ザ・ウールマーク・カンパニーの「クールウール」キャンペーン

ひつじ春夏秋冬

Mary & Wool様から、ウールマークカンパニーの広告キャンペーンに、クールな羊たちがいるとのこと、タレコミいただきました。ありがとうございます。

クールウール

クールです!
日本語の記事も、こちらに。

「クールウール」グローバル消費者キャンペーン、中東でキック・オフ
ザ・ウールマーク・カンパニーは「クールウール」グローバル消費者キャンペーンの手始めとして、サウジアラビア・アラブ首長国連邦(UAE)・クェイトを中心とするアラブ圏で広告キャンペーンを開始、世界最大のショッピング・センター「ドバイ・モール」のスタンドでキック・オフした。
「クールウール」は1980年代に一世を風靡した春夏向け軽量ウールだが、ザ・ウールマーク・カンパニーは2013年から中東や日本など主要市場で新しい品質スペック(オーストラリア・メリノ・ウール使いのウールマークあるいはウールマークブレンド商品で、?目付け190グラム以下)に基づく「クールウール」を消費者に訴求することで再活性化を図る。

こちらの記事の中に、「2012年ベストドレッサー賞にクールウール賞」とありまして、なんだろうと記事をさかのぼってみましたら、これもこれでとてもツボに入ってしまったので、あわせて下に。

2012年ベストドレッサー「クールウール賞」は市川猿之助氏と決定
ザ・ウールマーク・カンパニーの協賛によりベストドレッサーの中から「最もクールなウールが似合う人」を選ぶ第1回「クールウール賞」は市川猿之助氏と決定、井上俊哉ザ・ウールマーク・カンパニー日本支社長からクールウール賞が贈られた。
ザ・ウールマーク・カンパニーは2013年春からオーストラリア・メリノ・ウールの特長を最大限に発揮できる「クールウール」の再活性化に取り組み、素材開発から消費者認知まで広範囲なプログラムを展開している。ベストドレッサー「クールウール賞」の設定は消費者認知のための目玉企画。

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ブーテル 「遠方を見渡すインディアン」

ひつじ話

「遠方を見渡すインディアン」
「遠方を見渡すインディアン」(部分)
ブーテルの描く誇り高いインディアンは、わずかに残る手つかずの自然の中に立ち、進行する白人による開拓を示す教会、柵で囲われた羊や牛のいる農場、航行する帆船のある風景を眺めている。

 「ドラマチック大陸 ─風景画でたどるアメリカ」展カタログ 

名古屋ボストン美術館で開催中の「ドラマチック大陸」展で展示されている、19世紀アメリカのデ・ウィット・クリントン・ブーテルによる「遠方を見渡すインディアン」が、見応えがあって素敵なので、ご紹介です。
左下に小さく羊の群れが描かれているのですが、こうした視点で見られる羊というものもあるのですね。それらを見下ろす孤高の男は、ブラックホーク酋長をイメージしたものとのこと。
展覧会の概要は、下に。

会期   2013年1月12日(土)?5月6日(月・祝)
開館時間   火?金曜日 10:00?19:00
         土・日・祝休日 10:00?17:00
         最終入館 閉館の30分前まで
休館日   月曜日(祝祭日、振替休日の場合は、その翌日)

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「ギリシア・ローマ抒情詩選」

ひつじ話

夕星(ゆうずつ)は、
かがやく朝が(八方に)散らしたものを
みな(もとへ)連れかへす。
羊をかへし、
山羊をかへし、
幼な子をまた 母の手に
連れかへす。

呉茂一訳の『ギリシア・ローマ抒情詩選』の「さっぽお」の章から。

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プラスのデコレーションローラー「デコルノ」

ひつじグッズ

カードやスクラップブックの縁飾りなどに使うローラー式のスタンプに、ひつじ柄のものがあるとのこと、ak様からお知らせいただきました。ありがとうございます。
デコルノ
その名も、「デコレーションローラー デコルノ」。
とりあえず、ノートに引いてみました。くっきりした青いインクのひつじ模様がくるくると並んでいくのが楽しいです。
たまに黒い子がいたり、後ろを向いてたり。
デコルノ引いてみた

プラス株式会社公式HP
内 デコレーションローラー デコルノ
及び Decoライフ応援サイト

アイデアしだいで、いろんな使い道がありそうですね。

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オー・ヘンリー 「千ドル」

ひつじ話

「ブライソン老人。君も説教さえしようとしなければ」とジリアンはほとんど眉ひとつ動かさないで言った、
「みんなから好かれるかもしれないがね。ぼくは君に教えてくれと頼んだんだよ。千ドルでぼくになにができるかと」
「君が?」とブライソンは穏やかに微笑して言った。
「それなら、ボビー・ジリアン、論理的に考えて君にできることはひとつしかないね。これからすぐその金でミス・ロッタ・ローリアにダイヤモンドのペンダントを買ってやって、君自身はアイダホ州に行って、牧場の厄介者になることだよ。それも羊の牧場がいいだろうな。ぼくは羊がとくに嫌いだからね」
(略)
ジリアンは千ドルの使途について報告書をつぎのように書いた。
厄介者(ブラックシープ)のロバート・ジリアンは、天に代って永遠の幸福のため、この世でもっとも善良でもっとも親愛な女性に千ドルを支払った。

