赤ん坊の頭蓋骨の空間を埋めているウォーム骨は、オラウス・ウォルミウスとしても知られているオーレ・ウォームの名前から名付けられた。
しかし17世紀、彼はむしろコペンハーゲンにあるコレクションの展示室ウォーミアヌムで有名だった。
そこを訪れる人々はそれを「驚異の部屋」と呼んでいた。
ここでいちばん印象的な収蔵品は、「タタールの子羊野菜」であろう。
半ば動物で半ば植物、果実として羊が実っていた。
先史時代の巨人族の頭蓋骨や新世界から持ってきたコーヒー豆も展示されていた。
ページを繰っても繰っても悪寒が走るエピソードが山盛りの「「最悪」の医療の歴史」を読んでいたところ、ふいにほっとするような小話がはさみこまれていたので、嬉しくなってしまいました。
植物羊とコーヒー豆が同じ枠の中で語られる時代と場所があったということそのものが、驚異的でワクワクします。
植物羊のお話はよくしております。こちらでぜひ。