)像を撮影・収録して、これらの動物が「なぜ神使とよばれるようになったのか」、その由縁などを付記しました。

以前、京都の野仏庵で羊の石彫を見ていらい、似たものが他にもあるはずだと思って気にしていたのですが、このたび、あつらえたような案内本を手に入れることがかないました。
さっそく「羊」の項目を見てみると、野仏庵はもちろん、東京都の玉川大師や五島美術館庭園、茨城県笠間市の大日堂、仙台市の柳町大日堂等々、はじめて知る石彫羊スポットが八カ所も!
たいへんなことになってしまいましたが、いずれ踏破してご報告できればと思っております。

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フランチェスコ・ズッカレッリ 「田園の情景」

ひつじ話

「田園の情景」
「田園の情景」(部分)
この作品は、貴族たちに好まれたロココ風の田園風景画の典型といえる作品である。
スケッチ風のタッチを残したデリケートな描法が、ズッカレッリの魅力の源泉だといえよう。

 「華麗なる18世紀イタリア ヴィネツィア絵画展」カタログ 

「アルカディア的風景」をご紹介している、18世紀イタリアのフランチェスコ・ズッカレッリによる「田園の情景」です。

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ハインリヒ・ベル 「黒羊」

ひつじ話

ぼくは、黒羊(グループの中の異分子、変わり者の意)の系統がぼくの代になって切れてしまうことがないように、選ばれたのに違いない。
誰かいなければいけない。そして、それがぼくなのだ。
誰も、以前にはぼくのことをそんな風に考えた者はいなかったろう。
しかし、だからといって、事実は変えようがない。それがぼくなのだ。
うちの家族の中の悧巧な人たちの説によれば、ぼくがオットー叔父さんから受けた影響がよくなかったのだという。
オットー叔父さんは、先代の黒羊で、ぼくの名付け親だ。
ともかく誰かいなければいけない。そして、それが叔父さんだったのだ。
もっとも、叔父さんが名付け親に選ばれたのは、叔父さんがだめになってしまうことがまだわからなかった時のことだ。
そして、このぼくも親戚の男の子の名付け親をつとめたことがあって、ぼくが黒羊だと思われるようになってからというもの、みんなは、びくびくしながら、この男の子をぼくから遠ざけている。

20世紀ドイツ、ハインリヒ・ベルの短編「黒羊」の冒頭部分です。
関連記事(似たニュアンスでこの言葉を使っている小説など)は、こちらで。

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ホセ・デ・リベラ 「洗礼者ヨハネ」

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「洗礼者ヨハネ」
はじめカラヴァッジオや、北ヨーロッパ出身でローマに滞在していたその弟子達から主として影響を受けた。そのことは強い明暗の使用からも明らかである。
そして後にはベラスケス(1630年に面識を得た)や16世紀ヴェネツィアの画家、とりわけティツィアーノの画風に近づいた。

 「ヴィクトリア&アルバート美術館展」カタログ 

17世紀、バロック期の画家ホセ・デ・リベーラによる「洗礼者ヨハネ」です。
これまでにご紹介しているカラヴァッジオはこちら、ベラスケスはこちら、ティツィアーノはこちらで。

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ジョン・エヴァレット・ミレイ 「盲目の少女」

ひつじ話

「盲目の少女」 「盲目の少女」(部分)

先日に続いて、ということでもありませんが、遠景にこっそり羊な絵を。
「両親の家のキリスト」をご紹介したことのある、ジョン・エヴァレット・ミレイの「盲目の少女」です。

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