『ベリー侯の豪華時祷書』より「羊飼いへの告知」

ひつじ話

「ベリー侯の豪華時祷書」 「ベリー侯の豪華時祷書」(部分)
14世紀以来、時祷書の装飾画の一連には、牧夫たちにイエスの降誕を知らせる「羊飼いへの告知」の場面が加えられることが伝統となっていた。
(略)
棒状のものは、ウレット houlette と呼ばれる羊飼い独特の杖で先がシャベル状になっている。
それでさくれや小石をすくい投げて、群れを離れる羊に注意をうながす。
時には、狼や野犬から羊を守る武器にもなる。
彼らの羊の群れには、背中に所有者を示す赤や青のしるしが付けられているのもリアルである。

先日、レンブラントの版画で「羊飼いへのお告げ」をご紹介したところですが、同じテーマでもうひとつ、時祷書の装飾画を。
2月の情景占星学的人体図などをご紹介している「ベリー侯の豪華時祷書」より、「羊飼いへの告知」です。
時祷書は、このほか、「ワーンクリフの時祷書」「エティエンヌ・シュヴァリエの時祷書」などをご紹介しています。

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「子ブタ シープピッグ」

ひつじグッズ

「子ブタ シープピッグ」
「ぼく、オオカミじゃないよ。」戸の下で、ベイブは言いました。
「ああ、わかってるさ。」老ヒツジはにがにがしく言いました。
「シープドッグ(牧羊犬)って奴だろ? わかってるよ。あたしらをばかにしやがってさ。おまえだって同じだよ、オオカミだ。隙あらば……とねらってる。あたしらを見ればラム・チョップ(子ヒツジ肉)に見えるんだ。あっち行け、オオカミ。」
「ぼく、シープドッグでもないんだよ。」ベイブはそう言うと、麦わらの山によじ登って、手すりごしに下を見ました。

児童文学を。ディック・キング=スミスの「子ブタ シープピッグ」です。 「ベイブ」の原作としてご存じのかたも多いのでは。
引用は、農場にもらわれてきたばかりの子ブタのベイブが、はじめてヒツジたちの一頭と出会う場面です。

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「やさしいひつじかい」

ひつじグッズ

「やさしいひつじかい」
 ひつじかいと ひつじたちは こやの そとへ でてみました。
こやの うえに おおきな ほしが かがやいて いました。
ほしから こえが きこえました。

クリスマス絵本をもう一冊。光原百合文、佐々木洋子絵、「やさしいひつじかい」です。
これまでにご紹介しているクリスマス絵本はこちらで。

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ヒツジ600匹と羊飼いが蒸発のミステリー

ひつじ事件

グルジアの新聞レゾナンシ(Rezonansi)は18日、アゼルバイジャンとの国境に近い村で、ヒツジ600匹の群れと羊飼い2人がこつ然と蒸発し、警察は行方をつかめていないと報じた。
2人の羊飼いは兄弟で、14日にヒツジの大群と牧羊犬と一緒にアゼルバイジャン国境のAkhalsopeli村から姿を消した。警察は何の痕跡も発見できていない。
グルジアの地方部の多くの村落では今も、羊飼いがヒツジを連れて牧草地や山岳地帯を歩いてまわる伝統的な放牧が続けられている。そうした放牧は時に数週間から数か月かかることもある。

ak様からグルジアの羊飼いと羊蒸発事件の情報をいただきました。ありがとうございます。
警察が捜しているということは、放牧ルートを変更してるだけ、といったオチはすでにないということですよね。いずれ続報があると良いのですが。

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クロイスターズの十字架(続き)

