故宮博物院の玉瑞獣

ひつじ話

玉瑞獣
玉瑞獣(ぎょくずいじゅう) 〔宋〕
(右) 長5.5、 (中) 長7.2、 (左) 長4.8? 台北
褐色の混じる白玉と青玉。足を曲げてうずくまった三体の瑞獣を丸彫りで別々につくったもので、二体は大きな角をもった牡羊、もう一体は角のない牝羊のようである。
清代に岩状の台座をつくったときに、この三点をセットにしたが、玉質は少しちがっている。
「羊」は「祥」に通じ、「三」は天地人の道が備わる聖数と考えられたため、「三羊」は漢代以来、めでたい言葉として大いに好まれた。

台北の故宮博物院にある羊の玉器です。

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千一夜物語 「羊の脚の物語」

ひつじ話

 いよいよ二人とも茣蓙の上に出すべきものを載せ終ると、二人は自分たちが全く同じ食糧を持っているのに気がつきました。胡麻入りのパン菓子と、なつめやしと、羊の脚の半分です。そしてやがて、その羊の脚の両方の半分がぴったりと隙間なく合うのを確かめた時には、二人は驚きの限り驚きました。そして一緒に叫びました、「アッラーフ・アクバル!〔アッラーは偉大なり!〕 この羊の脚は、死んでも焼かれても味をつけられても、その両方の半分どうしがやがて出会うように、記されていたのだな。」 次に掏摸は泥棒に訊ねました、「お前さんの上のアッラーにかけて、おお、仲間よ、この羊の脚の肉片はどこから持ってきなすったのか、伺えますかね。」
(略)
そしてやがて、問を重ねてゆくと、この二人の盗賊は、そもそも結婚の日から、そうとは知らず、同じ寝床と同じ燃え木をともにしている仲間だという確信を得るに到りました。

「千一夜物語」の一篇、「羊の脚の物語」です。ひとりの女を巡って腕比べをすることになった掏摸と泥棒のお話。上は、物語の始まりの、同じ女に自分たちが騙されていたことに二人が気づく場面です。・・・羊の脚で。

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ギャラリー&カフェ 「ひつじ家」

ひつじグッズ

室内風景
築60年の日本家屋を利用したギャラリー&カフェ。”ひつじ家”の名の通り羊毛を素材にした”こねぐるみ”というオリジナルDoll達に会いに来てみてください。その他、心和む、作家モノも展示・販売しています。

ひつじグッズを買いに岐阜に行ってきました。岐阜駅から徒歩十分ほどの場所にある、「ひつじ家」さんです。ちょうど、明日から半月ばかりかかる工事に入るところだったそうで、あぶないところでした。写真は、展示販売中のオリジナル羊毛グッズたち。並んでこちらを見上げてます。
「ひつじ家」様、慌ただしいなかをお手間をとらせて申し訳ありませんでした。ありがとうございました。
下のひつじは、たくさん並んだこねぐるみたちの中からドナドナしてきました。中に鈴が入っていて、かろかろと鳴りながらころころ転がります。猫に見せると危険かもしれません。

まりひつじ

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坂木司 「仔羊の巣」

ひつじ話

「仔羊の巣」文庫版表紙
 本書の題名は『仔羊の巣』。前作は、『青空の卵』。
 物語の世界は、『卵』から『巣』へと広がりを見せています。ひきこもり探偵の鳥井君が、少しずつ外の世界へ歩き出そうとしています。(解説より)

名探偵はひきこもり、彼と共依存関係にある親友がワトソン役という、異色ミステリ三部作の2作目です。いや、しかし、このきつい性格の名探偵を仔羊呼ばわりするのはちょっと抵抗が・・・。

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新羅羊脂

ひつじ話

 天平勝宝八(756)年六月二一日、聖武の四十九日(七七忌)にあたって、妻の光明皇太后は東大寺盧舎那大仏に聖武遺愛の品々を献納しました。「東大寺献物帳」のひとつ、いわゆる「国家珍宝帳」に記載されたおよそ六百数十点の宝物です。
(略)
また、これらの宝物が奉納されたのと同じ日に六〇種の薬物も奉献されたました。その目録が一般に「種々薬帳」と呼ばれるものです。
(略)
 帳内薬物のうち動物性生薬は次の一〇種です。
(略)
 新羅羊脂(シラギヨウシ)
 残存していません。薬物名から新羅産の羊の脂と思われますが、中国の本草書には記載されていません。唐の医学書『千金方』によると、産前産後の滋養剤として繁用されました。

「羊木臈纈屏風」や「樹下鳳凰双羊文綾」をご紹介したことのある正倉院宝物ですが、こちらは同じく宝物ながら、羊の脂です。といっても、今となってはその正体さえさだかでないようですが。・・・途中で使っちゃったのかもしれません。薬ですし。

