「涼宮ハルヒちゃんの憂鬱」

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「涼宮ハルヒちゃんの憂鬱」1巻裏表紙
ハルヒシリーズ初の公式ギャグついに登場!!
いつも以上に暴走気味なハルヒちゃん。
ツッコミのキョン。少しオタクな長門。
可愛すぎて羊になるみくる。キョンとイイ感じの古泉。
SOS団5人+αで贈る、4コマとショート満載の新しいハルヒワールド!!

「涼宮ハルヒ」シリーズのパロディギャグ、「涼宮ハルヒちゃんの憂鬱 (1)」で、キャラクターの一人である朝比奈みくるさんがえらいことになってます。可愛すぎてって。

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「ベンジーのおくりもの」

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「ベンジーのおくりもの」
「おみやげの花に かおを つっこんでいるのは だーれ?」
「おとなりのベンジーですよ。そうだ ベンジー、
きみも どうぞ、お茶に いらっしゃい」
がちょうさんは、ひつじのベンジーも さそいました。

市川里美の絵本です。
がちょうさんのお茶会に招待されたノラは、ひつじのベンジーと出会います。くいしんぼうで、家の入口でつっかえてしまうようなベンジーですが、じつは……。

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羊は決して棚から落ちない

ひつじ話

 空間を見る能力は、生まれつき備わっている。それは「視覚的断崖」と呼ばれる、見かけだましの断崖を使った実験でわかったことだ。
 この画期的な実験装置を考えたのは、アメリカの女性研究者のエレノア・ギブソンだ。(中略)
 動物の実験農場で生まれたての羊を扱っている時に、あることに気づいた。羊は一度に大量に生まれる。生まれたての羊を一匹一匹順番に実験室に運ぶため、とりあえず何匹かの羊をどこかに置いておく必要があった。羊は生まれてすぐにも歩けるので、下手なところに置くと歩いて他の羊と混ざってしまう。どこに置いたら一番邪魔にならないか考えあぐねた末、たまたま高い棚に置いてみたのだ。棚から落ちてしまったら一大事だ。どうしようと悩んだものの、羊は決して棚から落ちることはなかったのだ。
 そこで彼女は考えた。生まれたばかりの羊でも、「ここから落ちると危ないぞ」ということがわかるのだろうか。つまり、自分のいる棚と下との落差がわかるのだろうか。
 実験農場から戻り、実験を企画した。生まれたての動物に断崖絶壁から落ちる恐怖がほんとうにわかるのか、空間を見る能力は生まれつきか、謎を解こうとしたのである。
 動物たちを「視覚的断崖」(図1-1)に立たせ、断崖に落ちる方向に進むかどうかを調べることにした。「視覚的断崖」とは、断崖の上に硬質ガラスをはめたものだ。(後略)
視覚的断崖の実験。羊は断崖の上のガラスを渡ろうとしなかった。

棚から落ちるよりもほかの羊と混ざるほうが一大事という状況がよく分かりませんがだいたい分かりました。
※2/26追記。
エレノア・ギブソンの自伝を読んでみたら、詳しい状況が記されていました。

双子のペアの一匹を実験群に、もう片方を統制群に用いた。
私が関心をもったのは、群行動の発達における出産後すぐの母親の役割だった。
(略)
私は、絆をつくる要因として化学的情報に特に興味をもっていたので、生まれてすぐに(実験群の)仔を母親が舐める前、そしてもう一方の双子の仔が生まれる前に、母親から離した。
その仔をすぐに洗剤につけた。
あるとき、双子の残りが産道から姿を現し始めた時、私はちょうど第一子を洗剤に浸したばかりだった。
急いで今浸した仔をどうにかしなければならなかった。
農場管理人が半開きのドアから眺めていて、「台の上に置けば」と言った。
高いカメラ台で、約三〇センチメートルの台座がついていた。
私は子ヤギが転げ落ちると反対したが、彼は落ちないと保証した。
その湿った小さな動物を台の上に置くと、決めておいた場所に運ぶまで、子ヤギはそこにいて、立って部屋を見回していた。

…………ヤギ!?

