形象硯(けいしょうけん)?動物の形?
動物の形を模した硯は形象硯と呼ばれています。
このような硯は平城京跡・斎宮跡などで発見されています。
全国的に見ても、出土した数はそれほど多くはありません。
形象硯としては、羊形、鳥形、亀形などが報告されています。
鳥の形はすでに古墳時代の埴輪に現れています。
そのほか、中空硯とよばれる携帯用の硯の突手も動物の形に見えるものがあります。「硯ことはじめ ?文房具のルーツをさぐる?」展カタログ
ずいぶん以前にご紹介した、斎宮歴史博物館所蔵の羊形硯が出展されていると知って、愛知県は一宮市博物館の「硯ことはじめ」展に行ってまいりました。
鳥(水鳥)や亀が硯の形として使われるのは水つながりで納得できるのですが、数少ないとはいえなぜ羊がいるのかは、はっきりとはわかっていません。以前も少し触れ、こちらの展覧会のカタログでもそのように解説されているのですが、「じつは羊ではなくて水妖雨工」説が有力なのではないかと。
「硯ことはじめ」展は、7月31日(日)まで開かれています。お近くならば、ぜひ。
ところで。
せっかく一宮市に来たならば、一度寄りたい場所があったので寄ってきました。
JR尾張一宮駅及び名鉄一宮駅の南側に立つ、「織姫像」です。
一見、街角によくあるタイプの女性像と思いきや、
あしもとに楽しげな羊がいます。
古くから繊維産業によって発展した一宮のシンボルとして、昭和34年に建てられた、2.65mのブロンズ像とのこと。
なお、一宮では、この週末、7月28日(木)?31日(日)の四日間、「おりもの感謝祭 一宮七夕まつり」がひらかれます。こちらも、ご縁があればぜひぜひ。