1304?05年 フレスコ 200×185センチ
パドヴァ、スクロヴェーニ礼拝堂
(略)
深い思索にふけるヨアキム、主人が来たので喜ぶ犬、怪訝そうに見つめる二人の羊飼い。
書き割りのような背景の山と木は素朴だが、ヨアキムの沈んだ気分を暗示しているかにみえる。
聖なる物語が、このような人間的ドラマとして表現されたことは、それまでにはなかった。
ジョット・ディ・ボンドーネのスクロヴェーニ礼拝堂壁画、「羊飼いのもとに赴くヨアキム」を。以前ご紹介した「ヨアキムの夢」と同じ壁面に並ぶ、「ヨアキム伝」の一場面です。
ヨアキムを描いたものは、他に、ギルランダイオの「神殿から追い出されるヨアキム」をご紹介したことがあります。