セガンティーニの「アルプスの真昼」。倉敷は大原美術館の収蔵品です。
ビリワック・モンスター
UMA(未確認動物)のほうの羊男です。フィギュアもでてます。唐沢なをきのギャグマンガにもなってます。
ギルランダイオの「キリストの降誕」
右端に立っている羊飼いが一匹の仔羊を差し出しているのが見えるだろう。これは三十三年後にゴルゴタの丘で磔刑に処せられるキリストの運命を、すでに誕生の時に「犠牲の羊」によって暗示する行為なのである。「羊」という動物は救い主の死と、そして、復活とを暗示するシンボルであり、「羊」そのものを礼拝する図像が数多く絵画化されたのもそのためである。
フィレンツェはサンタ・トリニタ聖堂にある、ギルランダイオの「キリストの降誕」です。
こちらの本では、さらに「羊」そのものを礼拝する図像として、以前ご紹介したファン・エイク兄弟の「神秘の仔羊」が挙げられています。
邪悪の侵入 翼獣防ぐ
南神道入り口付近に立つ石柱を過ぎて、われわれを最初に迎える巨大な石刻が翼獣です。頭に角が生えているため、唐宋代の翼獣の石刻はかい(けものへんに解)豸と呼ばれています。
西晋の歴史家司馬彪(司馬懿のおい)が著した「続漢書」の「輿服志・下」には、かい豸とは神羊のことで、善悪を判断する能力をもった霊獣であると記されています。しかし、どんなにひいき目に見ても、どの陵の翼獣も決して羊には見えません。
翼獣の造形の基本は、翼の生えた馬。つまり天馬(ペガサス)と考えられます。ただし、各陵ごとに細部の造形が異なり、橋陵の翼獣などは、とても天馬と呼べるものではありません。そこで、角の生えた翼獣の名称をかい豸と総称しているようです。
時祷書のひつじ
古川美術館 より 「装飾芸術の魅力」展
名古屋の古川美術館で、12月18日(日)まで開かれている「装飾芸術の魅力」展で展示中の、「ブシコー派の画家の時祷書」のなかの絵です。「羊飼いへのお告げ」のシーンです。
北斎漫画のひつじ
葛飾北斎の描く北斎漫画を図案化したものです。この顔の向き具合がかわいい、です。
原画は、山口県立萩美術館・浦上記念館の収蔵作品検索システムで見られるようです。上のは北斎漫画十四編ですが、他にもこっそりいるはずですよ?
(羊毛)第3話 採毛と処理/豪メリノ種1頭で背広1着
1.「脂付き」と「洗上げ」
羊から刈り取った羊毛繊維にはグリースを主体に多くの不純物が付着している。およそ、グリースとスイント(汗糞尿等の残渣)が3割、土砂・植物質が1割である。洗毛して不純物を落とすと残る繊維の重量は6割前後に減少する。このため、取引量や生産量などを示す場合、「脂付き羊毛」か「洗上げ羊毛」か、注を付ける。
植物質は除去しにくく、トップメーク工程まで残るものがあるが、コーマで梳き取って完全除去する。コーマで除去された植物質は、梳き落とされた短い繊維にまじった混合物の状態である。この短い繊維(ノイル)は紡毛紡績に利用するため、硫酸で処理して植物質を化炭して除去する。洗毛排水は遠心分離機を使いスイントとグリースに分離する。グリースは精製してラノリンとし化粧品原料などに利用する。
2.羊1頭からの年間採毛量
羊は世界に3000種もあると言われており、品種改良の進み方、繊維の使用目的、気候風土適性などの条件で採毛量も当然異なる。衣料用の代表品種であるオーストラリアメリノの採毛量は4?6キロで、男性の背広1着分と表現される。モンゴルでは専門家から「我が国の平均採毛量は2キロである」と説明を受けた。
3.フリース
羊から刈り取った羊毛は1頭分が1枚の布状にくっついてまとまっている。これをフリースと呼ぶ。ほかに?紡績工程のドラフトローラーから出た薄いシート状繊維集合体?柔らかく毛羽のある紡毛織物?両面起毛のカジュアルニット製品もフリースと呼ばれる。
羊毛の基礎知識?
