ボートには百頭分の牛の肉と三百頭分の羊の肉の他、それに見合う分量のパンと飲み物、さらに四百人の料理人が調理してくれた、すぐに食べられる食料、を積み込んだ。
生きたままの雌牛六頭と雄牛二頭、及び同じ数の雌羊と雄羊も積み込んだ。
(略)
ずっと後の話になるが、次々と航海に出て最後に帰国してみて分ったことは、それらの繁殖ぶり、とくに羊の繁殖ぶりが相当なものであったことである。
その羊毛の繊細さは、今後わが国の羊毛加工業者にとって大いに利益となるだろうと思う。
ジョナサン・スウィフトの『ガリヴァー旅行記』から、第一篇「リリパット国渡航記」を。
小人たちの国を出ることになったガリヴァーのために航海中の食料が用意される場面。もちろんひとり分です。
生きた家畜はそのまま連れ帰って(一頭は船中で「鼠にさらわれた」との描写あり)、繁殖させているようです。