シャガール 「ダフニスとクロエー」

ひつじ話

シャガール 「クロエーを見つけるドリュアース」
このニンフの祠に、仔を産んだばかりの牝羊が一頭、しげしげと通ってきていたが、いつもはたぶん群からはぐれたのであろうくらいに思われていた。そこでドリュアースは、懲らしめてもとどおり規律を守るようにしつけなおしてやろうと考え、青木の枝をわなのようにたわめたのを持って、羊を捕えようと岩に近寄った。
ところがその場に近づいて見たものは思いもかけぬ光景で、羊がまるで人間のように、あふれるほどに乳を吹きだす乳首を赤子にあてがい、赤子は泣きもせず、むさぼるように両の乳首にかわるがわる口をあてている―その口もとは、飲みあきた後、必ず羊が下で顔全体をなめてぬぐってくれるので、汚れもなくつやつやとしている。

古代ギリシアの恋愛物語「ダフニスとクロエー」については、ミレーの絵画やラヴェルのバレエ音楽などがよく知られていますが、こちらはシャガールのリトグラフです。上の絵は、捨てられて羊に養われていたヒロインのクロエーが、養父となる羊飼いに拾われるシーン。物語の始まりです。

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別役実 「メリーさんの羊」

ひつじ話

男1   知ってるんだよ、私は、その…… メリーさんのことは……。君だって知ってるよ、ほら……歌があったじゃないか……。
男2   歌が……?
男1   あれだよ……。(ほとんどつぶやくように歌う)メリーさんの、ひつじ、ひつじ、ひつじ…… メリーさんの、ひつじ……(ちょっと考えてみて、前のメロディーをくり返す)ひつじ、ひつじ…… メリーさんの……。(歌いやめて)このあと、どうなるか知ってるかい……?
男2   いえ、知りません……。
男1   (もう一度歌って)メリーさんの、ひつじ……。そうか……。私も知らないんだ、あと、どうなるのかね……。

別役実の戯曲「メリーさんの羊」の一場面です。ひつじそのものは出てこないんですが・・・この会話が・・・。

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江戸期のウール産業

ひつじ話

ウール製品は持ち込まれる数量も限られ、きわめて高価であった。 (略) だが、海の彼方からもたらされるウール製品へのあこがれは時とともに高まっていき、江戸時代には富裕な商人たちもウールの豪華な羽織や敷物を買うようになった。こうして十八世紀になって服地・敷物の輸入が急増したため、江戸幕府は羊毛製品の国産化を考えだした。
毛織物の国産第一号「国倫織」の試職に成功したのは平賀源内だ。源内は讃岐の国(香川県)志度に長崎から四頭の緬羊を取り寄せ、その毛をもとに一七七一年(明和八)日本人の手で初めて毛織物を織りだすことに成功したのである。
その翌年、田沼意次が老中に就任した。 (略) 彼が打ち出した政策の一環に緬羊の飼育が含まれていた。田沼意次の失脚後も幕府は巣鴨の薬園で緬羊飼育事業を継続した。 (略) 一八〇〇年(寛政一二)には長崎奉行を通じてオランダに製絨所設立の援助を求めたが、毛織物輸出の減少をおそれる東インド会社は役にも立たない技術文献を差し出したのみで、体よくこれを無視したのである。
そこで幕府は中国からの技術導入に方針を転換した。一八〇四年(文化一)二名の毛氈製造技術者と羊が中国から到着、長崎・浦上村で羊を飼育、八幡町の水神社内に設けた仮工場で毛氈製造を開始したが、この計画はわずか半年で終わりを告げてしまった。
このあと幕府の緬羊飼育の中心は巣鴨の薬園に移り、最大三五〇頭規模にまで拡大、民間でも緬羊飼育を奨励した。だが、一八二四年(文政七)の火災で巣鴨薬園の畜舎と二〇〇頭の緬羊を失ったため、牧羊奨励意欲がなくなったようだ。一八三四年(天保五)には勘定奉行の名で「緬羊がほしければ百姓でも下げ渡すので、巣鴨緬羊小屋に来られたし」との達しが出されている。
一八五四年(安政一)には巣鴨の羊を北海道に移して、函館奉行に四〇頭の飼育を命じたほか、頭数は不明だが残りの羊を奥尻島に放したという。
緬羊飼育を試みたのは幕府だけではない。熱心だったのは薩摩藩で、江戸時代のはじめに朝鮮の鬱陵島(現在、大韓民国慶尚北道鬱陵郡)から食肉用の羊を導入、以後継続的に牧羊を行った。また下野黒羽藩は文政年間(一八一八?三〇)、長州藩は安政年間(一八五四?六〇)に緬羊飼育に取り組んだという記録もある。