第1話
1. 羊毛と一般動物の毛の違い
2.羊の改良
3.羊毛品種
第2話
1.暖かい
2.ハイグラルエクスパンション
3.最高の吸湿性と染色性
4.フェルト化する
5.水をはじく性質
6.その他
樹下動物文様のひつじ
古代ペルシアでは、天空にはめぐみの雨を降らせる深海があり、その海中には聖なる樹(ハオマ)が生育し、その樹からは不死の霊薬がつくられるという伝承がある。そこで、聖樹を中心に動物が左右対称に置かれる構成はササン朝ペルシアの重要な文様になり広まった。
代表的な文様は獅子や鳥ですが、もちろんひつじだって使われてます。
「東方への伝播」 正倉院宝物には樹木を中心に、その下または左右に象、鹿、羊、鳥などがいる屏風が多数ある。
左が前にご紹介した羊木臈纈屏風、右が双鳳双羊文白綾。ともに正倉院宝物です。
「西方への伝播」 聖樹の意匠は西洋でも盛んに用いられ、生命の樹の下に動物が集うキリスト教の楽園のイメージが形成された。
イスタンブール、ハギア・ソフィア大聖堂の石棺浮彫彫刻です。
ところでこの樹下動物文様、輪廻転生思想とかバロメッツのイメージとかともつながってるらしい話を聞いたことがあるんですが、どうなんでしょう、実際のとこ。
レオナルドとその弟子の聖母子像
左がレオナルド・ダ・ヴィンチの「聖アンナと聖母子」、右がその弟子にして共同制作者チェーザレ・ダ・セストの「聖母子と子羊」です。「聖母子と子羊」のほうは、大阪市立美術館で10月16日まで、千葉市美術館で10月25日から12月4日まで開かれる「ミラノ展」で、本物が観られます。
つかぬことをうかがいますが・・・
Q.どうして羊は、横によければいいものを、いつまでも車の前を走りつづけるのでしょうか?
アレッド・ウィン・ジョーンズ ケンブリッジ
(中略)
A.肉食動物はふつう、獲物と並んで走りながら喉に食らいつこうとするため、草食動物のほうは、後方から迫ってくる肉食動物がぎりぎりまで接近するのを待って、追いつかれる寸前で身をかわすのです。だからこそカンガルーは、車が横から近づいてくるのを見ると、車が自分の真後ろに来るように、目の前の道路に飛びだしてしまうのでしょう。そしてしばしば、轢かれてしまうのです。車が羊の後ろを進んでいるかぎり、羊はまっすぐに走って逃げきろうとするでしょうね。
G・カーサニガ オーストラリア、シドニー
・・・・・そうなんですか?
聖アグネスの見分けかた
アグネスはラテン語で「仔羊」、ギリシア語では「純潔」を意味する。このため三世紀の聖女アグネスは貞操の保護者として仰がれている。(中略)埋葬されてのち、天の光背に照らされて、純潔のシンボルである仔羊をつれて、墓参する人びとの前に現れたという。美術上、聖アグネスは仔羊とともに描かれるので、それとわかる。殉教の印として、脚下に剣か焔が描かれ、恥部をおおった長い髪で描かれることもある。彼女の祝日の一月二十一日には、ローマの聖アグネス聖堂で毎年二匹の仔羊が祝別、すなわち屠殺される。この仔羊は修道女が飼育しているもので、その毛で大司教用の肩掛け帯(パリウム)がつくられる。
シャルル=エミール・ジャック「森の中の羊の群れ」
「週刊朝日百科 日本の美術館を楽しむNo.9 山梨県立美術館」
バルビゾン派の主要な一人、シャルル=エミール・ジャックの絵です。他の羊の背中にアゴ乗せてダレてる羊がすごい好きなんですが。山梨県立美術館は、この「森の中の羊の群れ」を含め、ミレーとバルビゾン派の作品を多く収蔵する美術館です。ひつじ度高いです。
陽気な墓地
ルーマニア北部の小村、サプンツァの墓地には、美しい木彫りの墓が数百個ならぶ。生涯の一場面を表す絵にそえて、「彼は酒と歌に楽しく生きた・・・」など、生活ぶりを謳った詩が彫られている。「太陽 ’81 7月号」
この写真のお墓の人は、羊飼いであったことが人生そのものなわけですね。
トン・シャルバル
モンゴル国西部では、なめした羊皮をズボンに加工して冬に着用する。カザフ族に特徴的な模様の刺繍がほどこされている
モンゴルの羊皮ズボンです。脚一本分が羊皮一頭分で合理的って話を聞いたんですけど、そうなんでしょうか。