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劇団MAHOROBA+α公演『ペコラムートンの羊』

ひつじ春夏秋冬

『ペコラムートンの羊』
その舞台となるのは日暮里d倉庫。
広大な間口と奥行き、さらに天高4.7メートルを誇る本会場に、羊たちを囲う柵が張り巡らされます。
これはその柵を越えていく物語。
【日時】
2月27日(金) 19:30
   28日(土) 14:00/19:30
3月 1日(日) 13:00/17:00
【会場】
d?倉庫(日暮里駅徒歩7分)

東京の社会人劇団、「劇団MAHOROBA+α」様より、公演のご案内をいただきました。
ひつじnewsは遠方の住人なのでお伺いすることができません。悲しい。お近くでお時間のあるかたは、ぜひご覧になってくださいませ。そしてひつじnewsに自慢のご一報を。

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「善」と「羊」の関係

ひつじ話

古代の裁判には、のちのような証拠主義がとられないで、神判が用いられた。
(略)
種々の神判のうち、羊神判が最も正統的なものであった。
(略)善はもと、羊と二言に従う字であった。神羊の左右にそれぞれ言を加えているのは、原告・被告の当事者を示す。
言はサイ上に辛(はり)を加えて盟(ちか)う意味で、もしその盟誓に偽りがあれば、辛を加えて入墨の刑を受ける意を示したものである。

「善」及び「慶」
善は羊神判におけるカイタイの正面形の羊と、当事者の誓約を示す二つの言からなる字であった。
従って善とは、神判において神意にかない、勝訴をうることをいう。
勝訴者のカイタイには、文身の文様である心字形の飾りを加えた。これを慶という。

以前ご紹介した白川静羊神判のお話について、あらためて。引用の文字資料は、右のが「善」で左が「慶」。
神羊関係では、他に『五雑組』の「皐陶と神羊」カイチのお話をしています。落合芳幾の「新板毛物づくし」もご参考にどうぞ。

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森川杜園 「羊」

ひつじ話

羊香合
江戸時代末?明治時代前期  羊 檜・彩色 高10.5?
奈良木偶(でく)師と自称した森川杜園(1820?94)は、木彫による、能楽や狂言を題材にした人物像や、鹿その他の動物像を得意とした。

奈良一刀彫の中興の祖、森川杜園による木彫の羊です。東京芸術大学蔵。

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『笑府』より「羊を盗む」

ひつじ話

ある女、隣家の羊を盗んで寝床の下に隠し、子供に「誰にもいっちゃいけない」といいふくめる。
やがて隣りの人が街中をワアワアどなって歩く。すると子供が、
「うちの母ちゃんは決してお宅の羊を盗んだわけじゃないよ」
といったので、女はかえって事がばれやしないかと思い、子供を睨みつけると、子供、その母を指さして、
「ほら、うちの母ちゃんのあの目、まるで寝床の下のあの羊とそっくりだよ」

明代の笑話集「笑府」巻十一謬誤部より、「羊を盗む」です。

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「キママ・ハラヘッタというヒツジの話」

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kimamahara090210.jpg
チイサナ・オバサンは、一ぴきのヒツジをかっていました。つまり、そこにいるヒツジですのと、オバサンはいいました。
ヒツジというのはオバカさんで、ペットとしてかうにはあまりてきしていません。でもこのヒツジはこの家で生まれたんだし、死んだオジサンがかわいがっていたので、てばなす気にはならなかったのです。
なまえは、キママ・ハラヘッタといいました。
「ところが、この、キママ・ハラヘッタがくいしんぼうでしてね、そこからこのはなしがはじまりますの。」

松谷みよ子の児童文学です。
都会から北の海べにやってきた環境調査委員会の委員長氏は、水たまりのような小さな湖のそばで、チイサナ・オバサンとくいしんぼうのヒツジに出会います。水辺に座ってオバサンが話す、彼女とヒツジと湖の顛末とは。

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正倉院宝物 白石鎮子(はくせきのちんす)

ひつじ話

白石鎮子(午・未)
四神と十二支を半肉彫りした石版。
一枚の中に青龍・朱雀、白虎・玄武、子・丑、寅・卯、辰・巳、午・未、申・酉、戌・亥をそれぞれ組み合わせた八枚がある。
帳の裾を押さえる鎮子(おもし)、装飾石版等の説があるが、正確な用途は不明。

正倉院宝物より、白石鎮子(午・未)を。午と未がからんだ図が浮彫にされている石版です。
正倉院宝物については、こまごまとネタにしておりますので、こちらでまとめてぜひ。

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ラ・フォンテーヌ 『寓話』より「ワシのまねをしようとしたカラス」

ひつじ話

ジュピテルに仕える鳥がヒツジをさらっていった。
それを見ていた一羽のカラス、
(略)
かれはヒツジの群れのまわりを飛びめぐり、
たくさんのヒツジのなかでいちばん太った、いちばんみごとな、
まさに祭壇に捧げられるべきヒツジに目をつける。
(略)
ヒツジという生きものは
チーズよりも重い。さらにその毛は
とても深くて、
ほぼポリフェモスのひげのようなぐあいに
もじゃもじゃしている。
それがカラスの足にすっかりからみついて
あわれな鳥は退却することもできなかった。
羊飼がやってきて、それをつかまえ、ちゃんと籠に入れて、
おもちゃがわりに子どもにやった。

