プライバシーを保護されたヒツジたち。

ひつじ事件

早朝、カーゴ部分に羊を乗せて走っている車を発見した地元警察。
家畜盗難ではと疑い追跡したところ、その車は道路脇に停めてあった車に激突。衝撃で男3人が車から飛び出しそのまま逃走。
警察が車に近付くと3匹の羊が。
無事に保護したものの警察のツイッターで「羊の年齢と繊細さを考慮し保護しています(冗談ですよ!)」と公開。
どうやら警察側はさほど凶悪で深刻な犯罪事件ではないために、ちょっとしたユーモアのセンスを披露したのです。
ヘリコプター&警察犬という空と陸両面からの追跡により、家畜盗難を謀った3人のルーマニア人は逮捕。
羊も怪我なく済んだようですが、顔をボカしたツイッターには「これでは誰の羊が盗まれたのかわからない」といったリツイートが相次ぎ、改めてFacebookで顔出し写真を公開。
ネット上では顔をボカした羊ということで「これぞプライバシープ!」とコメントする人も。

4月の羊さまから、イギリスはウエストミッドランド警察の愉快なツイートについて教えていただきました。ありがとうございます。
リツイートがどこまで本気だったのかが、とても気になります。

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カウナケスとその伝播。

ひつじ話

前3000年紀ともなると遺跡・遺物が激増するため、時代像はにわかに鮮明となってくる。
毛皮着をまとった赤土焼(テラコッタ)や石製の彫像が王の墳墓や城砦の遺構から多数出土し、古代シュメールの服飾事情も大筋は把握できるようになったのである。
そうした出土品の数々から、前3000年紀以降、シュメールでは毛足の長い毛皮着の愛用されていたことが解明された。
前3500年頃のウルの王墓をはじめ、前3000年─前2500年頃のシュメールの遺跡からは、うろこ状に束ねられたヤギやヒツジの毛皮着─すなわち「カウナケス」─をスカート状に巻きつけた人物像が続々と発掘された。
少し時代を下ると、規則的な房毛の配列をもった類似の形式の服地が「カウナケス」として総称されるようになった。
カウナケスは、初期にはヤギやヒツジの姿をそのまま真似たものが一般であったらしく、時代を下ったカウナケスでも動物の尻尾を象徴する棒状の結び目を背にあしらったものが多かった。
(略)
カウナケスはギリシア・ローマ世界を通じて紀元後のキリスト教圏にも持ち込まれたが、そのチュニック(短袖つきのT字型衣装)が中世キリスト教社会に入って聖ヨハネひいては羊飼いのシンボルとして受け継がれたのである。

時々お話しているメソポタミアのヒツジ風衣装カウナケスについて、「毛皮と皮革の文明史」に詳細な解説がありました。キリスト教文化とつながっていくものだったとは。

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おたる水族館の芝刈りヒツジ。

ひつじ春夏秋冬

契約期間社員 労働条件通知書
ヒツジ殿
契約期間  平成28年4月20日─たぶん10月半ば
従事すべき業務の内容  芝刈り機を使わずにすむように伸びた草を食べる
休憩時間  好きな時に好きなだけ
報酬  生えている草好きなだけ
その他  なるべく、柔らかい芽だけでなく固い茎の部分も食べてください。

K&T様から、小樽市はおたる水族館の芝生エリアで働く(?)、かわいい契約社員のニュースを教えていただきました。ありがとうございます。
彼女たち(メス二頭とのこと)がいる所には、上記のような労働条件を明記した看板が設置されているようです。「好きなだけ」って、良い響きですね。

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「イエズス会日本年報」より、本能寺の首級。

ひつじ話

明智は城内にゐては安全でないと考へ、宵の口に主城坂本に向って逃げた。
彼はほとんど単身で、世人の言ふところによれば少しく負傷してゐたが、坂本には到着せず、聖母の祝日にはどこか知れぬところに隠れてゐた。
翌日は首を斬る熱が甚しく、信長の殺された場所に最初に持参したのが千以上であった。
これは悉く同所に持参するやう命ぜられた故であって、信長を祀るためそこに並べた。
(略)
その後二日を経て、パードレ・オルガンチノと予と信長の殺された場所を通過した折、数人で三十以上の首級を携へて来たが、縄で下げて、恰も羊または犬の頭を運ぶやうにし、少しの悲しみの様子も示さなかった。

徳川家康の駿府御分物帳豊臣秀吉の大坂城と来たからには、織田信長関係でなにかヒツジ話はないかと、さらに「イエズス会日本年報」を繰っていましたら、とんでもない表現にぶつかってしまいました。
本能寺の変及び山崎合戦ののち、明智方の首級が本能寺に集められるさまを記した場面ですが、人の首がヒツジの頭にたとえられてます。日本人的には、それはそれで怖いんですが……。

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豊臣秀吉の緋羅紗コレクション(?)

