カルタゴにキリスト教文化が広まっていたことを顕著に示しているのは、美術的資料である。
たとえば、その洗練された装飾性が高く評価されている墓碑銘板には、迷える魂についてのキリストのたとえ話を題材にした、「よき牧者」の図が描かれている。
5世紀のカルタゴ、初期キリスト教美術に多く見られる「善き羊飼い(よき牧者)」が刻まれた、大理石の石棺です。
「善き羊飼い」のモチーフについては、まとめてこちらで。
ひつじ(ヒツジ、羊)のニュース、画像(写真)、グッズ、サイト、牧場などを紹介するひつじサイト。あなたの好きな羊もたぶん見つかります。
カルタゴにキリスト教文化が広まっていたことを顕著に示しているのは、美術的資料である。
たとえば、その洗練された装飾性が高く評価されている墓碑銘板には、迷える魂についてのキリストのたとえ話を題材にした、「よき牧者」の図が描かれている。
5世紀のカルタゴ、初期キリスト教美術に多く見られる「善き羊飼い(よき牧者)」が刻まれた、大理石の石棺です。
「善き羊飼い」のモチーフについては、まとめてこちらで。
一時間のうちに、かれが旅してきたのと同じ方向から、一人の羊飼いがやってきた。
背が高くて、ふしくれだった、やぶにらみの男だった。
ほとんど顔を覆ってしまっている赤毛のあいだから、小さいけれど青く澄んだ目が光っていた。
かれはだまってニールの前に立ち、連れていた羊によりかかった。
「ゴキゲンヨウ」と、かれはようやく口をひらいた、「ごきげんよう」と。
ニールはちらりと男を見たけれど、返事はしなかった。
19世紀末スコットランドのフィオナ・マクラウド(ウィリアム・シャープ)による『ケルト民話集』から、「罪を喰う人」を。
罪を負って死んだ者の葬儀の場で、死者の身代わりとなってその罪を喰う儀式を引き受けた旅人ニール。羊飼いとの会話をきっかけに、自らのあやまちに主人公が追いつめられていく場面です。
コジモが身につけている騎兵用軽装甲冑の胸元には、首から下げた金羊毛騎士団章が光っている。
これはコジモ1世が1545年8月11日に神聖ローマ皇帝カール5世から授与された最高の騎士勲章である。「フィレンツェ─芸術都市の誕生」展カタログ
16世紀フィレンツェ、アーニョロ・ブロンズィーノ工房による、「甲冑姿のコジモ1世の肖像」です。
同時代のものとしては、ブロンズィーノ下絵のタピスリーをご紹介したことがあります。
なお、金羊毛騎士団についてはこちらを、カール5世についてはこちらをご参考にぜひ。
「ブルックリン美術館所蔵 バルビゾン派の画家たち展」カタログ
バルビゾン派を。シャルル=エミール・ジャックの「羊小屋」です。
これまでのジャックはこちらで。なかでも、「羊小屋」と似た、建物からの羊の出入りを描いたものとしては、「羊の群の帰り」と「バルビゾンの農家」をご紹介しています。
それは、羊飼いの男だった。
かたわらには30頭ばかりの羊たちが、
焼けるような地面に寝そべっていた。
男は、皮袋の水を飲ませてくれた。
そしてひと息ついたわたしを、高原のくぼ地にある羊小屋へとつれていってくれた。
ジャン・ジオノ作、フレデリック・バック絵、寺岡襄訳の絵本、「木を植えた男」から。
荒野を旅する主人公の「わたし」が、「清涼な命の水」(本文より)を思わせるひとりの羊飼いと出会う、冒頭の場面です。
「フィッツウィリアム美術館所蔵 フランス近代風景画展」カタログ
19世紀フランス、ジャン=ヴィクトール・ベルタンの「羊と縫い物をする女のいる風景」を。
バルビゾン派の巨匠であるコローの師として知られる人物でもあります。以前、「古典的な風景」をご紹介したことが。
先日から、十二支づいてます。こちらは、タイ北部ランプーンの寺院ワット・ククットの十二支の窓飾りから。「亥」にあたる動物が「象」になってるのが変わってますが、他は日本と共通しているようです。
古代中国が発祥の十二支は、年・月・時刻や方角をあらわすのに用いられてきた。
各十二支に割り当てられた動物を中国では十二生肖(せいしょう)といい、古くから彫像や絵画などに表現されてきた。
生肖の「生」は生き物、「肖」は「象る」の意味がある。
十二支俑も十二生肖を表現したもののひとつで、動物そのものの形象のほかに、本例のように動物の頭に人間の体をもつ獣頭人身の形や、文官が手に十二支の動物を抱えた姿、あるいは頭上に十二支の動物を載せた姿などで表現された。
12体の俑を各方角へ配置することで、墓内に侵入する邪気を払う役割を果たしていたと考えられる。「大唐皇帝陵」展カタログ
8世紀、唐の十二支俑です。
獣頭人身の十二支の造形は、これまでに、重慶市から出土した初唐の十二支俑、韓国の伝景徳王陵及び伝金庾信将軍墓の浮彫、円明園の噴水をご紹介しています。
英国大使館で「人と羊のファッションショー」?ウールキャンペーン始まる
英国大使館(千代田区一番町)で10月3日、「キャンペーン・フォー・ウール」のキックオフイベントが開催され、公邸中庭で「人と羊のファッションショー」が行われた。
同キャンペーンは、チャールズ皇太子が提唱した、国や業種を越えた羊毛に携わる企業・業界による世界的キャンペーン。昨年英国で初めて行ったキャンペーンには120社が参加し、ロンドンのテーラー街・サヴィルロウの道路を牧場に変えたキックオフイベントには6000人の消費者が訪れ、成功を収めたという。
(略)
中庭で行われたファッションショーには、各ブランドのウール製品に身を包んだモデルと今回のために用意されたオリジナルの洋服を着た羊が登場。ステージを自由に歩き回ったり、芝生を食べ始めたりするマイペースな羊たちの姿に、会場は歓声に包まれた。
SO様から、英国大使館のイベントで、ひつじがウールを着せられてますとのお知らせをいただきました。ありがとうございます。
セーター! 羊がウールのセーターを!
