鹽竈神社、飾燈籠

ひつじ話

もう少し、旅ばなしを続けさせていただきます。
さて、松島まで来たからには、鹽竈神社にお参りせねばなりません。
こちらでは、境内にある飾燈籠が、たいへん巨大かつ豪華で目を引きます。
飾燈籠
学生社の神社シリーズを引いてみますと、

文化四年(1807)九代藩主周宗(かねむね)公が、蝦夷地鎮定の凱旋記念に奉納されたもので、銅鉄合製の動物、花鳥をはめこみ、精巧をきわめていかにも文化文政的な時代趣向を反映したものであり、竿の部分に藩儒田辺匡敕が奉献の由来を漢文で刻している。

とのこと。
はめこまれた動物は、下の白澤のような瑞獣然としたものが多かったように思うのですが、
白澤
それらに何食わぬ顔で混じっているこれは、いったいなんなんでしょう。
ひつじ……?
このあたりのなにかと似てるようにも見えるのですが、見当もつきません。
背景にヤシのような植物が描かれているあたり、むしろもっと遠方との関連も想像できそうな気もしますし。
そもそもヒツジじゃないような気もしてきました。
お詳しいかたがおられましたら、ご教示願えると光栄です。

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松島、五大堂蟇股十二支彫刻

ひつじ話

良きもの、とくに遠方の良きものとの出会いはご縁に従うというのは、ひつじnewsの個人的な主義なのですが、
そして宮城県の松島などはその大きなひとつだったのですが、
先般の震災で、いずれ縁があれば行けると思っているうちに失われるものがあるのだという、いまさらな事実と向き合うことになりました。
というわけで、行って参りましたよ、遅ればせながら、宮城まで。
松島絶景
五大堂
松島は、震災の傷跡をそこここに残しながら、なおかつ美しいところでした。
主目的は、五大堂です。というか、十二支の動物を刻んだ、蟇股の彫刻を見たかったのですよ。
なんといっても、上の写真のような立地ですから、どうなっているものかと思ったのですが、
五大堂
だいじょうぶでした。ありがたいことです。ほんとうに。
十二支彫刻のうち、未です。
未
せっかくなので、他の動物も。
巳
卯
ご縁があれば、ぜひ。(……あれ?)

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東方の驚異としての「司祭ヨハネの手紙」

ひつじ話

それから別のところにある私どもの地方では、ただ胡椒のみ茂り、それは刈り取られると、小麦・糧食・毛皮・生地と交換されます。
さらにこの地方は、柳に類似した樹木が森を成し、いたるところに蛇がいます。
これらの蛇は大きく、二つの頭をもち、牡羊のような角、そしてランプのように光る眼をもっています。
胡椒が成熟するや、近隣地方のすべての民衆が、籾殻、藁、よく乾いた木を両手に携えてやって来て、それらを用いて、森全体をあらゆる方向からとり囲むのです。
そして風邪が激しく吹くときに、蛇が森の外に出てゆくことができないよう、森の内外に火を付けると、自分の洞窟に逃げ帰った蛇をのぞいて、蛇はことごとく、強く熱せられた火の中で死滅するのです。

「皇帝の閑暇」をご紹介している『西洋中世奇譚集成』シリーズからもう一冊、「東方の驚異」を。プレスター・ジョンの伝説として知られる「司祭ヨハネの手紙」が収録されているのですが、その中に昨日お話した「胡椒を守る蛇」が出てきます。

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東方の驚異としての「胡椒を守る蛇」

ひつじ話

胡椒を守る蛇
『東方の驚異』
1025年頃 ロンドン、大英図書館
蛇は「雄羊のような角をもち、コルシアスと呼ばれており」、胡椒の木を守っている。
「人が胡椒を集める時は、火を持って近づき、それによって蛇は地下にもぐり、胡椒は黒くなる」。

中世ヨーロッパの人々が未知の世界に対してふくらませた想像の数々については、これまでに植物羊「北方民族文化誌」などのお話をしているのですが、その類型である角のある蛇が描かれた写本の一部です。
なんとなくゴネストロップの大釜を思い出すのですが、どこかでつながっている可能性はあるのでしょうか。

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皇女コンスタンティナの石棺

ひつじ話

コンスタンティナの石棺 コンスタンティナの石棺(部分)
4世紀半ば 紫斑岩 160×235×157センチ
ヴァティカーノ美術館
この石棺は、ノメンターナ街道のサンタニェーゼ・フォリ・レ・ムーラ聖堂に付属するコンスタンティヌス帝の娘コンスタンティナ(354年没)の霊廟、サンタ・コンスタンツァ聖堂に置かれていたものである。