昨日お話した江戸の見世物に関して、平賀源内が羊を飼ったエピソードが出て来ましたが、どうもこの時代は、日本で羊を飼うためにたいへんな試行錯誤が行われた時期でもあるようです。

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江戸の見世物としての羊

ひつじ話

珍相撲
寛政度に両国や芝神明社地で、羊と女の角力が興業された。『寛政珍話』当時見立二幅対の条に、珍らしきものは、蝙蝠の軽業と羊の角力とあるもので、蝙蝠の軽業は、寛政元年葺屋町で興業したのである。従順であるが兎に角獣と女との角力という所が人気を呼んで、夥しい評判であつたから、(略)芝居狂言の一場面ともなつたのである。
珍禽獣
安永五年に大阪で雷獣、江戸でラシヤメンの見世物があつた。(略)
ラシヤメンと号けて両国や浅草で見せたのは、羊を絵の具で塗散らして、人目を集めたイカ物であつた。この見世物を見た風来山人平賀源内は、其著『放屁論』の後編に、我は羊を見るにつけ、日本でも羅紗やゴロフクレン等の毛織物を織らせ、舶来品を待たず世人に供給し、国家の利益を計らうと、日夜心を砕いてゐるのに、情なや人は手短に銭儲けせんがため、如何に物言わぬ獣類だとて、絵の具を塗散らした上異様の名を付け、見世物に引摺り廻はすとは、羊の手前も気の毒であると、万丈の気焔を上げた所に、発明家平賀源内の面目が躍如としてゐる。

江戸期最大の娯楽であった「見世物」は、曲芸や細工などのほか、珍しい生き物もその重要な一ジャンルでした。見世物に使われる程度には、いたんですね、羊。

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ひつじグッズよりどり

ひつじグッズ

クルクル巻き毛がかわいいクークゥ。
抱き心地も気持ち良くて癒されます♪

ひつじのぬいぐるみ★クークゥ 脚の先が白いですが……サフォーク?

ひつじのぬいぐるみ★クークゥ


シンプルだけど、とっても愛嬌のある動物のマグカップ。
こちらはのんびりヒツジさんです★

CASSINA マグ ヒツジ どこかで見たようなとぼけた羊さんマグ。

CASSINA マグ ヒツジ


カバーサイズ 横:約40cm 縦:約25cm

アニマル湯たんぽ ひつじ ペット用品らしいのですが、妙な脱力感がこう。

アニマル湯たんぽ ひつじ

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澁澤龍彦「幻想博物誌」のスキタイの羊

ひつじ話

「このテーマについては」とボルヘスはさらに言う、「抜き取ると人間のような叫び声を発するマンドラゴラや、傷つけられた幹から血と言葉とを同時に出す、ダンテの『地獄篇』第七圏における悲惨な≪自殺者たちの森≫をも思い出しておこう」と。
ボルヘスは書いていないが、私はさらに、この系列に属する植物の怪異として、中世のペルシア詩人の作品によってヨーロッパに伝えられた、支那海の果てにあるというワクワク島の伝説をも付け加えなければならないと思う。
ワクワク島では、イチジクに似た植物の果実から、羊ではなくて、人間の若い娘が生じるのである。果実が熟すると、娘は完全な肉体を揃えて、髪の毛で枝からぶら下がり、やがて熟し切ると、「ワクワク」という悲しげな叫び声をあげながら、枝から落ちて死んでしまう。

