じゃあ、どうすればいいんだい、ヒツジさんは?
牙がありゃあ、かみつくこともできよう。
爪がありゃあ、ひっかくこともできよう。
爆弾を持っていりゃあ、落とすこともできよう。
でも、ありゃあしないんだもの、そんなもの!
あるのはただ、ウール、ウール、ウールだけ。
アクセル・ハッケの‘情緒あふれる博物学’(本文から)、「キリンと暮らす クジラと眠る」の一章、「ヒツジ ウール革命を待ちわびて」を。
いつかもっと科学がすすんで、ヒツジ無しでも羊毛が作れるようになったなら、何千年もにわたる任務から解放されたヒツジたちはどうするだろう? という、幸福な夢想。ミヒャエル・ゾーヴァの挿絵がまた良いのですよ。