オー・ヘンリーの短編、「千ドル」です。
遊び人のジリアン青年は、富豪の叔父の遺言で、弁護士へ使途を報告することを条件に、千ドルという多くも少なくもない微妙な金を受け取ります。そこには叔父の深謀遠慮がひそんでいたのですが、青年はそれに気づかないまま、結果的に不遇な女性を助けることになるのでした。
引用は、物語の冒頭で青年が友人に相談をする場面と、彼が出した結論。対応してますよね、これ。

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アイスキュロス 「アガメムノーン」

ひつじ話

男をたおす剣を研ぎながら、祈りの言葉で刃を研いでいる、
わたしをここに連れてきた、その償いを死と血で払わせる、と。
それなのに、わたしを嘲りわらう、これや、これを、なぜこの身に
つけている 予言者の杖も、羊の毛の首飾りも?
おまえなど、わたしの寿命のつきるまえに、ほろぼしてやろう。
みな砕け散ってしまえ。地面に落ちたらもういちど、こうして、仕返しをして
くれよう。
わたしのかわりに、べつの女に破滅の花を咲かせておやり。
ご覧なさい、アポローンご自身の手が、わたしの身から
巫女の衣装をはぎとって、そして、このような飾りをつけていても、
さんざん嘲い者になっていた、わたしをご覧になられて

アイスキュロスのギリシア悲劇、「アガメムノーン」から。
トロイア戦争から凱旋した王アガメムノーンは、その妻による暗殺という運命に迎えられます。
引用は、王とともに殺される自らの運命をも見てしまった、アポローンの予言者にしてアガメムノーンの戦利品、トロイア王女カッサンドラーの嘆きの場面。アポローンの巫女の印として、羊の毛の首飾りをつけているようです。
アポローンの印が羊の毛というのは、「イリアス」冒頭にもでてきます。どんな形のものなのでしょうね?

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ウィリアム・ホガース 「残酷の四段階」

ひつじ話

「残酷の四段階」

18世紀イギリス、ウィリアム・ホガースによる連作『残酷の四段階』の「第二段階」を。馬や牛、ロバ、羊などが虐待を受けている様子が、これでもかと描かれています。
ホガースの作品は、「誤った遠近法」をご紹介しています。

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『イディッシュの民話』より、「羊とバスケットと杖」

ひつじ話

彼らは彼に羊を一頭与えると、言った。
「この雄羊に『わたしに仕えろ』と命令すれば、おまえのほしいものは何でも手に入る。」
男は羊を家に持ち帰ると、子供たちに言った。
「さあ、みんな食卓につくのだ。」
子供たちが坐ると、男は羊に命令した。
「われわれに食事を用意せよ。」
すると、彼らの食べたいものが食卓に並び、みな腹いっぱいに食べた。

ビアトリス・S・ヴァインライヒ編による、『イディッシュの民話』から「羊とバスケットと杖」を。
子沢山の貧しい男は、森の男たちから魔法の品々(というか羊)を与えられますが、悪い兄弟にうばわれてしまいます。どうやって取り返したかというと……?

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アルチャーティ 「エンブレム集」

ひつじ話

「正しい復讐」
キュクロプスはアーチ状の洞窟の入口に座り、
従順な羊たちの間で自分に対して歌った。
おまえたちは草を食べ、俺はギリシア人の仲間たちを喰らう。
そして最後に、俺の腹は「誰でもない」を運ぶだろう。
イタカの者はこれを聞いて、キュクロプスの光を奪った。
見よ、この張本人が自ら罰を受けるのを。

一般的に言えば、エンブレムとはモットー・図像(狭義のエンブレム)・エピグラムという三つ組から構成され、主として道徳的な訓戒を総合的に表現する、特異な文学─美術的ジャンルである。
そして、アルチャーティの『エンブレム集』が、このジャンルの範例として長く尊重されてきた。

16世紀イタリア、アンドレア・アルチャーティによるエンブレム・ブックから、「正しい復讐」を。
「エンブレム集」には1531年アウクスブルク版と1534年パリ版があり、二種の図像はそれぞれの版のものとのこと。
エピグラムにあるイタカの者云々というのは、オデュッセウスキュクロプスとの闘争のことでしょうか。

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ピサロ 「羊飼いと羊の群れ」

ひつじ話

「「羊飼いと羊の群れ」
これらは主題的にはミレーの有名な《羊飼いの少女》その他を連想させるが、ピサロに言わせればミレーはあまりにもセンチメンタルであり、ロマンティックであり過ぎた。
ピサロはこの種の主題を描くに際し、ミレーと比較され、その影響を云々されるのを嫌い、あらかじめこれを回避するかのように、ミレーとは明らかに異なる、“甘さ”をおさえたアプローチを試みている。

