玉(ぎょく)。 ―中国人が愛した宝石は、キラキラ光るものではなく、潤いのある、おちついた、あたたか味のある玉であった。古来、それは奇しき霊力があるとされた。
―清明の玉気は能く神と通ず。
といわれ、玉は人間と霊界とを媒介するものとされていたのである。
(中略)
清末の蕭雄(しょうゆう)という人に、玉の詩がある。彼はヤクブ・ベクの乱に赴いた左宗棠(さそうとう)に従って新彊へ行き、一八六三年から一八七八年までシルクロードに滞在し、「西彊雑述詩」をあらわした。玉の詩はそのなかの一首である。
玉は羊脂に擬して温且つ腴
昆岡の気脈 本来殊なり
六城の人は擁す双河の畔
水に入るは径寸珠を求むるに非ず
玉は羊脂にたとえられている。白く、そしてなめらかで艶がある。げんに玉の高級なものには「脂玉」という名がつけられている。「腴」とは肥えていることにほかならない。
鉱物や宝石の情報サイト「鉱物たちの庭」様に、この白い玉についての詳細がありました。