ヒエロニムス・ボスの「キリスト降誕」を。
後景に羊飼いへのお告げの場面が小さく描かれているようです。以前、エル・グレコ「羊飼いの礼拝」等でお話したパターンですね。
これまでにご紹介したボスについては、こちらで。
ヒエロニムス・ボス 「キリスト降誕」
三星堆遺跡出土 尊
全国を巡回中の「中国 王朝の至宝」展で、三星堆遺跡出土の尊を見てまいりました!
青銅 高41.6、肩経28.8 殷・前13─前11世紀
1986年、四川省広漢市三星堆遺跡2号祭祀坑出土
四川広漢三星堆博物館
尊は、中原地域に発達した祭祀儀礼用の酒器の一種で、三星堆遺跡からは8点が出土している。
(略)
ややいびつな器形やゆがみのある文様などには、この種の器物の制作にあまり熟達していない、地域的な作風をうかがうことができよう。「中国 王朝の至宝」展カタログ
酒器の肩のあたりになんだかむっちりした羊頭がついています。
古代中国の青銅器のことは時々お話しているのですが、こちらも非常に魅力的です。
「中国 王朝の至宝」展は、現在、名古屋市博物館で開催中。2013年6月23日(日)まで。
その後は、九州国立博物館にて、7月9日(火)?9月16日(月・祝)までの開催が予定されているようです。
後藤祐乗 二疋羊図二所物
初代・祐乗
刀装具の様式美を確立し、それまで外装の「部品」でしかなかったそれらの地位を精緻な工芸品の域にまで高め、金工の一分野を開拓した名工として知られる。
(略)
二疋が連れ立った構図で、先行する羊が振り向いている。
その面相や姿態に古さが感じられる。
特に目貫は豊かな高肉で、鏨運びが力強い。「鏨の魔術?金工の名門・後藤家と刀装の美?」展カタログ
エドウィン・ランシア 「老羊飼いの喪主」
有名な《老羊飼いの喪主》(1837年)もスコットランド高地の風俗に取材した作品である。
老いた羊飼いが孤独のうちに亡くなる。
わずかな知り合いたちは、遺骸を棺に収め手短な儀式を挙げるが、すでに皆家に帰ってしまったので、いまや一番の親友だったシェパード以外に誰一人、後を見守る者もいない。
先日、「家畜市場での別れ」をご紹介したエドウィン・ランシアの代表作、「老羊飼いの喪主」を。画面に羊はいないのですが、まぁ。
引用の『ヴィクトリア朝万華鏡』では、ランシアについて、「女王陛下の動物画家」とのタイトルで一章がさかれています。
ミレー 「群れを連れ帰る羊飼い」
「フランスの美しい風景」展カタログ
名古屋市のヤマザキマザック美術館で、バルビゾン派メインの風景画展が開かれています。
ひつじ度高め。上の、ジャン=フランソワ・ミレー「群れを連れ帰る羊飼い」などが見られます。
フランスの美しい風景 ?ロココからバルビゾン派、印象派へ
2013年4月27日(土)から2013年7月15日(月)まで
開館時間:10時?17時(最終入館は閉館30分前まで)
休館日:毎週月曜日(ただし祝日の場合は開館し翌日休館)、年末年始、展示替え期間
お近くならば、ぜひ。
バルビゾン派はこれまでずいぶんご紹介しておりますので、こちらで。
フェリクス=サチュルナン・ブリッソ・ド・ワルヴィル 「放牧」
「ミレーとバルビゾン派の画家たち」展カタログ
19世紀フランス、フェリクス=サチュルナン・ブリッソ・ド・ワルヴィルの「放牧」です。アミアン、ピカルディ美術館蔵。
ローザ・ボヌール 「ハイランドの羊飼い」
《ハイランドの羊飼い》は、格子縞の肩掛けとキルトのスカートを身につけたスコットランド高地人を表しており、頭にはタモ・シャンターという房つきのベレー帽を被り、長い角のある羊の群れを率いて高地を歩いている。「ターナーから印象派へ」展カタログ
先日の、エドウィン・ランシア「家畜市場での別れ」に続いて、ハイランドの羊をもうひとつ。
19世紀フランス、マリー=ロザリー・ボヌール(通称ローザ・ボヌール)の水彩画、「ハイランドの羊飼い」です。
