貴族たちの田園での遊楽シーンはジョルジョーネの「田園の奏楽」を例にするまでもなく、文学でも古代ローマ時代からの主題であり、十六世紀には西欧各国で類似した文学作品も生れている。
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そういうものに当時の日本人が親しむ機会があったとしたら興味ぶかいことであるし、そうでなくてもこのような主題は、日本画の「花下楽園図」「高雄観楓図」などとも共通する田園遊楽図として受入れられたと思われる。
ずいぶん以前になんどか触れたままになっている、日本画の小さな羊のお話をあらためて。MOA美術館所蔵の、桃山時代の屏風です。六曲一双のうち右隻の前景に、ミニサイズの羊たちがわらわらしてます。