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南方熊楠 「十二支考」

ひつじ話

『旧唐書』に払林(正しくは林に草冠。引用者注)国に羊羔(ひつじのこ)ありて土中に生ず、その国人その萌芽を伺い垣を環らして外獣に食われぬ防ぎとす。
しかるにその臍地に連なりこれを割けば死す、ただ人馬を走らせこれをおどろかせば羔(こひつじ)驚き鳴きて臍地と絶ちて水草を追い、一、二百疋の群れを成すと出づ。
これは支那で羔子(カオツェ)と俗称し、韃靼(だったん)の植物羔(ヴェジテーブル・ラム)とて昔欧州で珍重された奇薬で、地中に羊児自然と生じおり、狼好んでこれを食うに傷つけば血を出すなど言った。
(略)
十八世紀の仏国植物学大家ジュシューいわく、いわゆる植物羔(ヴェジテーブル・ラム)とは羊歯の一種でリンナースが学名をポジウム・バロメツと附けた。その幹一尺ほど長く横たわるを四、五の根あって地上へ支え揚ぐる。その全面長く金色な綿毛を被った形、とんとシジアの羔に異ならぬ。それに附会して種々の奇譚が作られたのだと(『自然科学字彙』四巻八五頁)。
予昔欧州へ韃靼から渡した植物羔を見しに、巧く人工を加えていかにも羊児ごとく仕上げあった。孔子が見たてふ墳羊談もかようの物に基づいただろう。

南方熊楠による、バロメッツ、または植物羊についての一節です。熊楠は、これらの伝説を「真にお臍で茶を沸かす底の法螺談」といい、その正体を羊歯であるとしています。孔子の墳羊の話がこれに結びつけられているのも、興味深いところです。
この植物羊のお話は、澁澤龍彦「幻想博物誌」「和漢三才図会」マンデヴィル「東方旅行記」ボルヘス「幻獣辞典」タカワラビの根茎レオ・レオーニ「平行植物」「幻想図像集 怪物篇」などで、ずいぶん繰り返してしまっているのですが、いまだに不思議が尽きません。

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幸田露伴 「羊のはなし」

ひつじ話

 もつともひつじは夙くから用ゐられた語で、千載集の十八に出てゐる「今日もまた午の貝こそ吹きつなれひつじのあゆみ近づきぬらし」といふ赤染衛門の歌は誰しも知つてゐる名高い感愴の一章で、摩耶經の、譬へば栴陀羅(せんだら)の羊を驅つて屠所に就かしむるが如し、歩ゝに死地に近づく、人命は復此に過ぐ、といふ本文を踏まへて、午の刻の貝を吹くのを山寺で聞いて、羊の歩近づきぬらしと、光陰の矢の如く速く、人生の流るゝが如くなるを感じたあまり、午より先へ一ト足踏み出して歌つたところに味のある吟である。

「羊の歩み」について、幸田露伴の随筆「羊のはなし」から、さらにもう少し。

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ジャン=フェルディナン・シェノー 「バルビゾンの羊飼い」

ひつじ話

シェノー 「バルビゾンの羊飼い」

「夕暮れ」「川のそばの羊飼い」をご紹介したことのある、ジャン=フェルディナン・シェノーをさらにもうひとつ。「バルビゾンの羊飼い」です。

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「本朝食鑑」

ひつじ話

近世中華より来たが、まだ蕃息(はんしょく)していない。その状は、頭・身相等しく、毛は短い。惟一両(ひとつがい)だけが公家で牧われ、これが数十頭になっている。それ故、人もこれを食べることは希である。
儘これを食べた者の謂うに、「肉は軟らかく味は美い。能く虚を補う」というが、予は食べていないので、その主治については詳らかでない。
牧家が戯れに紙を与えれば、羊は喜んで紙を食べる。然ども、これは常の食物ではなくて、たわむれに食べるだけなのである。

「本朝食鑑」は、江戸元禄期における食品学の集大成です。獣畜部には羊の項目もあるのですが、食べ物としての羊の話であるにもかかわらず、やっぱり紙を食べるとの記述が。江戸の羊って・・・。

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羊の群れはみな亡命者

ひつじ話

 左慈は仙人だから、術をつかって羊に変身したが、人間がじっさいに羊の皮をかぶり、住みたくない土地、あるいは住めない土地から脱出するのは現代の話である。ホメイニ師のイラン革命のあと、亡命希望者はそんな恰好をして、羊群にまぎれ、草原を匍って国境をこえたという。
 (略)
 イランでこれについての小咄をきいたことがある。
 羊群を国境まで連れ出した牧人が、「もう大丈夫だぞ」と呼ばわると、亡命者はほっとして両脚で立ちあがった。ところが、いっしょに歩いてきた数百の羊が、みな一斉におなじように立ちあがったので仰天したという話である。

日産CUBECMの立って逃げる羊を見ているうちに、ふと左慈仙人のことを思い出し、左慈について書かれていたはずだと陳舜臣「西域日誌」を読んでいたら、たいへんな一節に出会ってしまいました。なんというか・・・物理的に可能なんでしょうか。

