ホガース 「誤った遠近法」

ひつじ話

「誤った遠近法」 「誤った遠近法」(部分)

 「だまし絵展」カタログ 

18世紀イギリスのウィリアム・ホガースによる、「誤った遠近法」です。羊たちの大きさの変化が落ち着かないことこの上なし。
こちらの絵は、現在Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「奇想の王国 だまし絵展」で現物がご覧になれます。展覧会は8月16日まで。その後は兵庫県立美術館に移り、8月26日から11月3日まで。お近くならばぜひ。

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プロカッチーニ 「聖家族、洗礼者ヨハネと天使」

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「聖家族、洗礼者ヨハネと天使」

「エルミタージュ美術館展 イタリア ルネサンス・バロック絵画」カタログ

17世紀イタリアのジュリオ・チェーザレ・プロカッチーニによる、「聖家族、洗礼者ヨハネと天使」です。
羊を連れた洗礼者ヨハネは、すでにかなりご紹介しておりますので、こちらでまとめてどうぞ。

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「バラガンサン物語」より「種羊難産」

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王さまは部下に種羊を残らずより分けさせると、バラガンサンを呼んで来させて命じた。
「おまえは今からこれらの羊を山へ連れて行って放牧せい。こいつらが仔を生んだら、親子の羊を連れて帰って来い。だがこいつらが仔を生まぬうちは帰って来てはならんぞ」
(略)
「すみません、王さま」
バラガンサンがいかにも心痛の面持ちで答えた。「たった一人で帰って来ました」
「何だと」王さまはバラガンサンが手ぶらで帰って来たと聞くと、内心「今度こそバラガンサンが不運な目に遭う番だ」とほくそ笑んで、声を張り上げて問うた。
「羊群が仔を生まぬのに、下山したからには、罰は承知だな?」
「ハイ、王さま」バラガンサンが答えた。
「あっしの運が悪かったのか、王さまにつきがなかったのか、あっしにもわかりませんが、春になって、王さまがあっしに渡された羊どもが仔を生もうとしましたところ、どいつもこいつも難産で、結局親子ともみんな死んじまいました」

モンゴルの伝説的人物バラガンサンの滑稽譚から。そうか、蘇武もこうすれば良かったのか(無理です)。
トリックスターつながりということで、「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」もご参考にどうぞ。

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「きたない羊飼い」

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「きたない羊飼い」挿画
そんなある日、ひとけのないところで羊の番をしていた姫は、急にむかしのごうかな衣装を着てみたくなった。
城を出るときまとめた荷物をいつも持ちあるいていたので、小川で手や顔の泥をきれいに落とすと、さっとぼろ着をぬぎすてて、あっというまにみごとな貴婦人に早変わりした。
このとき、たまたま猟に来ていて道にまよった王子が、遠くからこの美しいおとめのすがたを目にして、もっと近くでじっくり見たいものだと考えた。

「ふしぎな羊」に続いて、アンドルー・ラングの世界童話集から。やはり父王に城を追い出された王女のお話ですが、こちらのお姫様はぼろ着をまとって羊飼いになり、糊口をしのぐ行動力の持ち主。…………「毛皮娘」にはさすがに勝てませんが。

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おあつらえの羊

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羊というのはどうやら背中の毛を刈り取られるのが嫌いらしく、剪毛するための作業場に連れていかれることが分かると、とたんに不機嫌になるのである。
そうなったら、その羊を小屋から作業場に移動させるのは至難の業で、連れていく人が怪我をするという事故も起こりやすい。
なにしろ牧羊の盛んなオーストラリアでは、羊の剪毛の職人が労働災害にあう割合が、ほかの職業の平均の六倍にも達するというのだ。
いったい、どうやったら、剪毛する羊を小屋から作業場に安全に連れていくことができるだろうか?
そのとおり! 羊を引っ張りやすいように、小屋と作業場をつなぐ廊下に傾斜をつけ、床の材質にも工夫を凝らせばよいのである。
いや、これはオーストラリアのバララット大学のジョン・カルヴナー教授が実際に考えたことで、教授は傾斜はどのくらいがいいのか、材質はどんなものにすればよいのか、試行錯誤を重ねて研究を行った(床の素材にはたとえば、木材やプラスチック、金属など、あらゆるものが試された)。
その研究の結果は、《応用動物工学》(33巻、523―31頁)に発表されているが、今日は特別に皆さんにも結果をお知らせしよう。
羊をいちばん引っ張りやすいのは寄木張りの床で、傾斜は10パーセントが最適である。