「ブタとヤギとヒツジ」「オオカミたちとヒツジたち」「羊飼になったオオカミ」をご紹介している、ラ・フォンテーヌの『寓話』より。
ポリフェモスというと、「ガラテイアとアキス」「オデュッセイアー」に出てくる一つ目巨人の羊飼いですが、ヒツジの毛並みと比べられるようなひげの持ち主だったんでしょうか。

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『パンタグリュエル物語』より「パニュルジュの羊」

ひつじ話

とっさのことで、ゆっくり見ている暇もなかったのだが、突然、どうしたわけかパニュルジュは、何も言わずに、べえべえ啼き喚くその羊を、海のまん真なかへ投げこんでしまった。
すると、他の羊が全部、同じような声音でべえべえと啼き喚きながら、これに続いて列をなし、海のなかへどぶんどぶんと飛びこみ始めた。
羊の群は先を争い、最初の羊の後を追うて飛びこもうと犇(ひしめ)き合った。
これを引きとめることはできない相談だったというのは、各々方も御存じの通り、それがどこへ行こうと、最初の一頭の後に全部がついて行くのが羊の習性だからである。
かるが故に、アリストテレスも、その『動物誌』第九巻で、羊は、世界中で一番暗愚無能な動物だと言っている。

フランソワ・ラブレーの著した「ガルガンチュワとパンタグリュエル」の「第四之書」より、「パニュルジュが、商人とその羊どもを海に溺れさせたこと」です。
登場人物の一人であるパニュルジュは、船旅の途上で乗り合わせた羊商人に侮辱され、復讐を企みます。ならぬ堪忍を重ねた末に商人から羊を一頭買い取ることに成功し、それをそのまま海に投げ込む。つられた他の羊たちとそれを取り押さえようとした商人たちは、みな無惨にも溺れてしまう、というお話。
アリストテレス云々については、「動物誌」の当該箇所をご紹介しています。

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クロード・ロラン 「ヤコブとラバンとその娘たちのいる風景」

ひつじ話

「ヤコブとラバンとその娘たちのいる風景」 「ヤコブとラバンとその娘たちのいる風景」(部分)
クロードの風景画は近代の西洋風景画全体に広範な影響を及ぼした。
その画風ならびに理念は、イタリア絵画に継承されただけではなく、一般的にはむしろ17世紀オランダ風景画の自然主義を継承したとされるフランスのバルビゾン派の絵画から、大西洋の向こうアメリカのハドソン・リヴァー派の作品にまで反映されている。
だが、その影響がもっとも明確な形で現れているのは何といっても18世紀から19世紀にかけてのイギリス風景画であろう。

「エジプト逃避途上の休息」「パリスの審判」をご紹介しているクロード・ロランの「ヤコブとラバンとその娘たちのいる風景」です。
ヤコブとラバンと娘のお話は、ラファエッロの聖書などを。
引用にある「イギリス風景画」については、ゲインズバラの「羊飼いのいる山の風景」コンスタブル「麦畑」などをご参考にどうぞ。

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エルスハイマー 「洗礼者ヨハネと天使たちのいる聖家族」

ひつじ話

「洗礼者ヨハネと天使たちのいる聖家族」 「洗礼者ヨハネと天使たちのいる聖家族」(部分)
棕櫚の樹の傍らに座る聖母。その膝では、幼児イエスがヨハネと抱き合う。左手には司祭服をつけた天使と、犠牲の象徴である子羊。

アダム・エルスハイマーの「洗礼者ヨハネと天使たちのいる聖家族」です。

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カウナケス(続き)

ひつじ話

カウナケス
今日のイラク共和国を流れるティグリス河とユーフラテス河の流域を、両河の間という意味でメソポタミアと呼ぶ。
この地域は前6500年に農耕・牧畜を営む新石器時代に入り、前3000年には南部のバビロニアで文字をもつまでの文明に至った。
これが本格的な文明の段階に達したのが、シュメール人の初期王朝時代(前2900―2400)である。
出土品によれば、この時代の服飾はもっぱらカウナケスだが、これは素朴ながら、その後前4世紀のギリシアにまで及ぶ伝統をつくった衣服である。
マリの高官エビフ・イルの腰に巻かれているのがカウナケスの原初の姿で、本来は羊や山羊の毛の房をつけた毛皮だが、やがてこれを真似て粗毛ウールの束を重ねた布がつくられ、これが後々まで伝えられるのである。
カウナケスとは、つまり毛皮、もしくは毛皮を真似たウールの素材をさすことばである。

ずいぶん以前にご紹介したカウナケスについて、もう少し。
引用写真の左は、ルーヴル美術館蔵の「エビフ・イルの像」。右は大英博物館蔵「ウルのスタンダード」。カウナケスにマントをはおった兵士たちが並んでいます。ウルのスタンダードについては、シュメル文明のひつじたちのお話をしたときに触れています。

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