オオカミは、くる日もくる日も、
牧場でとんだりはねたりする羊の群れを
ながめていました。
ぼくはおとなしくて、まるで子羊みたいな
オオカミなのに、
どうすればわかってもらえるだろう?
昨日に続いて、絵本をもう一冊。アンドレ・ダーハン作、倉橋由美子訳の「オオカミと羊」です。
さびしがりやのやさしいオオカミが、羊たちと友だちになるためにしたことは……?
ひつじ(ヒツジ、羊)のニュース、画像(写真)、グッズ、サイト、牧場などを紹介するひつじサイト。あなたの好きな羊もたぶん見つかります。
オオカミは、くる日もくる日も、
牧場でとんだりはねたりする羊の群れを
ながめていました。
ぼくはおとなしくて、まるで子羊みたいな
オオカミなのに、
どうすればわかってもらえるだろう?
昨日に続いて、絵本をもう一冊。アンドレ・ダーハン作、倉橋由美子訳の「オオカミと羊」です。
さびしがりやのやさしいオオカミが、羊たちと友だちになるためにしたことは……?
ひつじたちはなんと言っただろうね、ロッテが夜こっそり出かけていくのを知ったなら!
みんながねむっているあいだに……
……ロッテがそっとぬけだして行くさきは、とくべつお気に入りのばしょ。
そこで月をながめるんだ。
アヌ・ストーナー作、ヘンリケ・ウィルソン絵、大島かおり訳の絵本です。
危ない場所にばかり行きたがる変わり者の子羊ロッテは、いつもみんなを困らせています。でもある日、山の中で足をくじいた羊飼いのおじいさんのために、ひとりで助けを求めに行くことになって……。
エンデュミオーンは美青年で、ラトモス山の上で羊飼いをしていた。
ある静かな、晴れ渡った夜のことである。
月の女神アルテミスが下界を見下ろしていると、この美青年が眠っている姿が見えたのである。
すると、そのずばぬけた美しさに処女神の冷めた心も暖められてしまい、彼のいる下界に降りて、彼に口づけをし、眠っている間、そこで見守っていたのだった。
別の伝説によると、ゼウスが永遠の若さに永遠の眠りを結び合わせて、この青年に贈ったともいわれている。
こうした贈り物を授けられた人物に関して、特に記録されているような冒険譚もないのである。
伝えられるところによると、この美青年が眠っている間に、その資産が盗み取られることがないように、アルテミスが気を配ってやったという。
というのは、女神が彼の家畜の群れを増やし、羊や子羊たちを野獣から保護してやったからである。
先日ご紹介したフラゴナール「ディアナとエンデュミオン」の由来となったギリシア神話を、トマス・ブルフィンチの「ギリシア神話と英雄伝説」から引いてみました。
羊飼いが眠っているあいだ、羊の世話は月の女神がしているようです。
平安朝時代にはいって、弘法大師、伝教大師などが唐にわたり、真言宗や天台宗を開いた。
これらの宗派は密教と呼ばれ、真言秘密の法という言葉があるように、いろいろ呪術的な儀式が行われた。
その1つに星祭りがある。
(略)
星を図像化した絵を祭壇にかかげて祭るのである。この絵図が星まんだらである。
(略)
星まんだらの中では北斗が最も重要であるから、北斗まんだらとも呼ばれる。
しかし星まんだらには北斗だけが図像化されているわけではない。
このほかに九執曜、十二宮、二十八宿が図像化されて、1図の中に描かれているのが普通である。
九執曜というのは、日月五星の7つの外に、羅喉星、計都星を加えて9つとしたものである。
後の2者はインド伝来の天文学によったもので、インドでは黄赤道の両交点にこの2つの星があって、これに隠されて日食や月食が起ると考えた。
十二宮はもちろんバビロンにはじまる黄道十二宮を図像化したものであり、二十八宿はインドおよび中国で行われたものである。
したがってこの星まんだらにはバビロン、インドなどの天文学の影響が存在しているといえよう。
(略)
星まんだらの源流はおそくとも唐代の中国にあり、それが平安朝のころにわが国にはいって、当時書かれたものが相当残っている。
野尻抱影の「星座」より、星曼荼羅の解説部分です。左やや上の円の中に牡羊座。
現在拝観が許されている星曼荼羅がないか調べてみましたら、6月30日まで法隆寺で開かれている「法隆寺秘宝展」の展示品リストにありました。見に行けると良いのですが。
その他、やや強引ながら日本の星図つながりということで、司馬江漢の「天球図」もご参考にぜひ。
昨年、かわいさにつられて箱買いしてしまった「メリーちゃんの羊」チョコの「メリーチョコレートカムパニー」と、編みものをする羊をトレードマークとする大型手芸用品専門店「ユザワヤ」が、ひつじつながりでコラボレーションキャンペーンを行っているそうです。
メリーチョコレートとユザワヤは、どちらも本社が東京都大田区にあり、さらに「ユザワヤ」のトレードマークの“創造のひつじ”(羊が編み物をしている図案)と、「メリーチョコレート」の新キャラクター「メリーちゃんの羊」の“ひつじつながり”をきっかけにコラボレーション商品をつくりました。
6月6日は『ひつじの日』キャンペーン開催!