先日の人に角がはえる話に続いて、またしても雑学本から。まっとうな科学研究でありながら、なぜか一般人のツッコミ心をくすぐる研究例が集められた「変な学術研究」より、「おあつらえの羊」と題された一章を。
いやしかし、これは。ぜひこの著者には、バイオロジカル・ウール・ハーベスティングについても、一章を割いていただきたいところです。

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ミレー 「畑からの帰り」

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「畑からの帰り」

「中村コレクション秘蔵の名品 コロー、ミレー バルビゾンの巨匠たち展」カタログ

ジャン=フランソワ・ミレーです。先日ご紹介した「夕暮れ」に、構図や雰囲気が似てますね。
ミレーはすでに何度も話題にしておりますので、こちらの一覧で是非。

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鍍金羊形灯(ときんようがたとう)

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鍍金羊形灯
時代 : 前漢  材質 : 青銅
高さ : 9.8?   長さ : 13.8?
漢代に流行していた動物の形をした灯明具である。
羊は膝をつけ、両眼を大きく開き、頭に曲がった角がある。
羊の体は中空になっており、油を中に入れられる。
羊の背中の蓋を開け、羊の頭部に置いて用いる。

「兵馬俑と秦・漢帝国の至宝」展カタログ

漢代の羊形灯です。陝西歴史博物館蔵。

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神楽焼の香合

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赤楽羊香合 赤楽羊香合

 「香合の美」展カタログ 

ずいぶん前に湊焼(みなとやき。大阪府堺市のやきもの)のものをご紹介している、クレマンソーの香合コレクションから、京都市岡崎の神楽焼(かぐらやき)の香合です。

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ティツィアーノ 「聖母子と洗礼者ヨハネと寄進者」

ひつじ話

「聖母子と洗礼者ヨハネと寄進者」 「聖母子と洗礼者ヨハネと寄進者」(部分)

「アサヒグラフ別冊 美術特集西洋編21 ティツィアーノ」

「フェリペ二世」「カール5世」「イサクの犠牲」「洗礼者ヨハネ」をご紹介しているティツィアーノをもう一枚。「聖母子と洗礼者ヨハネと寄進者」です。

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メソポタミアの動物形ラットル

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羊形ラットル
メソポタミアには新石器時代以来、動物形テラコッタ像の存在を証明することができる。
ライオン・犬・豚・羊・はりねずみ・魚・鳥がかたどられている。
おそらく、この種類のテラコッタ像にも、祭儀的、すなわち宗教的意味を帰すことができる。
これらの像は、たとえその一部が子供の玩具として用いられていた可能性を考えに入れなければならないにせよ、原則的に子供の玩具として定義しようとするのは誤りである。
多くのテラコッタ像は、ラットル、すなわち内部に音を出すための物体を入れた中空体として作られている。
(略)
焼成粘土製の内側が中空で容器状のラットルは、ヨーロッパ新石器時代を含むあらゆる古代文明の最も古い社会発展の段階に確認することができる。
それらは、呪力を持つと信じられ、悪霊払い、雨乞い呪術、病気治癒呪術、豊穣儀礼、供儀に用いられる。

