ヴィクトリア朝のタイル

ひつじ話

テンプル教会のタイル
ミントン社が1842年頃に制作した、テンプル教会(ロンドン)のエンコースティック・タイル。
神の子羊と、法学院の記章が描かれている。
19世紀に入ってゴシック式装飾が再び流行しはじめると、中世風の泥漿象眼タイルを求める声が生じた。
しかし、修道院が解体されて以来、この種のタイルの作り方は伝承が途絶えていたので、生産が軌道に乗るまでにはかなりの試行錯誤が必要だった。
1793年にミントン社を創設したトマス・ミントンの息子、ハーバート・ミントンがこの問題に取り組んで、象眼タイル作りをはじめたのは、1828年のことである。
(略)
まもなく、ミントン社には英国各地の邸宅から、床用エンコースティック・タイルの注文が舞い込みはじめた。
1841年には、ウェストミンスター寺院チャプター・ハウスに残る中世の床タイルをコピーしたエンコースティック・タイルを制作して、ロンドンのテンプル・チャーチの床を化粧している。

装飾タイルです。19世紀英国の、ミントン社による神の子羊

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ボードゲーム 「マザーシープ」

ひつじグッズ

冬の夜長に、こたつを囲んでゲームに興じるご家庭もあるかと思います。そんなときに、ちょっと変わったボードゲームはいかがでしょう。
というわけで、子羊フィギュアを棒タイルで囲い込む戦略ゲーム、 「マザーシープ」です。
「マザーシープ」内容物
母羊タイル1枚、子羊(10匹いて、全員可愛い名前がついてます)タイル10枚、子羊コマ10個、柵タイル(2,3色に色分けされた棒)80本、「上がり」になったコマを置くボード1枚、柵袋1枚、子羊カード18枚。
2?6人用。
一人一枚、ランダムに五匹の名前が書かれた子羊カードを持ち、母羊タイルを中心にルールに従って柵タイルをつなげながら、周りに置いた子羊コマを囲んでいく。自分のカードの五匹を囲いきれば勝ちです。
この子羊コマが、なかなか可愛いんですよ。
子羊フィギュア 子羊フィギュア2
それはともかく、ゲームを。
進行中。これは思いのほか奥が深い、かも。
子羊コマを置く場所は任意なので、うんと遠くに置いて長期戦を楽しむこともできるようです。
なお、ルールブックによると、ゲーム開始の順番は「もっともウール量の多い服を着ているプレイヤーから」らしいです。夏場には向かないゲームですね。

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H.G.ウェルズ 「モロー博士の島」

ひつじ話

古典なので大丈夫かとは思うのですがお断りを。引用文にストーリー上のネタバレあります。

「あなたはなぜ動物を人間に変えることを思いついたのですか?」
「わしは羊をラマに、ラマを羊に改造することもできたろう。しかし人間を造ること以上に芸術的なことがあろうか。実は人間以外のものを一度試みたのだが。一、二度……」
(略)
「今日まで、わしは研究の倫理について頭を悩ませたことはない。自然を研究していると、自然と同じように冷淡になるものさ。わしらがこの島に来て十一年になる。わしらとはわしとモントゴメリと六人のカナカ原住民だ。最初のうちは失敗の連続だった。羊から手がけたが一匹目は執刀のミスで殺してしまったっけ。」

ハーバート・ジョージ・ウェルズの小説「モロー博士の島」から。
無人島に住み動物を人間に改造する実験を続けているモロー博士が、主人公の問いに答えて、その研究について語る場面です。

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澁澤龍彦 「東西庭園譚」

ひつじ話

円明園の庭園は三つの区域に分れていたが、その最初の区域に建てられたのが第一の西洋楼「諧奇趣」であった。
(略)
しかし皇帝をもっとも喜ばせたのは、この「諧奇趣」の建物の前面に据えられた、ブノワの苦心になるところの噴水であって、皇帝は建物の窓から、玉座にすわったまま、左右に寵姫をはべらせて、噴きあげては落下する水の束を飽かず眺めたのである。
泉水の縁や、岩の上や、水の中に十数匹の青銅製の動物、鵞鳥や羊や魚などが設置されていて、その口から勢いよく水を吐き出すという、いわば動物の水合戦をあらわしていた。
橋を渡って第二の区域にいたると、三方を運河で囲まれた「花園」と呼ばれる迷路庭園の中央に、大理石造りのキオスクがあり、さらに行くと第二の西洋楼「海晏堂」が建っている。
この名前の由来は、テラスの上に噴水の水を供給する巨大な貯水槽が設けてあるためだった。
「海晏堂」の建物は、多くの細部においてはバロック風であるが、全体はトリアノンとヴェルサイユの正面広場から着想を得ている。
おもしろいのは、建物の西面にある大階段の下に設けられた噴水で、この噴水が時計の役目をしているのだ。
すなわち、泉水の左右に六匹ずつ並んだ十二支の動物が、鼠からはじまって猪まで、一時間ごとに交代で口から水を吐き出すのである。