なんどかお話している、初期キリスト教美術関連でひとつ。
プットーがブドウの収穫をする画面の下端を、羊が歩いてます。

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ルイ11世を助けたバルカンの羊たち

ひつじ話

ブルガリアでは、チーズやヨーグルトは食生活に欠かせない食べ物であるだけでなく、古代トラキア人にかかわる重要な文化遺産の一部ともみなされている。
2006年に設立されたヨーグルト博物館では、「ルイ11世の機密文書より」というパネルのなかで興味深い歴史が紹介されている。
それによると、胃腸病にかかったルイ11世を助けるために、コンスタンチノープルの医師が羊の群れをパリまで連れていき、そのミルクを発酵させてフランス王に食べさせつづけた結果、病気が完治したという。
事実かどうかわからないが、バルカンの羊たちはルイ11世の命の恩人なのかもしれない。

国立民族学博物館の広報誌『月刊みんぱく』の連載、「生きもの博物誌」シリーズをもとにまとめられた『食べられる生きものたち』の一章、「フランス史に痕跡を残したバルカンの羊たち」から。おいしいのでしょうね、羊乳ヨーグルト。食べてみたいです。

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テンションの上がりすぎている羊映像

ひつじ画像・映像


I さんから、「テンションの上がった羊の走り方」と題されたYouTubeの映像を教えていただきました。ありがとうございます。
牧羊犬(たぶん)に下剋上をはたす羊。……最後、ぶつかってますよね、これ。

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ABCマート ボアブーツコレクション TVCM

ひつじ画像・映像


K&T様から、ABCマートのTVCMにかわいい羊たちが出ているとのこと、お知らせいただきました。ありがとうございます。
歌ってます、歌ってますよ。
公式HPでは、メイキングも公開されてます。良い子たちです、すごく。

靴ブランド総合サイト ABC-MART 内 ボアブーツコレクション

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ヒツジの里 農地再生へ挑戦

ひつじ春夏秋冬

ak様から、毎日新聞地方版で、2012年10月24日から11月01日まで、五回にわたって掲載されたコラムをお知らせいただきました。ありがとうございます。
長野県須坂市豊丘の遊休農地が、紆余曲折を経ながらも、羊によって生まれ変わろうとしています。

田畑に作物が豊かに実り、子供たちが元気に駆け回る古里にしたい−−。
そんな理想郷づくりを、全国各地の衰退する農山村が目指している。
須坂市豊丘(とよおか)では耕作放棄地に羊を放牧し、草を食べさせ、育てた羊の肉を特産品にする取り組みを始めた。
羊は救世主になるか。今年で3年目を迎えた農家らの奮闘記を紹介する。

 放棄地、放牧事業 5年目に飼育開始 

 突然死の原因究明 

 会員が羊肉料理試食会 

 年間200頭、出荷目指し モデル確立、全国へ 

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クロード=ジョゼフ・ヴェルネ 「アルプスの女羊飼い」

ひつじ話

「アルプスの女羊飼い」

「17世紀─19世紀・名作でつづるフランス絵画 トゥール美術館展」

18世紀フランスの風景画家、クロード=ジョゼフ・ヴェルネの「アルプスの女羊飼い」です。
ヴェルネはローマに長く滞在し、クロード・ロランなどから影響を受けています。
クロード・ロランはいくつかご紹介しておりますので、こちらで。

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『皇帝の閑暇』より、「「貞潔羊」と呼ばれる樹」

ひつじ話

「貞潔羊」と呼ばれる樹がございます。
もし眠り人の頭の下に、その枝を一本敷けば、眠っているあいだ中、幽霊の幻を夢見ることはないでありましょう。
ですから伝承によりますと、アブラハムが祭壇を建てたモリア山で、犠牲に供された獣たちの皮にくるまって眠っていたレベッカが、双生児が彼女の胎内でたがいにぶつかりあっていると主に相談したときに頭の下に敷いたのは、この樹の一本の枝であるということです。

12、3世紀のヨーロッパ、ティルベリのゲルウァシウスによって蒐集・編纂された驚異譚集、「皇帝の閑暇」から。
なにがどう貞潔で羊なのかわかりません。わかりませんが、なにかこう。
レベッカというのは、創世記に出てくるエサウとヤコブの母リベカのことですね。聖書の該当部分を下に。