「人間と音楽の歴史・メソポタミア」

イラク博物館所蔵の、古バビロニア時代の粘土製動物形ラットル(がらがら)です。

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「イソップ寓話集」より「狼どもと羊の群れと牡羊」他

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狼どもと羊の群れと牡羊
狼どもが使者を羊の群れに遣って、犬どもを自分たちが受け取って殺すという条件で、彼らと永遠の平和を結ぼうと言ってやりました。
馬鹿な羊どもはそれをする約束をしました。
しかし或る歳とった牡羊が「犬どもが私の番をしていてくれてさえ、私は危険なしに食べていることはできませなんだのに、どうして私はあなたたちを信じて一緒に暮らすことができましょう。」と言いました。
これは、和解のできない敵を誓約によって信じ、自分の安全を守ってくれるものを身から離してはならぬ、ということなのです。
子豚と羊たち
一匹の子豚が羊の群れに交って草を食っていました。
ところが或るとき羊飼が彼を捕えましたので、彼は泣き叫んで、さからいました。
羊たちは彼が叫ぶのを非難して「羊飼はわれわれを絶えず捕えるが、われわれは泣き声を出さない。」と言いました。
と、子豚はこれに対して「しかし僕が捕えられるのは君らのと訳が違う、君たちを捕えるのは毛のためか、乳のためだ、しかし僕は肉のためだ。」と答えました。
この話は、その危険が金銭に関係しているのではなくて、生死に関係している人々の泣き叫ぶのは当然である、ということを明らかにしています。

ひさしぶりに、「狼と仔羊」他伊曾保物語に触れたぐらいで、そのままになっている「イソップ寓話集」の続きなどを。
ラ・フォンテーヌの「寓話」もいくつかご紹介しているのですが、その中の「オオカミたちとヒツジたち」「ブタとヤギとヒツジ」が、上で引用した寓話に一部対応してるようです。
豚と羊の関係つながりで、「フィロゲロス」もご参考にぜひ。

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ティツィアーノ 「フェリペ2世の肖像」

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「フェリペ2世の肖像」 「フェリペ2世の肖像」(部分)

「アサヒグラフ別冊 美術特集西洋編21 ティツィアーノ」

「カール5世」に続いて、ティツィアーノの肖像画を。カール5世の嫡子である、フェリペ2世です。胸元に金羊毛騎士団勲章が。

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恵比寿ガーデンプレイスフリーマガジン 「YEBISU STYLE」

ひつじ話

「YEBISU STYLE」内「ウール100%」 「YEBISU STYLE」表紙

季刊誌「YEBISU STYLE」でここ3年ほど連載が続いています、と、kj様から情報をいただいたのが、もう二ヶ月も前になるんですが(申し訳ありませんー)、フジモトマサルの「ウール100%」がこちらで連載されています。
遠方の住人なのでどうやって手に入れようか悩んでいたのですが、幸い、カーター卿さんにお願いして送ってもらうことができました。ありがとうございます。
ご紹介しているこちらは3月15日配布の春号ですが、現在は、6月15日に出たばかりの夏号「YEBISU STYLE No. 19」が恵比寿ガーデンプレイス内各所にて入手できるようです。

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ゴヤ 「洗濯娘たち」

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「洗濯娘たち」 「洗濯娘たち」(部分)
皇太子夫妻が住むパルド宮の、寝室控えの間のためのカルトンである。
(略)
娘たちが女の苦役を離れて川辺でくつろぐ情景を描き、まどろむ娘や子羊の姿もほほえましい。いずれも庶民が主役である。

 「アサヒグラフ別冊 美術特集 西洋編3 ゴヤ」 

フランシスコ・デ・ゴヤによる、タピスリーのカルトン(タピスリーの原寸下絵)です。

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「詩経」召南

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   羔羊(子羊の裘) 
羔羊之皮  羔羊(こうやう)の皮    子羊の裘(かはごろも)
素絲五紽  素絲(そし)五紽(だ)    白絲の房飾り
退食自公  公より退食す        飯時の宮下り
委蛇委蛇  委蛇(ゐだ)たり委蛇たり おほどかにおほどかに
羔羊之革  羔羊の革          子羊の裘
素絲五緎  素絲五緎(いき)       白絲の房飾り
委蛇委蛇  委蛇たり委蛇たり     おほどかにおほどかに
自公退食  公より退食す        飯時の宮下り
羔羊之縫  羔羊の縫(ほう)      子羊の裘
素絲五總  素絲五總(そう)      白絲の房飾り
委蛇委蛇  委蛇たり委蛇たり     おほどかにおほどかに
退食自公  公より退食す        飯時の宮下り

先日の「千字文」より「詩讚羔羊」で触れた「詩経」召南より、「羔羊」です。食事のために宮廷から帰宅する大夫たちの容儀をたたえる歌とのこと。

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