先日ご紹介した、円明園の十二生肖獣首銅像に関連して、澁澤龍彦『胡桃の中の世界』からの一章「東西庭園譚」を。

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「転身物語」より「ペリアス」

ひつじ話

人びとはさっそく、もう何歳ともわからぬくらい年をとった、肉の落ちたこめかみのところにぐるりとまがった角のある一匹の牡羊を、ひきずってきた。
魔女のメデアは、ハエモニアの短剣をふるって羊のやせた喉もとをえぐると、羊の肢体を強烈な力をもつ薬汁といっしょに青銅の大壺のなかに入れた。
すると、ふしぎや、羊のからだは、みるみるうちに小さくなり、角がとけてなくなり、それとともに老齢も消えてしまった。
やがて、壺のなかから、弱々しい啼きごえがきこえた。
と、その啼きごえにおどろいている人びとの面前に、一匹の仔羊がとびだしてきて、剽軽そうにはねまわったり、乳をのむことのできる乳房をさがしたりした。

以前ご紹介した、オウィディウスの「転身物語」より「イアソンとメデア」。このお話には、メデアを妻としたイアソンが故郷に錦を飾ったあと、敵である王ペリアスをメデアの謀略によって王の娘たちに殺させる、陰惨な章が続きます。
引用は、若返りの秘法があると称して王と娘たちに近づいたメデアが、羊を使ってその証拠を見せる場面。もちろん、王のときには秘法は使われないわけです。
「イアソンとメデア」については、グリルパルツァーの「金羊毛皮」モローの絵などを、これまでにご紹介しています。

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ミレー 「羊の群れの帰還」

ひつじ話

「羊の群れの帰還」

「ミレー展 「四季」アース色のやさしさ」カタログ

ジャン=フランソワ・ミレーの素描です。これまでにご紹介したミレーは、こちらで。

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円明園十二生肖獣首銅像

ひつじ話

銅版画「長春園西洋楼図」のうち「海晏堂西面」 「海晏堂西面」(部分)
ミシェル・ブノアが、てのひらにのせた小さな懐中時計に目を落とした。
「そろそろ未の刻です」
「そうだな」
と、ジュゼッペ・カスティリオーネがしわがれたこえでつぶやいた。そして、ふたりが視線をむけたさきは、鋳銅の羊の彫像であった。
「ほら」
と、ブノアがいい、
「出ない!」
と、カスティリオーネがひくく叫んだのは同時だった。
未の刻には、羊の彫像の口からいきおいよく水がほとばしり出ることになっている。ところで、一刻まえの午の刻にも、羊の口から水が出なかったという。午の刻には、馬の彫像の口からのみならず、ここにならぶ十二支の動物たちの銅製彫像の口がいっせいに水を噴きだし、正午を知らせることになっている。

ことの発端は、乾隆十二年(1747)、皇帝が西洋の絵画に描かれた噴水に興味をいだき、あのカスティリオーネにこの噴水なるものをつくれと命じたことにある。
途方もない命令におどろいたカスティリオーネは、水力学の知識をもつフランス人イエズス会士ミシェル・ブノアに相談、ブノアはただちに噴水の模型をつくり皇帝に見せたところ、それに満足した皇帝は、噴水や西洋式の宮殿をもふくむ西洋庭園の制作をイエズス会士たちに命じた。

清代に築かれた円明園には、乾隆帝に仕えたジュゼッペ・カスティリオーネらイエズス会宣教師たちによって、十二支像の噴水が作られました。
引用図は、銅版画「長春園西洋楼図」のうち、噴水のある「海晏堂西面」の図。引用文は、ともに中野美代子の小説と論考から。
この十二生肖獣首銅像は、ウィキペディアの解説のとおり、現在にいたるものすごくめんどうな経緯を抱えているわけですが、……結局、羊像は今どこにあるんでしょうね?
カスティリオーネ関連では、数年前に、準回両部平定得勝図をご紹介しています。

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ブルネレスキとギベルティの「イサクの犠牲」(続き)

ひつじ話

ギベルティの作品では、浮彫面が左上から右下に斜めに区切られ、左下の場面ではアブラハムに付いてやってきた従者の若者二人が、薪を載せてきたロバとともに岩山の下で待っている。
右側の場面では、アブラハムが衣を翻しながら短剣で息子に挑みかかっているが、イサクはその瞬間にも父親の意図がわからないかのように戸惑った表情をしている。
神の意志を伝える天使は雲間から優雅に立ち現われ、伸ばした右手で岩山の頂上にいる羊を指し示し、それを息子の代わりに捧げるよう伝えている。
表現の仕方は叙述的である。
これに対してブルネッレスキの作品は、場面の持つ緊迫感を前面に押し出したいっそう写実的なものに仕上がっている。
(略)
天使は、このつらい瞬間に立ち現れて、アブラハムの右手をぐっとつかみ、信心深い老人ははっとした目で神の使いを見つめている。
体に張りついた天使の衣紋は、神の使いがいかに俊敏にやってきたかを示している。
天使は右手で、犠牲の身代わりとなるべき雄羊を指し示している。