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「アレッサンドロ・ファルネーゼ公爵の胸像」

ひつじ話

「アレッサンドロ・ファルネーゼ公爵の胸像」 「アレッサンドロ・ファルネーゼ公爵の胸像」(部分)
アレッサンドロは、16世紀の武人の中で最も偉大な人物のひとりとされている。彼は、1571年にはレパントの海戦で従兄弟にあたるオーストリアのドン・ファンとともに勇猛果敢に戦い、1578年にはフェリペ2世よりフランドル総督に任命された。当時のフランドルは、カトリックとプロテスタントの宗教対立の渦中にあり、流血の惨事が絶えない紛争地域であった。
長期にわたる包囲ののち1585年にアントウェルペンを見事に攻略したことにより、アレッサンドロは、フェリペ2世より名誉ある金羊毛騎士団の勲章を授けられた。アレッサンドロは、この作品を含めて、この年以降の全ての公的肖像画の中でこの勲章を身に着けている。

金羊毛勲章を身につけたパルマ公アレッサンドロの胸像です。パルマ県庁所蔵。

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日産CUBE CM「羊と狼」篇

ひつじ画像・映像

日産 Cube CM 羊と狼1
日産 Cube CM 羊と狼2

というわけで例のCMです。
テレビの放映も始まっているようですがまだ未見です。が、日産のサイトで公開されておりますのでこちらで是非。
たぶん衝撃を受けます。色々と。
※2009/03/27追記
日産のサイトでは公開が終了しているようですのでこちらで

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森徹山「仏涅槃図」

ひつじ話

森徹山「仏涅槃図」 「仏涅槃図」(部分)
釈迦が娑羅双樹の下で涅槃に入る時、頭を北に向け、西に面し、右脇を下にして横になって寝る姿を描く仏涅槃図。まわりには、弟子たちをはじめ菩薩や動物たちがのたうちまわるほど、釈迦の死を悲しむ様子があらわされている。

芳幾の「新板毛物づくし」をご紹介したときに、江戸の庶民は釈迦涅槃図で外国産の動物を知った、というお話にも触れたのですが、具体的には上のようなものだったかと思われます。

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のだめオーケストラの指揮を取ったのはヒツジ

ひつじ春夏秋冬

道路の真ん中に横たわっている小鹿を抱きかかえ、後部座席に載せてあげたら、足組みして「ニヤリ」…というのが、ご存知日産cubeのコマーシャル。このときのCMソングが、未曾有の大ヒットとなった絢香×コブクロの「WINDING ROAD」だったのは皆さんご存知の通り。
そしてこのたび、<cube Loves Music>と命名された新レーベルから、「WINDING ROAD」に続く第二弾コラボレーションとして発表されたのが、ナナムジカ×のだめオーケストラ。
6月6日からオンエアーが始まるという日産cubeの新しいCMは、またも動物とcubeがからむ前回同様に好感度抜群な内容になっている。ちなみに今回登場するのは、羊と狼だ。その後ろで流れる音楽が、このCMのために書き下ろされた、ナナムジカ×のだめオーケストラによる「Sora」というコラボ楽曲。
(略)
都内某所、ナナムジカ×のだめオーケストラは初のお披露目ミニライブを行なったが、なんとそのときに、のだめオーケストラの指揮を取ったのは、千秋先輩でもなく、もちろんシュトレーゼマンでもなく、第二弾CMに登場する“羊”!
シュトレーゼマンだったらよかったのに…羊
当然、きちんと指揮のとれるプロがかぶりものを被っているのだと思って観ていたが、タクトを振っているとき音楽に合わせ、その耳がピコピコと動いていた。音楽への感情・表現の気持ちが耳や尻尾などに伝わってしまうのは、おそらく動物の元来持っている本能的な動き…。これはかぶりものじゃなくて、タクトの振れる本物の羊だったのではないだろうか。

カーター卿さんから、羊の出てくるCMが始まるらしいとの情報をいただきました。ありがとうございます。
6月6日・・・って、もう明日からですか。楽しみです。

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夢の途中のカフェ「Honey Sheep」

地名・団体

「Honey Sheep」看板
夢と現実の隙間の世界に行ってみませんか?
羊様に仕える夢案内人・ハニー達が夢人様のご来店をお待ちしております。
12:00?21:00 (L・O) 20:30
定休日 水曜日

初めて秋葉原に、しかも噂に聞くメイド喫茶というものに行ってきました。
だって、「ひつじカフェ」ですよ、「ひつじカフェ」。メイドさんは、人に夢を見せる羊に仕える夢先案内人、という設定なのだとか。黒いクラシカルなメイド服や落ち着いた話し方、内装はシックですし、メイド喫茶初心者に優しいお店だと思いました。
で、つい調子にのって、コースターにサインをねだってまいりました。「Honey Sheep」の皆様、その節は失礼いたしました&ありがとうございました。またきっと伺います。つぎはオムライスを食べたいです。

コースター コースターにいただいたサイン

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