バロメッツ、植物羊、またはスキタイの羊と呼ばれる幻想動物については、マンデヴィル「東方旅行記」ボルヘス「幻獣辞典」和漢三才図会などにからんで何度かお話してますが、こちらは澁澤龍彦のエッセイです。マンデヴィルやボルヘスのほか、オデリコの『東方紀行』、ヴァンサンの『自然の鏡』、南方熊楠の『十二支考』等々を渉猟し、最後にボルヘスによる「植物界と動物界とが結びついている」という一文について、考察がなされています。

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寒さなんて平気 ママさん羊疾走 士別の農場に“散策路”

ひつじを見にいく

 ヒツジたちの運動不足を解消しようと、市内の農業法人「かわにしの丘しずお農場」が、同農場内の雪原に“散策路”を造成。ヒツジたちが毎日、元気に走り回っている。
 同農場はサフォーク種七十五頭を飼育し、今が出産の最盛期。そのため「出産を控えた雌には特に運動と日光浴が必要」と、農場の職員らがこのほど、農場内の雪をはね、幅二メートルで一周約二キロと三百メートルの二コースを造成した。
 十六日朝は風が強く雪が降りしきる悪天候だったが、羊舎から出たヒツジたちは大喜び。職員が「行け」と声を掛けると、ヒツジたちは寒さをものともせずコースを力いっぱい駆けていた。
 春までほぼ毎日一、二時間運動させるといい、飼育責任者の深田正広さん(47)は「たくさん運動して、元気な子羊を産んでほしい」と話している。

こんな感じなんでしょうか?

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「平林美紀 カフェ展」 in 「三月の羊」

ひつじ春夏秋冬

「sheep island」
昨年『sheep island 』を出版された平林さんの写真展。羊好きならずとも思わず目を細めてしまうショットがずらり。
2/17(土)-3/18(日)
11時-19時(日曜・祝日は18時まで) 火曜・水曜 定休
JR中央線西荻窪駅北口より徒歩3分

平林美紀の写真展が、「三月の羊」で開かれているようです。羊の二乗です。

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牧舎、命愛らし 小岩井農場で羊誕生

ひつじ春夏秋冬

かわいらしい表情で母羊に甘える子羊
 雫石町の小岩井農場まきば園(工藤敏英支配人)で今月から羊の出産が始まった。誕生したばかりのかわいい子羊たちが、母羊のもとで愛くるしい表情を見せている。
 同農場は2月から3月にかけてが羊の出産シーズン。13日までに14頭が生まれたという。体長50センチ、体重4キロほどの子羊たちはしっかりと立ち、母羊のおっぱいを一生懸命飲んでいる。
 生まれてくる羊のおよそ6割が双子といい、3月末までに、100頭の雌羊から約150頭の子羊が生まれる予定だ。
 羊の牧舎がある同園羊館の山本志郎さん(31)は「羊はすぐに大きくなるので、かわいい姿を見られるのは生まれて間もない今だけ」と来館を呼び掛ける。
 同園は4月20日まで入園無料で、自由に羊の見学が可能。同館の開館時間は午前9時から午後4時まで。

「子羊誕生!!」「子羊誕生、その後」といった記事が小岩井農場のHPにあります。子羊の写真が載っていますのでこちらもひとつ。

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ひつじグッズよりどり

ひつじグッズ

色んな物に使用OK!ひつじケース 
コットン入れとして洗面台に置けば、ひつじのかわいらしさで毎日のお手入れがもっと楽しくなります。 
●サイズ/13.5x9x10

DOLICA ひつじケース イスラエル生まれのひつじケース、らしいです。

DOLICA ひつじケース


モコモコひつじがお部屋にカワイイ 
約50×75cm 
約60×90cm

ひつじマット ひつじ柄マットならぬ、ひつじ型マット。

ひつじマット


ゆらゆら揺れるようにスプリングまでついているから癒し効果◎! 
かわいい羊をぼんやり眺めていると、それだけでリラックスできそう♪

羊の消灯コード 蛍光揺れひつじ?