「印象派の巨匠とピサロ家の画家たち ピサロ展」カタログ

19世紀フランス、カミーユ・ピサロの「羊飼いと羊の群れ」です。
引用文内で挙げられているミレーの「羊飼いの少女」というのは、こちらのことかと。

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学研ステイフルのふせんと、ミドリのシール

ひつじグッズ

雑貨店でかわいらしい文具を見かけたので、買ってまいりました。
ふせんとシール
メモを書き込める半透明の大きなふせんと、立体感が楽しいシール。シールはスクラップブックの素材コーナーに置かれてました。こういうものを使うんですね、スクラップブックって。せっかくなので、アップでもう一枚。
シール
商品情報は、こちらで。

学研ステイフル公式HP 内 付箋コレクション
ミドリ公式HP 内 ミニチュアシール

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「十六羅漢図」より、羅怙羅尊者に花を捧げるなにか。

ひつじ話

あけましておめでとうございます。今年もひつじnewsをよろしくお願い申し上げます。
年始めの記事は、「十六羅漢図」です。

十六羅漢図
ワシントンのフリアー・ギャラリー所蔵の十六羅漢図で画上に「平安城東山三聖護国寺常住」と墨書する作品がある。
(略)
第十一羅怙羅尊者は右手に数珠を持つだけの素朴な形であるが、口に花を銜え、供花する山羊か羊かと見える動物は、横向きながら、角が三本見える。
『山海経』「西次三経」に土螻なる動物を録している。

土螻というのは、以前お話したことのある多角の羊のようななにかです。
東京国立博物館の所蔵品(滋賀県大津市の聖衆来迎寺旧蔵)にも、よく似たものがあります。類例がありそうですね。

e国宝 内 囉怙羅尊者

羅漢さんと羊の組み合わせは、以前、川越喜多院の五百羅漢をご紹介しています。
あと、ひょっとするとなんですけれども、五年前に宿題にしたまま放置している、歌川国芳「武勇見立十二支 関羽 未」の疑問を解く手がかりになるような気がするんですが、どうでしょう。

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「イリアス」の宴会シーンと、古代ギリシアの焼き串台

ひつじ話

焼き串台
肉の焼き串台 (クレタ出土、ミノア時代)
アキレウスは大きな肉切台を炉の火のあかりのさす辺りに持ち出し、羊と肥えた山羊の背肉と、肥えて脂のよくのった豚の腰肉を置き、アウトメドンにそれを抑えさせて、自分でそれを大切りに切ってゆく。
さらにまた念入りに細かく切り、串に刺す。
神にも見まごうメノイティオスの子が、赤々と火を燃やし、燃え尽きて焔も弱まった頃を見はからい、おきを敷き並べてその上に串を置き、串の両端を串台に支えて、聖なる塩を振りかける。

食を通じて古代ギリシアの文化を語る「食べるギリシア人」より、「イリアス」の英雄たちの肉好きっぷりに関する一章から。
引用は、「イリアス」第九歌の、アガメムノンがアキレウスの陣屋へオデュッセウスらを使者としてさしむけ、アキレウスがそれを歓待する場面。参考写真の焼き串台がかわいらしいです。
これまでにご紹介している「イリアス」関連記事は、こちらで。

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ジャン善王のムートン・ドール貨

ひつじ話

ムートン・ドール

中世フランス、ジャン2世(1350─64)の頃に造られた、「ムートン・ドール(金の羊)」と呼ばれる金貨です。表の面に、過ぎ越しの子羊が。

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「人間救済の鑑」の受胎告知とその予型

ひつじ話

予型論
13世紀中葉の南ドイツ、あるいはオーストリアにおいて、旧約聖書と新約聖書の予型論的関係を図解する聖書が成立した。
予型論(Typology)とは、旧約聖書に登場する人物やそこで起こった出来事を、新約聖書で語られているキリストの行為を予表するものとして解釈する方法であり、それを豊富なイメージを添えて具体的に示したこの聖書は『貧者の聖書』(Biblia pauperum)として名高い。
ただし、この名称自体は、このような類型の聖書に対して後代の学者がつけたものである。
(略)
『貧者の聖書』からほどなくして(1300頃)、別のタイプの図版入りの書物が制作された。
これは『人間救済の鑑』(Speculum humanae salvationis)と呼ばれているもので、『貧者の聖書』と同様に、予型論に基づく書物であるが、ただし、旧約聖書からの予型は三つの場面に増やされており、それぞれの場面には詳しい説明が施されている。
図は1470年頃にオランダで刊行された木版本の一葉である。
『人間救済の鑑』は明らかに『貧者の聖書』の影響下に制作されているが、異なる箇所も見られる。

15世紀オランダ、聖母マリアへの受胎告知と、その予型である三つの場面を描いた木版画を。
左上が「受胎告知」。右上が「燃える柴」、左下が「ギデオンの羊毛」、右下が「リベカとアブラハムの従僕」を描いたもの。燃えつつも燃え尽きない柴や露の降りた羊毛が、聖霊によって身ごもった乙女に相当するようです。

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