主はその願いを聞かれ、妻リベカはみごもった。
ところがその子らが胎内で押し合ったので、リベカは言った、
「こんなことでは、わたしはどうなるでしょう」。
彼女は行って主に尋ねた。

 旧約聖書 創世記第二十五章 

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羊神社のお守り

地名・団体

ひさしぶりに、名古屋市の羊神社にお参りしてきました。
鳥居
場所は、名古屋市北区辻町の住宅街のなか。御祭神は天照大神と火之迦具土神。
名古屋市営地下鉄で、名城線平安通駅から上飯田線に乗り換えて、上飯田駅下車です。

社名及び地名の由来
群馬県多野郡吉井町にある「多胡碑」に刻されている「羊太夫」(多胡郡の領主)が、奈良の都へ上るときに立寄っていたゆかりの屋敷が、この地(現辻町)にあり、この土地の人々が平和に暮らせるため「人心を安らかに」という願いをこめて羊太夫が、火の神を祀ったといわれ、羊神社と呼び称えるようになったと伝えられている。
鎮座地辻町は、尾張志に「今、村の名を辻といえるは羊の省かりたるやとそ」、尾張国地名考に「往昔火辻村といひしを後世火の字を忌て単に辻村と書といふ」と記されている。

 「式内 羊神社 由緒略記」 

1945年の名古屋大空襲をさえ乗り切ったというので、火災除の神様として崇敬されているのだそうです。
これからの季節には、良いお参り先かと。
多胡碑の羊太夫については、何度かお話しておりますので、こちらで。
……ほんとは御朱印をいただきたかったのですが、神職さんがお留守だったので、断念。
かわりに(?)、金色のひつじが下がったお守りがたいへんかわいらしかったので、こちらをお受けしてまいりました。
お守り
ご縁があれば、ぜひ。

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新疆ウイグル自治区の闘羊

ひつじ春夏秋冬

新疆ウイグル自治区の沢普県の金胡楊国家森林公園で10月中旬、闘羊が開催されました。
付近の村の住民が自慢の雄の羊を連れて参加し、羊たちが勇ましく角をぶつけ合う闘う光景は、集まった観客を魅了しました。
闘羊は、新疆ウイグル自治区で長い歴史を持つ民間娯楽の一つ。お祭りや集会の際に開かれる人気の伝統行事です。

ak様から、新疆ウイグル自治区の闘羊の記事を教えていただきました。ありがとうございます。
牡羊が闘争的な生き物であることについては、これまでに思い知らされてきましたが、こちらは文化として昇華されている感じですね。

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ノリタケの森の子羊の置物

ひつじグッズ

散策の秋です。
というわけで、先日のミユキモールに続いて、また名古屋市内をうろついてまいりました。
今回は、名古屋駅を北へ徒歩15分ほどの場所にある、ノリタケの森です。
ノリタケの森
陶磁器メーカー、ノリタケカンパニーリミテドの運営する文化施設ですが、こちらで限定販売されている十二支の置物シリーズがこのたびの目的。
ノリタケ十二支未
十二支シリーズのうち、未です。子羊ですね。片手に乗せてほどよいサイズです。
ノリタケ十二支未背中
かわいいので、後ろ姿も。しっぽが断尾前のようです。

ノリタケの森公式HP 内 ライフスタイルショップ パレット 
及び ミュージアム企画展 「フィギュアリンの造形」

なお、ノリタケの森では、2013年9月8日まで、「フィギュアリンの造形」と題された小規模な企画展が開催されています。さりげなくひつじ度が高いので、こちらもご縁があればぜひ。

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ジャン=フェルディナン・シェノー 「羊の群れ」

ひつじ話

「羊の群れ」
ジャン=フェルディナン・シェニョー
1830、ボルドー ─ 1906、バルビゾン
1858年、バルビゾン村に移居、フォンテーヌブローの森の風景を描く。
シャルル・ジャックに技法上の影響を受け、また主題も同様に、羊の群れを好んで描く。
1870年にはバルビゾン村に家を持ち、そのアトリエからは直接に羊の群れを見ることができた。

 「印象派とフランス近代絵画の系譜」カタログ 

19世紀フランス、ジャン=フェルディナン・シェノーの「羊の群れ」です。
シェノーは何度かご紹介しておりますので、こちらで。
また、影響を与えたシャルル=エミール・ジャックもご参考にこちらでぜひ。

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