ひつじ話

さらに驚くことにエレミヤは、十字架上の明らかにユダヤ人と思われる生身の人物にたいして攻撃を加えていた。
彼の二番目の巻物はまるで武器のように左方やや離れたところに立つ哀れな女性に直接突きつけられていたのである。
この女性が手にした謎めいた巻物の maledictus 「詛われし者」は前に読んだ記憶がある。
彼女は頭巾をかぶり、頭を垂れて両眼を閉じ、まるで盲目のようだった。
彼女は一本の槍を片手に、神の子羊の胸元を刺し貫こうとしていた。
フラウ・メルスマンはこれをユダヤ教会(シナゴーグ)の擬人化だろうと解釈していた。

先日ご紹介した、クロイスターズ美術館の祭壇用十字架に関して、この美術品を館の所蔵品とするために活躍した、後のメトロポリタン館長トマス・ホーヴィングのノンフィクション「謎の十字架」から。
この壮麗な十字架に惚れ込み、買い取りのための調査をすすめるうちに、その反ユダヤ的傾向に気づいて戸惑う場面です。

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トルコの羊泥棒

ひつじ画像・映像

もりもとさんから、トルコにものすごい手口の羊泥棒が出たというニュースをうかがいました。ありがとうございます。
リスクが高そうというか……無駄が多そうな……。
この鮮明な映像はなんなんだろうと検索してみたところ、市民に注意をうながすために作られた再現映像みたいです。模倣犯が出るかもということでしょうか。それとも、ひょっとして、よくある手口なんでしょうか。

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「クリスマスのうた しずかなるよる」

ひつじグッズ

「しずかなよる」
しずかな よるです。

クリスマス絵本を。マヤ・ドゥシコウワ絵、やまもとふみこ文、「クリスマスのうた しずかなよる」です。
これまでにご紹介したクリスマス絵本は、こちらで。

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レンブラント 「羊飼へのお告げ」

ひつじ話

「羊飼へのお告げ」 「羊飼へのお告げ」(部分)

 「レンブラントとレンブラント派―聖書、神話、物語」展カタログ 

レンブラント・ファン・レインの版画を。「羊飼へのお告げ」です。
天使からキリストの誕生を告げられて驚く羊飼いと羊たち。アムステルダム国立美術館蔵。
レンブラントは、工房作の「イサクの犠牲」をご紹介しています。

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ヘシオドス 「神統記」

ひつじ話

彼女たちなのだ (このわたし)ヘシオドス
以前聖いヘリコン山の麓で 羊らの世話をしていた このわたしに麗わしい歌を教えたもうたのは。
まずはじめに このわたしに語りたもうたのだ つぎの言葉を
神楯もつゼウスの娘 オリュンポスの詩歌女神(ムウサ)たちは。
「野山に暮らす羊飼いたちよ 卑しく哀れなものたちよ 喰(くら)いの腹しかもたぬ者らよ
私たちは たくさんの真実に似た虚偽(いつわり)を話すことができます
けれども 私たちは その気になれば 真実を宣べることもできるのです」

古代ギリシアの詩人ヘシオドス「神統記」冒頭部分を。
同書の解説ページには、

『神統記』のこの告白に明らかなように、羊を飼い畑を耕す若き農民ヘシオドスはここにはじめて詩人としての自己の存在を自覚し、しかも真実を歌う詩人として目覚めることになったのである。

との一文も。

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このぬいぐるみを知りませんか?

ひつじグッズ

ニュージーランドのぬいぐるみ

 Y様メール添付写真 

突然ですが、WANTEDです。ぬいぐるみのですが。
Y様から、この子のことを知りませんかとお問い合わせのメールをいただいたのですが、
何者なのか、入手方法はあるのか、「ひつじnews」の狭い見聞ではいかんともしがたく、
思い切って、サイトをご覧くださっている皆様のお力に頼ることにいたしました。
二年ほど前にニュージーランドのお土産屋さんで売られていたもので、高さは約25?、
オークランドかクラストチャーチの空港の免税店で見たとの情報もある、とのことです。
もし、このぬいぐるみについてご存じのかたがおられましたら、コメント欄などに気軽に書き込みをいただければと思います。
よろしくお願いいたします。

