コナン・ドイル 「白銀号事件」
「ちかごろになって羊に何か変ったことはなかったかね?」
「へえ、大したこともございませんが、三頭だけどういうものか脚の具合が悪くなりましたんで」
ホームズは大そう満足らしかった。
にこりと笑って、しきりに両手をこすり合せていた。
「大胆な想像だよ、ワトスン君。非常に大胆な想像があたったよ。
─グレゴリーさん、羊のなかに妙な病気が流行しているのは、大いにご注意なすったらよいと思いますよ。じゃ、御者君、やってください」
少し前に「緋色の研究」のお話をして以来、個人的にシャーロック・ホームズづいていたのですが、羊の出てくる事件がもうひとつありましたので、引き続いてご紹介を。『シャーロック・ホームズの思い出』所収の「白銀号事件」です。この羊が、事件の解決に絡んでわりと重要な要素になるのですよ。
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