エドウィン・ランシア 「家畜市場での別れ」
この有名な絵画は、六世ベドフォード公爵が注文し、1835年のロイヤル・アカデミー展に出品された。
その絵の主題は、もうすでになくなった伝統的な習慣、冷蔵庫のない時代に消費者に新鮮な肉を届ける必要から、ハイランドの家畜や羊を南のイングランドの市場へと大挙追って移動させたという事実からきている。「ヴィクトリア&アルバート美術館展 ヴィクトリア朝の栄光」カタログ
19世紀英国、エドウィン・ランシアの「家畜市場での別れ─グランピアン地方の一情景─」です。
ジャン=フェルディナン・シェノー 「母羊と子羊」
「ミレーとバルビゾン派の画家たち」展カタログ
バルビゾン派の羊画家、ジャン=フェルディナン・シェノー(シェニョーとも)の「母羊と子羊」です。
これまでにご紹介しているシェノーは、こちらで。
クリスピン・ファン・デン・ブルック 「羊飼いの礼拝」
「ハンガリー国立ブダペスト美術館所蔵 ルネサンスの絵画」展カタログ
16世紀フランドルのクリスピン・ファン・デン・ブルックによる、「羊飼いの礼拝」を。右端に立つ老羊飼いが、子羊を抱えています。
これまでにご紹介している、幼児キリストへの羊飼いの礼拝を描いたものは、このあたりで。
ローレンス・アルマ=タデマ 「神殿への道」
イギリス、ヴィクトリア朝のローレンス・アルマ=タデマによる、「神殿への道」です。
神殿の入口で小像を売る女性の足もとに、なんだか豪快な敷物が。
アルマ=タデマ関連としては、同時代人であるフレデリック・レイトンの「お手玉遊び」をご紹介したことがあります。
メソポタミアの象嵌装飾板
前2600?前2350頃
マリ(テル・ハリーリー) シャマシュ神殿址出土
真珠貝、象牙、石灰岩、粘板岩
高さ:17.1センチ 幅:25.7センチ (復元)
ダマスカス博物館
ビチュメンで留めたラピスラズリや粘板岩を背景に、そのなかに真珠貝や象牙で作った人物・動物像などを象嵌した装飾板は、初期王朝期のメソポタミアの多くの遺跡から発見されている。
その用途は神殿の壁面を飾ったり楽器の共鳴板として用いられたりと様々だが、いずれも暗色の背景に白い像がシルエット風に浮かび上がる印象的な場面を創出している。「古代シリア文明展」カタログ
古代メソポタミアの神殿で発見された、犠牲獣の奉献を描いた象嵌装飾板です。
同時代のものとしては、カウナケスをまとったエビフ・イルの像や、ウルの牡羊像、ウルのスタンダードなどをご紹介しています。
クラナッハ 「ヨアキムへのお告げ」
「ハンガリー国立ブダペスト美術館所蔵 ルネサンスの絵画」展カタログ
16世紀ドイツ、ルーカス・クラナッハ(又はクラナハ、クラーナハ)による「ヨアキムへのお告げ」です。
聖母マリアの父ヨアキムを描いたものとしては、ジョットの「ヨアキムの夢」と「羊飼いのもとに赴くヨアキム」、及びギルランダイオの「神殿から追い出されるヨアキム」をご紹介しています。
フラゴナール 「丘を下る羊の群れ」
18世紀フランス、ジャン・オノレ・フラゴナールの「丘を下る羊の群れ」です。国立西洋美術館蔵。
これまでにご紹介しているフラゴナールは、こちらで。
「NHKテレビ おとなの基礎英語 2013年4月号」
人気番組の第2弾。昨年に続き、主人公の美佳が、ニュージーランドなど3か国を英語で旅します。
2013年4月1日から始まる「おとなの基礎英語」に、「ニュージーランドでファームステイをする」という設定のミニドラマがあるとのこと、SO様からお知らせいただきました。ありがとうございます。
本屋さんで買ってきたテキストをめくっていると、なんか、「How many sheep do you have?」ってタイトルの章まであるんですが……。これは、来月から「おとなの基礎英語」を見るしかない、ということでしょうか。