★東京都大田区を拠点とする「ユザワヤ」と「メリーチョコレート」が
”ひつじつながり”でコラボレーション★
(株)メリーチョコレートカムパニーとユザワヤが共同で「ひつじの日」キャンペーンを開催中!
実施期間 2010年5月15日?6月中旬
展開内容
【ユザワヤ】 「メリーちゃんの羊」キャラクター生地、お菓子等の販売
【メリーチョコレート】 ユザワヤ製造の生地を使用した、布袋入「メリーちゃんの羊」お菓子販売
コラボ商品 商品内容
・メリーちゃんの羊 お弁当袋セット 1,660円(本体価格 1,581円)
・メリーちゃんの羊 きんちゃく袋セット 660円(本体価格 629円)
上記商品は、ユザワヤ及びメリーチョコレート店舗にて販売(一部店舗を除く)
ユザワヤの記事内には、大田区長を表敬訪問する着ぐるみメリーちゃんの写真も。
「家畜の群れの帰り」をご紹介しているジャン・オノレ・フラゴナールの、ギリシア神話に由来する「ディアナとエンデュミオン」を。
ロココ美術のご紹介も少したまってきましたので、こちらでまとめてぜひ。
ウルピアヌスがこういう話をつづけているところへ、世にいう物知り料理人の見本のようなのが入ってきて、「ミュマでございます」と言った。
ほとんどの者にはこのミュマなるものが初耳だったので―その料理人はミュマとは何か説明しなかった―ぽかんとしていると、彼が言った、
(略)
「(略)料理術が格式の高いものだったことは、アテナイの触れ役を見れば分かります。
触れ役は料理人と犠牲獣の喉を切る係を兼ねていたのですからな。
(略)ホメロスでは、アガメムノンは王でありながら、彼自身が犠牲を供えております。
詩人はこう申しておりますでしょう(『イリアス』三、二九二)、
「(アガメムノンは)かく言うと、哀れみを知らぬ剣をかざして羊の喉を切った。
羊は息もたえだえに、あえいでおったが、青銅の刃に
命を奪われ、地面にくずれ落ちた。」
(略)
ローマでも、検察官―これはたいへん高い地位です―が紫の縁どりをした衣装を着け冠を戴いて、斧で犠牲獣を屠ります。
ホメロスでも触れ役が宣誓を行ない犠牲を執り行ったのは、何かのついでにたまたまやったわけではなく、これは古くから彼のつとめと決められていたことなのです。
「早速にも羊をつれ、プリアモス王を招くべく、ヘクトルは
城内へ二人の触れ役をつかわした。」(『イリアス』三、一一六)
一方アガメムノンは(同、一一八)、
「王アガメムノンはタルテュビオスをばつかわし、
虚ろに造った船の陣へ赴き、羊を持って参れと命じた。」
2世紀ごろにアテナイオスによって著された、古代ローマの宴席を描く「食卓の賢人たち」から、物知り料理人の長台詞を。
王が羊を牽くというと、古代中国の肉袒牽羊の故事を思い出しますが、立場はずいぶん違っていそうです。
なお、これまでに「イリアス」関連でソポクレスの「アイアス」とオデュッセウスを、
古代ローマの宴席については、「サテュリコン」とその続き、及びアピキウスのレシピをご紹介しています。
子羊は進み出て、玉座に座っておられる方の右の手から、巻物を受け取った。
巻物を受け取ったとき、4つの生き物と24人の長老は、おのおの、竪琴と、香のいっぱい入った金の鉢とを手に持って、子羊の前にひれ伏した。
この香は聖なる者たちの祈りである。黙示録第5章この挿絵が宇宙的ヴィジョンを示そうとしたのは明らかである。
全体を囲む大円には白く輝く24個の星々があり、それがこの宇宙図を活気づけている。
もちろんその数は偶然の数ではない。
円内の水平と垂直の軸上に、福音書記者のシンボルの4つの生き物が表わされ、他に12人の人物がいる。
3人ずつ4グループを成す12人は、24人の長老たちを意味する。
グループごとに、1人が楽器を、1人が黄金の鉢を手にし、3人目の人物が跪拝のポーズ(プロスキネシス)をとって、子羊の前に平伏している。
8世紀スペインのベアトゥスによって書かれた「ヨハネ黙示録」の註解の、11世紀に制作された写本の挿絵部分です。
引用した「子羊、4つの生き物、長老たちのヴィジョン」は、ウンベルト・エーコ「薔薇の名前」の表紙にもなってますね。
金羊毛騎士団勲章は、金の台座の上に、およそ400個のダイヤモンドと102個のルビー、セイロン産の大きなサファイアがちりばめられた3つの部分からなる。
上部は中央の13カラットの大きなダイヤモンドを中心に、リボン結びの形にしてダイヤモンドが配されている。
