14世紀以来、時祷書の装飾画の一連には、牧夫たちにイエスの降誕を知らせる「羊飼いへの告知」の場面が加えられることが伝統となっていた。
(略)
棒状のものは、ウレット houlette と呼ばれる羊飼い独特の杖で先がシャベル状になっている。
それでさくれや小石をすくい投げて、群れを離れる羊に注意をうながす。
時には、狼や野犬から羊を守る武器にもなる。
彼らの羊の群れには、背中に所有者を示す赤や青のしるしが付けられているのもリアルである。
先日、レンブラントの版画で「羊飼いへのお告げ」をご紹介したところですが、同じテーマでもうひとつ、時祷書の装飾画を。
2月の情景や占星学的人体図などをご紹介している「ベリー侯の豪華時祷書」より、「羊飼いへの告知」です。
時祷書は、このほか、「ワーンクリフの時祷書」や「エティエンヌ・シュヴァリエの時祷書」などをご紹介しています。