羊の消灯コード

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メリー

地名・団体

メリー 「月刊メリPATi」

「メリー」というバンドについて、メールをいただきました。・・・すみません、いただいたの、先月です。遅れて申し訳ありません&ありがとうございました。邦楽誌を、ええと、たぶん20年ぶりくらいに買いました。今、「コールing」を聴いているところです。懐かしいような、くすぐったい気分です。
というわけで、2001年に結成された、ガラ(Vo)、結生(G)、健一(G)、テツ(B)、ネロ(Dr)の5人のバンド、「メリー」です。
公式サイトはこちらに。 あと、ウィキペディアの解説も。
いただいた情報によると、バンド名に由来してか、ライブ会場などでオリジナルひつじグッズが売られるとのこと。
年末に行われたライブの名前も「白い羊」と「黒い羊」。サイト上のツアー告知は一面の羊。
上の雑誌記事にも羊。ロゴマークや作品もひつじ濃度が高いとのことですし、・・・・ひつじバンド!?

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ひつじグッズよりどり

ひつじグッズ

ふわふわ素材のヒツジさんがとっても愛らしいマット。 
たて45・よこ70cm

インテリアマット ひつじ 以前紹介したマットと同じメーカーさんみたいです。ひつじマットシリーズ?

インテリアマット ひつじ


フカフカでかわいいアニマル達♪ 
サイズ:11.5×17×17cm

ハッピーアニマルクッション ヒツジ 四角いのか丸いのか微妙なカンジ。

ふかふかハッピーアニマルクッション ヒツジ


あけてビックリ!?こんなところに引き出しが!!! 
ひつじの形をした木の温もりのある小物入れです。

木製小物入れ ひつじ 顔の引き出しが開いたり色々大変そうです。

あけてビックリ!?木製小物入れ ひつじ

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ジンギスカン食べ 元気に雪像見てネ 着ぐるみの羊、新聞配布

ひつじ春夏秋冬

会場を訪れた子供たちにジンギスカン新聞を手渡す羊の着ぐるみ
 北海道の郷土料理・ジンギスカンを広くPRしようと、食肉業者や飲食店などでつくる「ジンギスカン食普及拡大促進協議会」(事務局・札幌)が九日、さっぽろ雪まつりの大通公園西一丁目会場で、フリーペーパー「ジンギスカン新聞」を配った。
 同新聞は二年前に創刊され今回が五号目。タブロイド判のカラー四ページにジンギスカンの歴史などや、市内各店の「こだわり」も紹介されている。
 この日は協議会の役員ら約十人が雪まつり見物客に約二万枚を配布。羊の着ぐるみも登場し、観光客の注目を集めていた。

着ぐるみのヒツジ、耳にタグついているのはこだわり仕様なんでしょうか。

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「地獄の悪魔 アスモデウス」

ひつじグッズ

「地獄の悪魔 アスモデウス」挿絵
クリスチーナとアスモデウスは、歩きだしました。教会と学校とひつじたちの前を、とおりすぎました。ひつじたちはねむりにつこうと、みんなで数をかぞえているところでした。

ウルフ・スタルクの児童文学です。主人公のアスモデウスは、おとなしくて優しい、悪魔失格の悪魔の息子。地獄の支配者であるパパをがっかりさせたくなくて、人の魂を手に入れようと地上に出て行くのですが・・・。
主人公の名前は、以前ご紹介した魔王アスモデからとられたものかと思われます。こちらの本では豚鼻のかわいい少年ですが。

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サヴィニャック 「TRECA」のグッズたち

ひつじグッズ

フレンチキーホルダー
フランスで1950?70年頃に作られた、企業の広告用のキーホルダーです。

ビュバー
ビュバーとはまだボールペンが発名されておらず万年筆が使われていた1950?60年代にフランスで使われていた「インク吸い取り紙」です。
当時、企業やメーカーが広告として商店などで配ったもので、フレンチキーホルダーと同じくデザイン性が高いものが多いです。

 ミュー 内 ビュバー 

灰皿
フランスのカフェで1950?1970年代に使われていたカラフェや灰皿たちです。当時、宣伝用にドリンクのメーカーなどがカフェやビストロに提供していたものです。つまり非売品だったいわゆるパブpublicite(広告)アイテムです。

先日ご紹介したサヴィニャックのTRECAひつじは、宣伝用グッズとして、いろんなものになっています。そこで、フレンチキーホルダーなどを専門に扱うアンティークショップのサイトを探してみました。深そうな世界です。

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