ひつじ話

関白殿は一私人の如く案内をなし、自ら戸および窓を開き、我等を第八階まで導き、各階に納めた富を語り、汝等が見るこの室には金が満ち、この室には銀、かの室には生糸及び緞子、かの室には衣服、向ふの室には刀及び立派なる武器が一杯であると語った。
我等が通過した室の一つには新しい緋の外套Capasが十または十二絹の紐で吊してあったが、日本においては甚だ珍しいものであった。

ルイス・フロイスによるイエズス会の活動報告書を読んでおりましたら、大坂城で豊臣秀吉に拝謁したときの記録に、楽しげな場面がありました。
おそらく、以前ご紹介した木瓜桐文緋羅紗陣羽織のようなものが何枚も飾られていたのではないかと。華やかそうです。

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「ホビット ゆきてかえりし物語」

ひつじ話

「村のやつらが、てめえとバートに食われてえようって、いつまでもぐずぐずしてると思ってんのけえ。山を下りてきてから、てめえらで村を一つ半もたいらげちまったじゃねえか。ゼータクゆうんじゃねえ! 山にいたときにゃ、しけてやがったからよう、こんなにけっこうけだらけなヒツジがあったら涙ながして、“あんがとよ、ビル”なんて言ったところだぜ」。
こう言うと、ウィリアムは、いま炙っているヒツジの足から大きな肉のかたまりを食いちぎり、袖で口をぬぐいました。
そう、たとえ頭が一人に一つっきりしかなくっても、トロルという連中はこのように大食いなのです。
すっかり立ち聞きしてしまったビルボは、なにか行動を起こすべきでした。
そうっと引き返して、すぐそこに、険悪な気分になったかなり大ぶりのトロルが三人もいて、ヒツジに飽きあきなので、炙りドワーフか、炙り子馬の肉なら、待ってましたとばかりに飛びつくだろうと仲間たちに知らせるか、さもなくば、押入のとっておきの早業をさっそくにひろうすべきところでした。

J.R.R.トールキン、山本史郎訳の「ホビット」から、主人公ビルボのはじめての冒険、第2章「ヒツジのあぶり肉」の場面を。

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ヘリック 「われ富めり」

ひつじ話

われ富めり
夜のしざりゆくを告げる柱時計はなくても、
わが家の雄鶏は朝が近づけばときをつくる。
婢女のプルーデンスは幸ひよくできたをんなで、
わたしの持つともなく持つてゐる僅かな財物をつましく使ふ。
日毎に白い面長な卵を生むめん鶏は
くッくッと鳴いておのれの手柄を知らせる。
油断なく聞き耳を立てる鵞鳥は
なにか身に危険が迫れば舌を振り立てて訴へる。
食事のたべかすで飼ひ馴らした子羊は
この仔一匹を残して母親に死なれた哀れなやつ。
縦横にわが家を走り廻る猫は
鼠のこそ泥どもを平らげつつぶくぶく太る。
この他にまだトレーシーがゐる。田園に隠れたわたしの日常を
いやが上にも楽しくするのがこの毛むくぢやらの可愛い犬だ。
これら数へ上げたものは皆わたしの心をなごませる玩具と言へよう。
といふのも心労のない所では一寸した物事でも結構楽しいのだから。

森亮の訳詩による、17世紀イギリスのロバート・ヘリック『ヘリック詩鈔』より、「われ富めり」を。

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MERY TVCM 「カフェ」篇

ひつじ画像・映像

なりたいオシャレがみつかるアプリ  MERY

K&T様から、女の子向けの無料ファッション情報アプリ「MERY」のTVCM(のバック)を見るべく、タレコミをいただきました。
バック……? あ! なんと、ローラ&渡辺直美のお二人が談笑しているのは、「HITSUJI COFFEE」なるお店のようです。黒羊の絵は、「MERY」のロゴマークとのこと。
ああ、良いですねぇ。こんなお店で、こんな女子トークをしてみたい。

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