マンデヴィルはこの話を取り上げて、次のような結論を下す。
「だが私は、彼らにそれは大した奇跡だとは思わないと言った。
なぜなら、我々の国のある種の木は、鳥が出てくる実をつけ、しかもその実は、非常においしいからだ。
この場合、地上に落ちた鳥はまもなく死んでしまう」
オドリックと同様マンデヴィルも、一つの奇跡を正当化するために別の奇跡を使う。
というより、二人はともに、植物性の羊の奇跡があるのはアイルランドにガチョウを産む木があるからだと考えている……。
ときどきお話している植物羊関係でひとつ。
マンデヴィル「東方旅行記」の中で、植物羊と、それに対応するとされるアイルランドのガチョウのなる木の伝説を説明する挿画です。