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「くりすますのおはなし」

ひつじグッズ

「くりすますのおはなし」
まよなかの ことです。
のはらで ひつじの ばんを して いた
ひつじかいたちは びっくりしました。
「おやおや あれは なんだろう。」
そらに おおきな ほしが かがやいて
てんしの うたが きこえて きたのです。

クリスマス絵本のご紹介をするのに、季節外れを心配しなくても良い季節がやってきました。
むくむくした羊たちが愛らしい、「くりすますのおはなし」です。谷真介・文、柿本孝造・絵。
こちらは、ぷっか様より情報をいただきました。ありがとうございます。

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クロイスターズ美術館の祭壇用十字架

ひつじ話

祭壇用十字架 祭壇用十字架(部分)
12世紀中ころ、イギリス、バリー・セント・エドマンズ修道院と推定される、セイウチの牙
57.5×36.2?

メトロポリタン美術館別館クロイスターズ蔵の祭壇用十字架、の裏面です。中央のメダイヨンに神の子羊。

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陸粲 「庚巳編」

ひつじ話

十六世紀初めの高級官僚のひとりであり、学者でもあった陸粲(1494?1551)が、当事者から直接聞いた次のような話もある。
南京の華厳寺に月堂という僧がいる。
月堂は往年に仏縁をたよって貴州省を遊行したことがあったが、その地に人間を動物の姿に変えてしまう鬼がいることを知った。
男でも女でも羊、豚、驢馬などに自在に変えてしまう。
これらの動物は吸血鬼にされた人間の仮りの姿で、ひとを噛み殺して血をすするのである。
(略)
ある夜、数人の僧たちと共に僧坊に眠っていると、夜も深まったころ部屋の外で羊の鳴き声がして、しばらくすると一頭の羊が入ってきた。
羊は枕をならべて眠っている僧たちの体に鼻をよせて匂いをかぎまわっている。
次は自分のところだと察した月堂は、身近に置いていた錫杖をとると、やおら羊の腰のあたりを力まかせに打ちつけた。
羊はその場に崩れ伏す。と、見るまに羊の姿は裸身の女へと変わっていった。鬼術が破られたのである。

中国の怪異譚が大量に紹介されている「天怪地奇の中国」から、明代の「庚巳編」にある羊の怪異のお話を。
中国の怪異譚は、時代の幅はありますが、「捜神記」「唐代伝奇集」「子不語」などをご紹介しています。
そのほか、吸血鬼つながりで、ジプシーの怪異譚もご参考にぜひ。

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「ゴンチャローフ日本渡航記」

ひつじ話

琉球諸島とはいかなる所であろうか。
(略)
然り、これは太平洋の果てしなき水の真只中に投げ出された田園詩なのである。
さて、お伽噺に耳を貸していただきたい。
木は木として、木の葉は木の葉にきちんと整頓され、ふつう自然が生み出しているようなまぎらわしさもなく、偶然の無秩序に混乱していることもない。
すべてがワトーの絵とか、舞台装置にあるように、測定され、掃き清められ、美しく配置されているかのようである。
(略)
「これは一体何なのだ?」と私はますます驚きながら、繰り返した。
「テオクリトスだけではない。デズリエール夫人もゲスナーも、彼らのメナルクやフローヤやダフナなどといっしょにそのまま信じられる。リボンの手綱にひかれた羊たちが不足してはいるが」。
ところが、ちょうどそこへわざわざ、さながら田園詩の不足を補うかのように、わが鑑の羊たちが散歩のために岸に連れ出されて来た。

幕末のころ、ロシアの遣日使節プチャーチンの秘書官として日本をおとずれたイワン・ゴンチャロフによる旅行記から、「琉球諸島」の章を。
ゴンチャロフの目には、初めての琉球は、テオクリトスの田園詩ヴァトーの風景画に描かれるような楽園としてとらえられたようです。

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