太陽が沈んだ後の夕映えが辺りを包み込んでいる。
男は小高い丘の上に立っていた。
丘を下った所に羊の群れがいて、犬が羊達を追いたてている。
それだけの絵だった。
(略)
次の瞬間、風が吹いた。
小高い丘に向かって吹きつけてくる風は、草原の匂いがした。
羊達の啼き声が耳に届いた。
阿刀田高選の“寄せられた「体験」”シリーズ『もちろん奇妙にこわい話』、巻頭の一作「羊飼いの男」です。
美術品を前にした主人公が作品世界にさらわれかける、というお話なのですが、入った先にいるのが羊の群れだと思うと怖がれません。
生まれてすぐに救助されたというジャックは、その後イングリッシュ・スプリンガースパニエルという品種の犬、ジェシーさん(9歳)の傍らでジェシーに見守られながら育っていったそうだ。
カラパイアさんの羊関係記事を、もりもとさんからタレコミいただきました。ありがとうございます。
思い込んでる……かなぁ……。
ゲルは時計でもあった。
時計のない時代のモンゴル人は、ゲルのある部分に太陽の光が当たるのを見て時を知ったのである。
たとえばウサギの刻[午前六時]に陽光がゲルにさし込む。
辰の刻[八時]、巳の刻[十時]、午の刻[十二時]、未の刻[十四時]、申の刻[十六時]、酉の刻[十八時]には、ゲルのどのあたりに光が当たるかについて季節や地方によって使い分けていたのである。
そして、この決まりは、牧民の日々の労働にもかかわっていた。
たとえば、牛の乳搾り、羊の放牧、羊の昼の搾乳、移動、羊の水やりなどすべて太陽時計、つまり、ゲル時計で行なっていたのである。
モンゴルの移動式住居ゲルについて考察する「遊牧民の建築術」から。
ゲルは、ふつう出入り口を南にして建てるもので、居ながらにして日時計として使えるのだそうです。便利。
小林源文の動物擬人化戦争劇画「Cat Shit One」の続編、「Cat Shit One’80」です。
主として国家ごとに、人物がウサギや猫や熊の姿で描かれているのですが、ベトナムが舞台の前作に続いてアフガニスタン紛争がストーリーの中心となる「’80」では、ムジャーヒディーンの兵士たち(の半数)がヒツジの姿をしています。
納棺容器の蓋
アラバスター
高さ52センチ、長さ76センチ、幅22センチ
紀元前1世紀前半
ヴォルテッラ、グァルナッチ博物館
過去の文明において普及していたこの宗教行為は、エトルリア人の宇宙観に基づいていた。
つまり、犠牲獣の肉体の各器官、さらにその各部分は小宇宙であり、そこに宇宙の秩序が反映されているのである。
(略)
このタイプの占いにとって最も重要な器官は肝臓であるとみなされていた。
エトルリアの聖職者(肝臓占い師)が肝臓を手にしている状態を表した様々な考古学的遺物が現存するだけではなく、テラコッタ製や青銅製の肝臓の模型自体までもが発見されている。「エトルリア文明展 最新の発掘と研究による全体像」カタログ
先日ご紹介したピアツェンツァの肝臓に関連して。
羊の肝臓を手にした人物が表された納棺容器の蓋です。生前、肝臓占いに関わった人物が納められたのでしょうか。
今の自分の言動、おかしなところはなかったよなと、ただちに反省会を開いてしまう。
まずそこを振り返ってみないと先に進めない。
ぶつぶつ言うかわりに唇を噛んでいると、肩をつつかれた。
「どうしたの、ひつじくん。すっかり仔羊ちっくな顔になっているよ。ぼくの好みからすると、君はいつもそうやって、途方に暮れていると楽しいのに。お兄さんが助けてあげるから話してごらん」
他の出版社の営業マンだ。
「いいですよ。ひつじじゃなくて、井辻ですし」
大崎梢のミステリです。人情味のある「日常の謎」ものですね。
新米出版社営業、井辻くんが遭遇する、書店と本にまつわる事件の数々。脇をかためる人々がまた良いのですよ。このラテン系の先輩とか。