葉模様で縁取りされた楕円形の中央部は、31.50カラットから14カラットまでの5つの大きな良質のダイヤモンドで椰子の葉状に飾られている。
下部は松明と羊からなり、中央に48カラットの8角形の大きなサファイアを配し、184個のルビーが嵌め込まれている。
(略)
1825年の史料によると、この勲章は、1785年5月3日ヴィラ・ヴィソーザで当時王太子のドン・ジョアンに授与されたことになっており、未来の王(ジョアン6世)は、802号で入団した。「ポルトガル―栄光の500年展」カタログ
勲章を胸にさげた王侯たちの肖像画をいくつもご紹介しているものの、そのものについての説明がこころもとなかった金羊毛騎士団勲章ですが、みごとな写真をみつけましたので、あらためて。豪華です。
ひつじかいが となりに すわりました。 「きみは どこまで いくの?」
「しゅうてんまで」 「そうか、おれたちと おなじだなあ」
スズキコージの絵本です。
ひとりで田舎のおじいさんのところへ遊びに行くことになった、エンソくんの道中記。旅の道連れは、あろうことか列車に満載された羊たちです。
先日手に入れた津島神社の未のお守りがかわいらしかったので、他の神社ではどんなものだろうと、今回は熱田神宮まで行って参りました。
こちらが本宮。ともあれ、参拝を。しかるのち、本宮右手の授与所でお守りをお受けします。
かわいい……。十二支全部、甲乙つけがたく愛らしい細工物でした。横の白鳥は、神宮がお祀りする日本武尊の伝説にちなんだ「しあわせ守り」とのこと。ふかふかです。
おまけ。手水舎にいた鶏。
《黄道12宮の象徴と12か月の労働》
高さ:7.47m 幅:2.07m
扉口の浮彫による十二宮と月々の仕事をご紹介しているシャルトル大聖堂の、こちらはステンドグラスによるものです。
縦長の窓の低めの位置に、三月の労働である「ぶどうの剪定」と並んで、「牡羊座」が。
近づくとそれは古い教会だった。海風に晒された分厚い木の扉が開いていた。武美は中を覗いた。人影はなかった。天窓から差し込んだ陽差しが祭壇を浮かび上がらせていた。きらきらと光るものが見えた。何だろう? 武美は中に入った。祭壇の背後の壁に磔刑のキリスト像がかかっていた。木偶の素朴な像だった。光っていたものの正体は祭壇の上にぽつんとあった子羊の石像だった。そのそばにイエスを抱いたマリア像があり、赤児のイエスが子羊に手を差し出していた。赤児と子羊の頭が光を放っている。武美はリトルトーキョーの教会で神父と交わした会話を思い出した。
『神はどんな人間でも救って下さるのですか』
伊集院静の小説「羊の目」です。「親の望むがままに敵を葬り、闇社会を震撼させる暗殺者となった武美に、神は、キリストは、救いの手をさしのべるのか―。」とのアオリつき。任侠ものを読んで羊に出会えることがあろうとは。
司祭は答えてこう言った。
「こんな時刻に来いなどと
おまえは気でも狂ったか
靴も脱いでしまっている。
とても出かけられぬぞ」と。
若者はすぐ言葉を継ぎ
「いや、だいじょうぶ、私が
おぶって差しあげます」と言う。
(略)
キャベツを盗っていた弟は
白い衣をフラフラさせ
近づいて来る司祭を見て
獲物を運ぶ兄と思い
うれしそうに声をかけた。
「何かあった?」「お待ちのものです」
てっきり父の声だなと
思った息子はそう答えた。
「じゃ、そこにすぐ投げ降ろせ。
包丁はとてもよく切れるよ。
鍛冶屋で昨日、研がしたから。
のど首はすぐ切れるだろう」
(略)
キャベツを盗っていた方も
なぜ逃げるのか、誰なのか
白くフラフラしているのが何か
驚きながら杭にまで
来てみれば、それは袈裟だった。
そこに羊を肩にして
小屋から出てきた兄の方が
キャベツを袋一杯に
盗った弟に声を掛けた。
中世ヨーロッパの滑稽譚ファブリオーの紹介本から、「エテュラ」を。
空腹に耐えかねた貧しい兄弟が、闇にまぎれて富家に泥棒に入ります。兄は家畜小屋に忍び込み羊を肩にかついで、弟は包丁を手にキャベツ畑に。そこに司祭をおぶった富家の息子がはちあわせて……?
先日に引き続いて、「善き羊飼い」モチーフのお話を。初期キリスト教の石棺群に浮彫されたものです。
この「羊を肩にかつぐ」ポーズは、ブリューゲル下絵の版画「良い羊飼いのたとえ」やウィリアム・J.ウェッブの「迷える羊」にも使われています。ご参考にぜひ。