ブルネレスキとギベルティの「イサクの犠牲」については、その後舞台裏のお話をご紹介したりもしているのですが、こちらの彫刻史の教科書から、味わいかたなどをもう少し。
「イサクの犠牲」に関してはこちらで、聖書の該当部分はこちらをご参考にどうぞ。

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ジャン=バティスト・ユエ 「羊飼い姿のヴィーナス」

ひつじ話

「羊飼い姿のヴィーナス」 「羊飼い姿のヴィーナス」(部分)
ジャン=バティスト・ユエ  1745―1811
風俗画、肖像画、風景画など幅広いジャンルを扱い、タピスリーの下絵(カルトン)やパステル画、水彩画も手がけた。
特に人物を配した風景や動物を主題とした版画で優れた才能を示している。

山寺後藤美術館所蔵ヨーロッパ絵画名作展?宮廷絵画からバルビゾン派へ?」

18世紀フランスのジャン=バティスト・ユエによる、優美な羊飼いを。

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海月れおな 「羊っ娘 メリーさん」

ひつじ画像・映像

メリーさんの出生 合成獣だから……

livedoor デイリー4コマに羊と人間の間にできた女の子が主人公のマンガが連載中とのタレコミをもりもとさんからいただきました。ありがとうございます。
とりあえずぱっと見美少女なんですが、どうやら「合成獣(キメラ)が故に遺伝子のバランスが不安定で、たまーにただの羊になる」(第17回より)らしいです。ひつじnews的には、こっちでも良いんですが。

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ヒツジのおにぎり

ひつじグッズ

ヒツジちゃんのおにぎり
1. お好みの具を入れ小さいおにぎりをラップで2個握る。
  ウィンナーをカットし(中略)、ボイルする。
2. チーズを丸い型で4つ抜く。(白目)海苔を丸く4つ切る。(黒目)
  ウィンナーの余熱のあるうちに顔部にチーズを付ける。
3. おにぎりにパーツを配置しパスタで固定。海苔をチーズに貼る。

ak様から、ヒツジおにぎりの情報をいただきました。ありがとうございます。
きれいに固定するのがむずかしそうですね。お弁当をあけたら目がはずれてた、というのだけは避けたいところです。

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ルートハルト 「井戸の傍らでの休息」

ひつじ話

「井戸の傍らでの休息」 「井戸の傍らでの休息」(部分)

「ウィーン美術大学絵画館所蔵 ルーベンスとその時代展」カタログ

17世紀の動物画家、カール・アンドレアス・ルートハルトの「井戸の傍らでの休息」です。
動物の毛並みをリアルに描くために、生乾きの絵具層に本物の毛を押し当てる技法が使われているとのこと。

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ルーベンス工房 「皇帝カール5世」

ひつじ話

「カール5世」 「カール5世」(部分)
ルーベンスはカールの肖像を描くにあたって、ティツィアーノが発達させた形式に従っている。
斜め横向きで武装し、剣を持っているというものだ。
ルーベンスはティツィアーノの原作をコピーしたこともあった。

「ウィーン美術大学絵画館所蔵 ルーベンスとその時代展」カタログ

ひさびさに、金羊毛騎士団勲章をつけた肖像画を。ピーテル・パウル・ルーベンスの下絵による「カール5世」です。
カール5世の肖像は、他にティツィアーノのものをご紹介しています。金羊毛騎士団勲章関連は、まとめてこちらで。

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大阪のひつじキャラ二頭。

ひつじ画像・映像

納メ?る
納メ?る
私は納税担当のキャラクターです。
正義感がとっても強いの。
いつか大泉緑地に住みたいなぁ?。

メ?探偵コショタン
メ?探偵コショタン
・2009.11.6 大阪古書組合シンボルキャラクター名称 発表
・2009.10.6 大阪古書組合シンボルキャラクターデザイン 発表
大阪古書組合シンボルキャラ名は
メ?探偵コショタン
に決定しました!

もりもとさんから、堺市の税制課マスコットキャラクターと、大阪古書組合のシンボルキャラクターが羊であるとのタレコミをいただきました。やっぱりだいぶ前に。すみません……。
ちなみに、納メ?るちゃんが憧れている堺市の大泉緑地では、二頭の羊が飼われているとのこと。羊小屋の掃除や毛刈りのお手伝いができるボランティア活動もあるようです。

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「モコモコちゃん家出する」

ひつじグッズ

「モコモコちゃん家出する」
きょうも いいおてんきです。動物たちは ごきげんでした。園長さんも ごきげんで あるいていました。
ところが 園長さんは ひつじの モコモコちゃんのところまできて ぎくりと たちどまりました。とが あけっぱなしで モコモコちゃんが いないのです。

角野栄子・文、にしかわおさむ・絵の、「アイウエ動物園」シリーズより。
ある朝、とつぜん動物園を家出したひつじのモコモコちゃんは、心配する園長さんとおくさんをよそに、たいへんな場所で暮らし始めますが……。
こちらの本は、カーター卿さんからタレコミをいただきました。ありがとうございます!

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