古代ローマの羊料理

ひつじ話

古代ローマ人は羊のことをペクスと呼び、自分の財産を羊の群れの規模ではかり、それを通貨の代用にしていた。
のちにローマで「通貨」を指したことばはペクーニアであった。
アピキウスは仔羊と仔山羊のレシピだけを記している。
     仔羊または仔山羊のロースト
未処理の仔山羊または仔羊。肉に油と胡椒をこすりつける。
混じりけのない微粒子状の塩と大量のコリアンダーの種をふりかける。
オーブンに入れて焼いて供する。           (アピキウス 366)
あらかじめオーブンを摂氏240度に熱しておく。
仔羊を洗い、皮に切れ目を入れて、風味料が肉にしみいるようにする。
オリーブオイルをこすりつけてから、内側と外側に、挽いたコリアンダーの種と胡椒と塩を大量にふりかける。それから豚の大網膜で包む。
ロースト用の浅底鍋に脂を塗ってそのなかに仔羊を置くか、あるいは焼き串を仔羊に刺すかして、オーブンに入れて褐色に焼きあげる。
ときどきラードかオリーブオイルを塗りつける。
オーブンの温度を摂氏200度に下げて、重さ1キログラムにつき1時間の割合で焼きつづける。
肉からしたたりでる汁を定期的に塗りつける。
それが終わったらオーブンから取りだして、15分おいて落ちつかせる。
食堂で切り分ける。

古代ローマの料理ついて、歴史とレシピを概観することができる「古代ローマの食卓」より、羊料理のレシピを。
アピキウスはティベリウス帝の頃の美食家ですが、ここではその名にあやかった古代の料理書のこと。
古代ローマ人は、意外と、現代の我々にも納得のいくものを食べていたようです。

記事を読む   古代ローマの羊料理

デューラー 「テオクリトスの『牧歌』のための扉絵細密画」

ひつじ話

「『牧歌』のための扉絵細密画」 「『牧歌』のための扉絵細密画」(部分)
1495―96年、有名なヴェネツィアの出版社アルドゥス・マヌティウスのもとで刊行されたテオクリトスのギリシャ語版『牧歌』の第1ページを、デューラーは友人のヴィリバルト・ピルクハイマーとその夫人クレスツェンティアのために、グヮッシュと金のハイライトを用いる周縁細密画をもって飾った。
デューラーが描いたのは、書物の内容に相応しい牧歌的な羊飼いの生活である。

あけましておめでとうございます。今年も「ひつじnews」をよろしくお願い申し上げます。
さて、先日の「多くの動物のいる聖母子」に続いて、デューラーです。個人の蔵書のための装飾ですね。

記事を読む   デューラー 「テ ...

PAGE TOP