アポローンの息子アスクレーピオスは父親から医術の業を授けられたので、死んだ人間を生きかえらせることすら出来たのである。
こうしたことに懸念を抱いたハーデースがゼウスを説得して、アスクレーピオスに雷霆を投げてもらった。
ところがアポローンは息子の死に憤慨して、雷霆を造った罪のない名匠に自分の恨みをぶちまけて復讐しようとしたのだった。
(略)
アポローンはこのキュクロープスたちを自分の矢で射殺したのであるが、ゼウスは非常に激怒してアポローンに罰を与えることにし、一年間、人間に仕えるよう命令したのである。
そこで、アポローンはテッサリアのアドメートス王に仕えることになり、アムプリュソス川の新緑におおわれた川岸で王のために羊や牛の群れを放牧して面倒をみていたのである。
トマス・ブルフィンチのギリシア神話から。
「イリアス」の冒頭に、
そもそも二人を争わしめたのは、いかなる神であったのか。
これぞレトとゼウスの御子(アポロン)、神はアトレウスの子が祭司クリュセスを辱めたことを憤り、陣中に悪疫を起し、兵士らは次々に斃れていった。
クリュセスは捕われの娘の身柄を引き取るべく、莫大な身の代を携え、手に持つ黄金の笏杖の尖には遠矢の神アポロンの聖なる標、羊の毛を結んで、
という一節がありまして、アポロンの羊の毛ってなんなんだろうとずっと不思議に思ってるのですが、やっぱり、この羊飼い暮らしのことを指しているんでしょうか。